前回は主にNECアクセステクニカ「AtermWM3500R」を有線接続で利用するメリットをねっちり考察したが、今回はオプションの有線LANポート付きクレードル「PA-WM02C」を用いて、固定回線代わりに利用した場合の使い勝手を検証しよう。
筆者宅には光ファイバー回線があり、有線LANポート付きの無線LANルーターが接続されているが、この有線LANポートにはギガビット対応スイッチングハブを接続し、有線LAN機器はすべてハブにつないで運用している。このため、光回線をWM3500Rを経由したWiMAX回線に置き換えるのもすこぶる簡単である。無線LANルーターとハブをつないでいるLANケーブルを外し、代わりにWM3500R+PA-WM02Cをハブに差すだけでOKだ。
ちなみに今回通信速度を検証した場所は、WM3500R読みでWiMAXアンテナバーが3本中2本。WiMAXの通信速度は下り10M〜12Mbps、上り3Mbps程度になる。100Mbpsクラスの光回線には遠く及ばないが、ADSL環境との比較であればかなり高速な部類に入ると言ってもよいだろう。今回はハブの上に直置きで済ませてしまったが、長めのLANケーブルを使ってより電波の入りがよい窓際などに本機を設置するのももちろんありだ。
筆者宅にある4台のPCの4台のうち、サーバーの1台以外はDHCPでIPアドレスを割り当てている。これらは念のため1度再起動しつつ、サーバーマシンはIPアドレスをWM3500Rのセグメント設定に応じて変更することで、家のPCから問題なくインターネットに接続できることを確認した。またこのほか2台のノートPCも有線LANでも無線LANでも問題なく接続が可能となった。
取り急ぎこの状態でWebアクセスしてみたが、日常的にチェックしているニュースサイト程度では光回線の場合と比較しても違和感なく“いつも通り”利用できる。YouTubeのフルHD動画再生も、下り10Mbpsは出る環境でのWiMAX通信なら問題なしだ。これらは利用環境におけるWiMAXの電波状態にも左右されるわけだが、アンテナバー2本の筆者宅では一般的なインターネット利用ではまったく困らない。
複数台のPCで同時にYouTubeの1080p動画を再生する、やや“重め”のテストもしてみよう。有線LAN+有線LAN、有線LAN+無線LAN、無線LAN+無線LAN(無線LANはすべてIEEE802.11n接続)、2台ならいずれの組合せでも途切ずスムーズに再生できた。3台同時──となると有線LAN+有線LAN+無線LANでも、いずれかのPCでデータ受信が間に合わずに再生が停止したが、こちらも数秒待てば再開する感じだ。
ちなみに480pのSD解像度であれば、3台同時も4台同時も余裕だ。YouTube動画の同時再生のような使い方は、WiMAX側の通信速度の影響が大きいと思うのであくまで参考テストとして見てほしいが、WiMAXの電波状況がほどほど良好で、下り数Mbpsほどと、ある程度の速度を確保できる環境ならば「家族で、複数台のPCでインターネット利用する」のも問題ないといえるだろう。
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