「Prime Note Galleria MR5」検証――Core i7×Radeon HD 5650×フルHD液晶で11万円台のゲーミングノートこれは、速くて安い(1/3 ページ)

» 2010年11月04日 09時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

ドスパラの最新ゲーミングノートをじっくり試す

「Prime Note Galleria MR5」

 「Prime Note Galleria MR5」は、PCショップ「ドスパラ」の運営などで有名なサードウェーブが手がけるゲーミングPC「Prime Galleria」シリーズの新モデルだ。

 高速なCPUとGPUによるハイパフォーマンスに加え、フルHD解像度表示に対応する15.6型ワイド液晶ディスプレイを備えており、CPUやメモリ容量などのカスタマイズにも対応することで、最新3Dゲームも楽しめるノートPCに仕上げている。もちろん、ショップブランドPCらしい低価格設定もポイントだ。ここでは11万9980円の基本モデルを試した。

 まずは外観だが、ボディのサイズは380(幅)×250(奥行き)×36(高さ)ミリ、重量は約2.6キロと、高性能な基本スペックの割にスリムかつコンパクトにまとまっている。重量は実測値で2.55キロとほぼ公称値通りだった。

 ボディのデザインは実にシンプルだ。オールブラックのカラーリングだが、光沢と非光沢の樹脂素材を使い分けるとともに、パームレストをディンプル加工したりキーボード奥に市松模様のテクスチャを施すなど、各部にアクセントをつけて単調すぎないようにしている。光沢ブラックをシルバーで縁取りした天面はブランドロゴすらないが、それが逆に新鮮な印象を受ける。

 背面に搭載するリチウムイオンバッテリーの容量は58ワットアワーで、公称のバッテリー駆動時間は約2.3時間となっている(バッテリー駆動時間のテスト結果は後述)。据え置きでACアダプタをつないで利用することが前提だ。ACアダプタはサイズが56(幅)×132(奥行き)×57(高さ)ミリ、電源ケーブルを含めた重量が約500グラムだった(いずれも実測値)。

シンプルなデザインのブラックボディ。フラットな天面は縁取りがあるだけで、ロゴなどはない
バッテリーは背面に装着する。ACアダプタはこのクラスでは標準的なサイズだが、電源ケーブルが太めだ

クアッドコアCPUと外部GPUによる高性能

 まずは基本スペックだが、ドスパラのオーダーページに用意されているBTOメニューでカスタマイズできる。

 CPUにはCore i7のクアッドコアモデル(開発コードネーム:Clarksfield)を採用。基本モデルはCore i7-740QM(1.73GHz/最大2.93GHz/3次キャッシュ6Mバイト)を搭載しているが、より高性能なCore i7-840QM(1.86GHz/最大3.2GHz/3次キャッシュ8Mバイト)も選べる。

 Core i7-740QMの基本動作クロックは1.73GHzにとどまるが、Turbo Boostにより最大2.93GHzまで動作クロックが上昇する。1コアにつき2スレッドを同時に取り込んで処理できるHyper-Threadingにも対応しており、4コアで8スレッドの同時処理が可能だ。マルチスレッド処理に最適化された動画エンコードやCGレンダリングで大きな威力を発揮する。TDP(熱設計電力)は45ワットと通常のモバイル向けCPUと比べて少し高い。

 チップセットはIntel HM55 Expressを採用している。デュアルコアのCore i7/Core i5など(開発コードネーム:Arrandale)が内蔵するGPUコアのディスプレイ出力に対応するチップセットだが、本製品が搭載するCore i7はGPUコアを内蔵していないので、その機能は使われていない。

 グラフィックス機能には外部GPUとして、AMDのMobility Radeon HD 5650(グラフィックスメモリ1Gバイト)を搭載している。Mobility Radeon HD 5650は、DirectX 11対応のミドルレンジGPUで、描画負荷の特別高いタイトル以外であれば3Dゲームも楽しめる。HD動画の再生支援機能としてUVD2を搭載しており、UVD2に対応するWindows Media Player 12やメジャーなサードパーティ製再生ソフトを利用することで、Blu-ray DiscタイトルやAVCHDムービーなどを少ないCPU負荷でストレスなく楽しめる。

CPU-Zの情報表示画面(写真=左/中央)。CPUにはCore i7-740QMを採用。クアッドコアでHyper-Threading(HT)にも対応しているので8スレッドの同時実行が可能で、動画エンコードやゲームもパワフルにこなす。基本動作クロックは1.73GHzだが、自動オーバークロック機能のTurbo Boostに対応しており、4コアアクティブ時に1.86GHz、2コアアクティブ時は2.53GHz、1コアアクティブ時には2.93GHzまで動作クロックが上昇する。一方、低負荷時には省電力機能のEIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)により最低933MHzまで動作クロックを下げるため、CPU負荷やCPUの状態に応じて動作クロックは頻繁に変化する。GPU-Zの情報表示画面(写真=右)。グラフィックス機能はATI Mobility Radeon HD 5650(グラフィックスメモリ1Gバイト)を搭載。DirectX 11対応のミドルレンジGPUで、負荷の特別高いタイトル以外であれば3Dゲームも楽しめる。HD動画再生支援機能のUVD2を搭載しており、対応ソフトではHD動画の再生やSD動画の高画質再生が低いCPU負荷でストレスなく行なえる

ストレージは柔軟なカスタマイズが可能

底面のネジ止めされたカバーを開けると、2基のSO-DIMMメモリスロットやHDDベイにアクセスできる

 メモリはPC3-10600 SO-DIMMに対応し、標準で4Gバイト(2Gバイト×2)を装備。BTOでは8Gバイト(4Gバイト×2)の大容量も選べる。

 データストレージは2.5インチのSerial ATA(3Gbps)対応HDDを採用している。標準では500Gバイトの2.5インチHDD(5400rpm)を搭載しているが、BTOメニューでは750GバイトのHDD(5400rpm)や、より高速な7200rpmのモデル(500Gバイト/320Gバイト)も選べる。光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブだ。

 また、BTOメニューには用意されていないものの、直販サイトのコメント欄から見積もり希望を依頼することで、HDD/SSDのメーカーや型番を指定して搭載することもできる。このような柔軟な対応は、豊富なパーツ在庫を持つPCショップ系BTOノートPCならではといえる。有料(2400〜3000円)になるが、HDD/SSDのパーティション分割(2〜3分割)を指定することも可能だ。

 プリインストールOSは、Windows 7のHome Premium/Professional/Ultimateがそれぞれ32ビット版/64ビット版の両方から選べる。プリインストールOSなしの構成も選択可能だ。

 32ビット版Windows 7で認識できるメモリ容量は最大4Gバイトまでのうえ、さらにハードウェアに予約されている仮想アドレスが使えないため、実質3Gバイト前後に制限される。本製品はメモリ容量として4Gバイト/8Gバイトを選択できるが、4Gバイトの構成でもそれをフルに生かすためには64ビット版が必要だ。今回試した基本モデルでは、32ビット版のWindows 7 Home Premiumがプリインストールされている。

 なお、BTOメニューに記載されていない構成を希望する場合も、HDD/SSDの型番指定と同様、コメント欄から依頼することで別途見積もりを作成して、可能な限り対応してくれるという。ノートPCだけにそれほど自由は効かないとは思われるが、何かこだわりのある部分があれば相談してみるとよいだろう。

デバイスマネージャ画面。HDDは「Hitachi HTS545050B9A300」とある

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