6万円台の第2世代Core i5搭載15.6型ノート――「K53E」を試すさらにできるようになったな!(1/3 ページ)

» 2011年04月11日 17時00分 公開
[望月瞬(撮影:矢野渉),ITmedia]

コストパフォーマンス重視、だけど第2世代Core i5搭載

ASUSの15.6型ワイド液晶ディスプレイ搭載ノートPC「K53E」。2011年3月26日に発売、価格は6万9800円

 ASUSTeK Computer(ASUS)の「K53E」は、15.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載したノートPCだ。現在、15.6型前後のワイド液晶ディスプレイを備えたノートPCは各メーカーの主力機種となっており、シンプルな低価格モデルから高スペックで高付加価値のハイエンドモデルまで、選択肢がとても多い。

 K53Eの価格は6万9800円(ショップによっては実売価格6万円台前半で販売中)と、そこだけ見れば低価格なエントリークラスに属するが、スペックは侮れない。CPUにはSandy Bridge世代のCore i5-2410M(2.30GHz/最大2.9GHz)を採用し、アルミ素材を用いたボディに、テンキー付きのキーボードを装備するなど、据え置き使用が基本の大画面ノートPCとしてソツなくまとまっている。

 ラインアップとしては、2010年2月に発売された15.6型ワイド液晶ディスプレイ搭載スタンダードノートPC「K52F」シリーズに連なる新機種という位置付けで、ボディも内部アーキテクチャも一新しつつ、価格も抑えてきた。第2世代Core iシリーズ搭載ノートPCとしては、コストパフォーマンスでトップレベルにある1台といえるだろう。

どっしりと落ち着きあるダークブラウンのボディ

 ボディのデザインにも見るべきところが多い。エッジ部分は緩やかな斜面になっているが、全体的には直線的でシャープな印象を受けるデザインだ。

 天板とパームレストのカラーはダークブラウンで、非光沢の天板には細かな溝が刻まれている。トレンドとなっている光沢ボディの製品とはまた違う落ち着いた高級感があり、何より指紋が付きにくい点がよい。天板の中央付近に添えられた光沢シルバーの「ASUS」ロゴもマッチしている。個人的には、光沢の天板よりも、K53Eのような天板のほうが好みだ。

 パームレストからキーボード周囲のフレームは、ヘアライン加工のアルミニウム1枚板で囲われており、低価格帯のノートPCにしては力が入っている。もっと高い価格帯のノートPCに見えるような上質な仕上がりだ。こちらも、やはり指紋や皮脂が付きにくい。

 ちなみにパームレストと本体底面は、高負荷の状態が続いてもあまり熱くならず、HD動画を再生しながらのタイピングといった作業でも、ボディの発熱をほとんど気にしないで済む。ASUSはこの長時間使用してもパームレストが熱くなりにくい設計を「ASUS Ice Cool Design」と名付けて、自社のノートPCに積極的に採用している。

 ボディサイズは378(幅)×253(奥行き)×33〜35(高さ)ミリ、重量は約2.6キロだ。標準のリチウムイオンバッテリーは6セルで、容量は56ワットアワー(10.8ボルト/5200mAh)、公称の駆動時間は約4.7時間となっている。

 付属のACアダプタは意外と小型で、据え置き利用がメインのノートPCとはいえ、じゃまにならないのがうれしい。実測でのサイズは45(幅)×108(奥行き)×30(高さ)ミリ、電源ケーブル(メガネコネクタ)を含めた重量は約266グラムだった。

マットな質感で細かな模様が刻まれている天板は指紋が付きにくい(写真=左)。パームレストはヘアライン加工のアルミニウムを採用する(写真=中央)。背面に棒状のリチウムイオンバッテリーを装備、ACアダプタはコンパクトにまとまっている(写真=右)

普段使いに十分な基本スペックを確保

 OSは64ビット版のWindows 7 Home Premiumがプリインストールされている。前述したように、CPUはSandy Bridge世代のCore i5-2410M、チップセットはIntel HM65 Expressだ。Core i5-2410Mの物理コアは2つで、Hyper-Threading Technologyによって同時に4スレッドの処理が行える。また、発熱などに余裕がある場合、処理の状況に応じて自動的に動作クロックを上げるTurbo Boost Technologyにも対応しており、最大で2.9GHzまでアップする。3次キャッシュは3Mバイト、TDP(熱設計電力)は35ワットだ。

 グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphics 3000だ。Sandy Bridge世代でCPUコアとGPUコアが同一のダイに統合され、CPUコアとGPUコアでキャッシュ(Last Level Cache)を共用できるようになっている。3Dグラフィックス性能の向上はもちろん、動画の再生支援機能も搭載しており、MPEG-4 AVC/H.264形式などのHD動画をスムーズに再生できるほか、新たに搭載されたIntel Quick Sync Videoのハードウェアデコード/エンコード機能を利用すると、非常に高速な動画変換が行える(対応ソフトウェアが必要)。

CPU-Zの情報表示画面(画像=左/中央)。GPU-Zの情報表示画面(画像=右)。CPUはCore i5-2410M(2.3GHz/最大2.9GHz、3次キャッシュ3Mバイト)、グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphics 3000を利用する

 メインメモリはPC3-10600(DDR3-1333) SDRAMを搭載し、容量は4Gバイトだ。本体底面のネジ止めされたカバーを開けると、SO-DIMMのメモリスロットへ簡単にアクセスできるので、メモリモジュールの増設はたやすい。標準では4Gバイトのモジュール1枚が装着されており、1基のメモリスロットが空いた状態だ。ここへ4Gバイトモジュールを装着することで、最大8Gバイトまで増量できる。

 データストレージはSerial ATA対応の2.5インチHDDで、容量は640Gバイトとなっている。ちなみに今回入手した評価機のHDDはシーゲイトの「Momentus」(ST9640423AS)で、回転数は5400rpmだ。光学ドライブはDVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブを内蔵しており、評価機はパナソニックの「UJ8A0ASW」を使っていた。

底面のネジ止めされたカバーを開けると、SO-DIMMスロットとHDDベイにアクセスできる(写真=左)。初期状態でHDDはCドライブ(149.04Gバイト)とDドライブ(425.64Gバイト)にパーティションが設定されていた(写真=右)

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