「HP ENVY14 Beats Edition」を味わう――“羨望”という名のノートPC:PCとHip-Hopの融合(2/4 ページ)

» 2010年10月20日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

音楽をテーマに徹底的にこだわったハードウェア/ソフトウェア

2基用意されたヘッドフォン出力にBeats Audioブランドのヘッドフォン(別売)をつないだ様子。ENVY 14 Beats Editionとの相性は抜群だ

 Dr. DreおよびBeats Audioとのコラボレーションは、デザインや演出の部分だけにとどまらない。目玉機能といえるのが、サウンド機能だ。本体内蔵のステレオスピーカーの設計にあたってはボディの素材やラバーコーティングなど、ボディ全体の構造から音の共鳴まで緻密(ちみつ)に煮詰めているという。

 また、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)の音質チューニングをDr. Dreが担当することで、ヘッドフォン出力、内蔵のステレオスピーカーともに迫力のある重低音とクリアな高音域の出力を実現している。

 日本HPでは日本音響研究所に音質分析を依頼しており、ENVY 14 Beats Editionを一般的なノートPC(HP Pavillion Notebook PC dv6a)と比較分析した結果、中〜高音域(5000Hz以上)で音圧が高くフラットな特性であり、音像の定位が鮮明であること、そして低音域(約750Hz付近)でも14デシベル程度音圧が高く迫力のあるサウンドと評価されている。

 Beats Audioのオン/オフはFn+Bキーで切り替えられるが、オンにしたほうが断然印象がよい。オフの状態ではノートPCのスピーカーによくあるような低音の弱いスカスカした印象の音だが、オンにすると中音域の厚みが増し、低音もしっかり効いてメリハリのあるサウンドになる。

 前面に配置された内蔵ステレオスピーカーの出力も確かに高品質で、大音量にしても音割れすることなく、クリアで迫力のあるサウンドを聞かせてくれる。また、独自にチューニングしたというヘッドフォン端子を2基搭載しており、2人同時に音楽を鑑賞できる点も見逃せない。

イコライザーなどを備えた「Beats Audio」のサウンドユーティリティ。DSPのチューニングをDr. Dre氏が行なっており、ミュージシャンがクリエイトした音に近いサウンドを再現できるという。Fn+Bキーで、効果のオン/オフを切り替えられる

基本スペックも充実、GPUはハイブリッド仕様

 ノートPCとしての基本スペックも充実している。CPUはCore i5-460M(2.53GHz/最大2.8GHz、3次キャッシュ3Mバイト)で、現行のインテル製ノートPC向けCPUラインアップにおいて中堅クラスに位置するモデルだ。チップセットにはIntel HM55 Expressを採用している。

 基本動作クロックは2.53GHzだが、省電力機能のEIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)と自動オーバークロック機能のTurbo Boostに対応しており、動作クロックは最低1.2GHzから最大2.8GHzまで、CPU負荷やCPUの温度などに応じて頻繁に変化する。また、デュアルコアながらHyper-Threading(HT)により4スレッドの同時実行が可能で、マルチスレッドに最適化されたマルチメディア系のアプリケーションも高速に処理できる。

CPUにはCore i5-460Mを採用。デュアルコアながらHyper-Threading(HT)により4スレッドの同時実行性能を持つほか、省電力機能のEIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)と自動オーバークロック機能のTurbo Boostにも対応する

 グラフィックス機能はCore i5-460Mが統合しているIntel HD Grapchicsのほか、外部GPUとしてAMDのATI Mobility Radeon HD 5650(グラフィックスメモリ1Gバイト)も搭載。電力を節約したい場合はIntel HD Graphics、パフォーマンスが欲しい場合はATI Radeon HD 5650というように、切り替えて利用できる。

グラフィックス機能は、CPU内蔵のIntel HD Graphicsのほか、外部GPUとしてATI Mobility Radeon HD 5650を搭載する。ATI Mobility Radeon HD 5650はDirectX 11対応のミドルレンジGPUで、負荷の特別高いタイトル以外であれば3Dゲームも楽しめる

 このような統合GPUと外部GPUのハイブリッドタイプはインテルとNVIDIA、あるいはAMD同士の組み合わせが多く、インテルとAMDの外部GPUを組み合わせた製品は珍しい。切り替えの方式としてはAMD同士(AMD Power Xpress)の切り替えと同じで、Windows 7上のユーティリティでどちらかを選択する。

 デフォルトの設定ではACアダプタ駆動時にATI Mobility Radeon HD 5650が利用され、バッテリー駆動時に自動でIntel HD Graphicsに切り替わるが、手動での切り替えもできる。なお、切り替わる際には切り替えを確認するダイアログが表示され、画面が一瞬ブラックアウトする。

