次は駅前のファストフード店内。公衆無線LANは完備されていないが、駅前ということもあってかなりの数の無線LANアクセスポイントが存在する。これらは電波レベルも結構強いので干渉は避けられそうになく、WiMAXの電波状況は同1〜2本の場所だ。
ここでも無線LAN接続は、有線接続に対して下り速度が大きく劣る結果になり、上り速度もややバラついた。もちろんモバイル環境におけるインターネット接続速度としては十分なのだが、もっと上が望めるポテンシャルがあることを知ってしまうと、もったいないという印象は受ける。
最後は東京・秋葉原のカフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店。ここはWiMAXの屋内基地局が設置されており、WiMAXの電波状況は最良クラスといえる場所だが、店内はNTT系列の公衆無線LANサービスがチャンネル1と6を使用し、さらにチャンネル11も店舗の無線LANアクセスポイントが利用。そして、場所柄、ポータブルルーターを持ち込むユーザーも多い、なんというか“無線LAN無双”な無線LAN環境においても聖地といえるスポットだ。
検証日は幸い個人ポータブルルーターの稼働数は少なく、無線LAN接続でも下り22Mbpsを超えた。さらに有線接続では最大29.24Mbpsを記録し、平均でも25Mbpsと高い値を記録した。予想外に無線LAN接続も良好だったのは、たまたま実際にデータ送受信している人が少なかったためだろう。混雑時だと下り10Mbps程度にまで速度が落ちることも珍しくない。
このように、これだけ速度差があるならば無線LANテザリングが快適なWiMAXルーターにおいても有線接続をあえて使う価値は十分にある。無線LAN接続でも十分に高速だが、容量の大きなファイルを扱う場合や、Web動画サイトのハイビジョン映像を再生するといった場合に「有線接続に切り替える」のもよりおいしく使える方法だ。WR3500Rはこの利用シーンにしっかり対応している。
また基地局側のアップデートも効果もあって、特に都心エリアでのWiMAXの通信速度も着実に向上している。今回のように場所によっては下り30Mbps弱まで、屋内基地局がある場所以外でも下り20Mbpsを超える結果を見ると、WiMAXのポテンシャルを改めて感じずにはいられない。そして、通信速度にこだわる人が多く選ぶであろうWiMAXだからこそ、なおさら「有線接続は確実にあり」だ。もっとも、USBで有線接続するとその分ノートPCのバッテリー消費量が多くなるので、この辺は無線LAN接続とうまく使い分けるのがポイントになろう。
最後に、付属のUSBケーブルはモバイル用途を意識したものではないため、携帯するには長すぎてちょっと不便。ただ、短く細いUSBケーブルも市販されている。筆者はXperia用として販売されるUSB Standard-A−USB Micro-Bのデータ通信用USBケーブル(カールコード仕様)を応用しているが、WM3500Rユーザーはこの手のケーブルを1つバッグに忍ばせておくと、シーンに応じて「より高速に、快適に」利用できるようになるだろう。
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