「webOSですべてをつなげていく」――HPの新ビジョン“The Connected Life”:A New HP World(1/2 ページ)

» 2011年02月24日 12時00分 公開
[後藤治,ITmedia]

 米Hewlett-Packard(以下、HP)は2月23日(現地時間)、中国・上海にて「A New HP World」を開催した。このイベントでは同社の新しいビジョンや事業戦略が語られるとともに、先日発表されたwebOS搭載タブレット端末「TouchPad」のデモや、主にアジアパシフィック市場向けの新製品も披露されている。

「The Connected Life」――webOSですべてのデバイスをつなげていく

ジョス・ブレンケル(Jos Brenkel)氏

 キーノートスピーチでは、HPアジア太平洋/日本地域のPSGでバイスプレジデントを務めるジョス・ブレンケル(Jos Brenkel)氏が登壇。まずはじめにHPの歴史を振り返った。ご存じの通り、Hewlett-Packardはウィリアム・ヒューレットとデビッド・パッカードの2人がパロアルトのガレージから始めた小さな会社だが、現在では174カ国でビジネスを展開し、14万5000のセールスパートナーを擁する世界第一位のPCメーカーだ。ブレンケル氏が話した冒頭の1分、この短い時間で世界では120台のPCが出荷された計算になる、といえばHPがどれだけ巨大な企業か分かるだろう。

 そのHPが今後のビジョンとして掲げるのが「コネクテッド・ライフ」だ。ブレンケル氏は、経済的な進化の過程においてこれまで個人個人がさまざまな消費を行ってきたが、今後は共有による最適化が重要な要素になると説明する。例えば、ニューヨークでは車を購入する人が減り、その一方で自動車の共同使用を行うカーシェアリングのシステムが広まっている。車を時間でシェアすることによって、車が駐車場に置いてあるむだな時間を最適化できるのがメリットだ。また、現在では子供服を共有するWebサービスもあるという。同氏は、急成長を遂げる企業の特徴として共有サービスを挙げ、HPは今後この分野に技術を提供していくと語る。「これからはコミュニティが情報を、情熱を、資産を共有していくことになる」(同氏)。

フィル・マッキーニー(Phil Mckinney)氏

 続いて登壇した米バイスプレジデントのフィル・マッキーニー(Phil Mckinney)氏は、指数関数的に増加するデバイスや複雑化するネットワーク、そして家電をはじめとするさまざまなデバイスが相互接続されていくことで「人々の体験もより複雑さを増していくだろう」としたうえで、今後10年に渡って市場にもたらす変化を予測した。

 同氏が語る未来では、Twitterなどのソーシャルメディアは統合されていき、2016年に(ゲーム世界の取り引きのような)バーチャルな経済が発生し、2019年には連絡手段としてEメールを使う人は減少してビデオによるコラボレーションが好まれるようになる。また、個人による体験も大きく変化する。テレビが直接ネットに接続してコンテンツを楽しめる“スマートテレビ”はさらに拡張され、家自体がネットに接続された“スマートハウス”になる。このスマートハウスの登場とともに、さまざまなセンサーが臨界点を迎え、家の中に配置された各種センサーによって、人々の生活スタイルにあわせた光熱管理が可能になり、医療機関とのインフラも整備される。

 一方、ネットワーク分野では、2013年にデバイスの爆発的増加によっていったん帯域の制約に到達するが、ネットワークの接続性は今後さらに拡大して水や空気と同じような基本的なものへと変化する。また、ガジェットはモバイルデバイスが優勢になる一方で、近い将来ノートPCやスマートフォン、タブレットといったように、デバイスごとに切り離されて動作するという課題が生まれる――。

 同氏の予測では2019年に、すべての情報を今持っているデバイスに集約できるようになるとしているが、課題として挙げられたデバイス間の垣根を取り去り、複数のデバイスで同じ情報を扱えるようにする仕組みとしてHPが考えているのが「webOS」だ。これはちょうど、Acerの「clear.fi」構想に似ている。

TouchPad

 webOSは2010年に12億米ドルを費やして買収したPalmのモバイルOSで、搭載製品としてはタブレット端末の「TouchPad」と、スマートフォンの「Veer」「Pre3」が先日サンフランシスコで発表されているが、アジアパシフィック地域での公開は今回が初めて。webOSは、搭載端末どうしで相互に情報の共有ができるほか、「HP Synergy」によってGoogleをはじめとするクラウドサービスやFacebookなどのソーシャルサービスの情報を一元管理できるのが特徴だ。また、webOSではマルチタスキングやFlash対応など50の新機能がありSKDも提供される。さらに今後はWindows 7搭載PCにも載せていく予定だという。webOSを紹介したアプリケーション/サービス担当のスティーブン・マッカーサー(Steven Mcarthur)氏は「webOSですべてのデバイスをつなげていく」と語った。

 なお、webOSとTouchPadの詳細については、実機によるデモも含めて別記事で紹介しよう。

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