GPU切り替えユーティリティは、デスクトップを右クリックして表示されるメニューからアクセスする
標準ではACアダプター駆動時に外部GPU、バッテリー駆動時に内蔵GPUを利用するようになっているが、手動での切り替えも可能だ
GPUが切り替わる際にはこのようなダイアログが表示される。切り替わる際には1〜2秒画面がブラックアウトする

バッテリーを外した場所にあるネジを取ると、底面のカバー全体が外れ、メモリスロットも露出する

 メモリはPC3-10600 SO-DIMMに対応しており、標準で4Gバイト、最大では8Gバイトまで増設可能だ。データストレージは640Gバイトの2.5インチのSerial ATA HDD(5400rpm)を採用している。HDDベイはバッテリーカバー内からすぐにアクセスできるが、メモリモジュールの着脱はネジ止めされた底面カバーを外す必要がある。左側面には光学ドライブとしてスロットイン式のDVDスーパーマルチドライブを搭載している。

 なお、直販のHP DirectplusモデルはクアッドコアのCore i7-720QM(1.6GHz/最大2.8GHz、3次キャッシュ6Mバイト)と7200rpm/640GバイトのHDDを備えており、量販店モデルよりハイスペックだ。それ以外の仕様は2モデルで共通化されている。

通信機能とインタフェースは十分な内容

 通信機能は、1000BASE-T対応の有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応の無線LANに加えて、Bluetooth 2.1+EDRも装備する。

 本体に標準装備した端子類の内容は、USB 3.0こそ搭載しないが、全体的にスリム型のA4ノートPCとしては十分な内容だろう。

 有線LANのほか、eSATA/USB 2.0兼用ポートを含めたUSB 2.0ポートを3基、SDHC対応SDメモリーカード/MMCスロットを装備。ディスプレイ出力としてMini DisplayPortとHDMI 1.3を備える。また、前述したようにヘッドフォン端子は2基あり、それぞれライン出力/マイク出力との兼用となっている。液晶ディスプレイの上部には92万画素のWebカメラ(HP TrueVision HD)も装備している。

前面にはステレオスピーカー、SDHC対応SDメモリーカード/MMCスロットを装備
底面には排気口が配置されている。サイドのメタリックな鏡面仕上げが美しい

左側面にはDVDスーパーマルチドライブ、2基のUSB 2.0、2基のヘッドフォン出力を装備
右側面にeSATA/USB 2.0兼用、HDMI出力、Mini DisplayPort出力、盗難防止ロック用スロット、有線LAN、排気口、DC入力が並ぶ

HP ENVY14 Beats Editionのデバイスマネージャ画面。2つのディスプレイアダプタが登録されているのが分かる。HDDはSamsung製のHM641JIだった

Photoshop/Premiere Elements 8を標準搭載

 プリインストールOSには64ビット版のWindows 7 Home Premiumを採用しており、標準搭載する4Gバイト(最大8Gバイト)のメモリをフル活用できる。また、独自のAV再生/編集統合ソフト「HP MediaSmart」をはじめ、メディア再生/ライティングソフト「CyberLink DVD Suite」のほか、「Adobe Photoshop Elements 8」に「Adobe Premiere Elements 8」といったアドビシステムズの個人向けクリエイティブツールも付属する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月29日 更新
  1. Windows 11でサインイン後に「画面が真っ黒になる」事象が確認される 発生時は暫定解決策あり (2026年09月28日)
  2. 圧倒的な通気性と航空モチーフのデザインが光る「ANAオリジナル タフな背中がムレにくいビジネスリュック」を試す (2026年09月28日)
  3. AnthropicがAIモデル「Claude Opus 5.5」を発表/OpenAIもAIモデル「GPT-6 Sol」「GPT-6 Luna」を投入 (2026年09月27日)
  4. 斜め吸気や底面ARGBなどThermaltakeの新作ピラーレスケースが話題に! Lexar製SSDはモデル数が拡充 (2026年09月28日)
  5. GeForce RTX 5080は30万円超えの空気感――GPU高騰の裏で見つけた7割引の水冷パーツと8万円台の小型PC (2026年09月26日)
  6. 入手困難な「PS5 Pro」の販売がソニーストアで再開 発送は11月以降、購入申込み条件はPS5/PS4のプレイ実績60時間以上 (2026年09月28日)
  7. “Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性 (2026年09月25日)
  8. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  9. 「約12万円のPS5 ProよりゲーミングPCを買った方がいい」は本当なのか? 同等スペックで組んだら価格は…… (2024年09月19日)
  10. Ryzen AI Max+を搭載したハイスペック9型ミニノート「GPD WIN Max 3」 (2026年09月28日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー