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» 2011年06月10日 14時00分 公開

CMスキップ機能も搭載:家庭用テレビで十分? それは食わず嫌いかも──「VALUESTAR W」のテレビ機能をねっちり検証 (2/3)

[岩城俊介,ITmedia]

テレビ視聴、長時間録画、メディア記録、ネットワーク配信、デジタル放送で流行の機能をまんべんなく網羅

 主力機能となるデジタル放送機能は「番組を視聴する/録る/残す/編集する/配信する」が行える、昨今望まれる機能をほぼすべて網羅する。

photophotophoto アプリケーションとしての起動時間(番組が表示されるまで)は約5秒ほど、チャンネル切り替えは2秒ほど。子画面表示でWebサイトを見ながらながら見ももちろん可能だ。リモコンの「テレビメニュー」ボタンで、チューナー切り替え/チャンネル・放送波切り替え/番組表/録画番組一覧などの項目を選択するテレビ系機能の総合メニューが表示される。フレッツ光ネクスト・フレッツ光ユーザー向けのIP放送サービス「ひかりTV」も利用できる

 まずは地上/BS/110度CSデジタル放送(プラスひかりTV)に対応するダブルテレビチューナーとハードウェアトランスコードチップでの最大12倍の長時間(AVC)録画機能により、裏番組録画も含めた番組視聴とHDD録画環境をひととおり整える。長時間録画機能は、今回の2011年夏モデルより2番組同時に処理(これまでは同時1番組のみ)できるようになり、さらに使い勝手が増した。

 番組録画(やPCデータの保存)は2Tバイトの大容量HDDにTSモード(約17Mbps)で地デジ番組を最大約254時間、スーパーロングモード(約1.2Mbps)で最大約3600時間分保存できる。加えて、USB外付けHDDを別途用意するだけで録画時間を手軽に拡充できるのもPCならではのメリットだ。

 テレビ機能は統合アプリケーション「SmartVision」で利用する。リモコンの「テレビ」ボタンよりワンタッチで起動できるのはもちろん、Windows Media Centerのメニューからでもテレビ系機能を呼び出せる。チャンネル切り替えは秒針読みで2秒ほど。体感値はよくある家庭用テレビと同等で、可もなく不可もない印象だ。番組は全画面表示のほか、子画面表示にしてPC作業をしながら視聴することもごく普通に行える。

 番組表はフルHDのディスプレイを生かした高精細な構成となっている。最大9チャンネル/約4時間分の番組表を一挙に表示でき、番組を選ぶだけで番組内容の詳細表示や録画予約が行える点を含めて家庭用テレビやレコーダーに劣らないキビキビした操作性を実現する。操作はリモコンの十字キーで行うAV機器と同じ方法以外に、マウスやキーボード操作でもさっと直接選択できるのはPCならではだ。

 予約録画は番組表より選ぶ基本スタイル以外に、カテゴリ/キーワード検索、そして「新番組おまかせ」の便利な自動録画機能も備える。新番組を時間帯別に監視してくれるので、昼ドラや深夜アニメの新番組も初回から見逃さないよう工夫できる。

photophotophoto 高解像度のディスプレイを生かし、番組表の表示情報量はかなり多め。表示するチャンネル数の小変更も行える。ただ、上段/下段に少々もったいないと思うスペースもある。PCならではの表示カスタマイズがもっと行えればよりうれしい
photophotophoto 番組の詳細情報や録画する予定/録画した番組の管理も(あたり前だが)同じUIで行える。スキップ機能は30秒/チャプター単位、いずれかに設定できる

 地デジPCが家庭用AV機器に対する弱点として、テレビ機能の操作はPC/Windowsが起動してからとなる点、つまり「いつでも、即時にパッとテレビが起動できない」ことが挙げられる。他社の地デジPC(例えば、ソニー「VAIO L」)にはWindowsから独立したプラス1基の地デジチューナーも内蔵し、視聴だけなら即起動を実現するモデルも存在するので、こちらはニーズ次第で今後の課題の1つとなる。

 もっとも、本機は秒針読み約58秒でWindows 7が起動し、スリープ状態からであればほぼ一瞬で復帰する。また、録画予約した時間までにスリープ/休止状態/シャットダウン状態から自動復帰→録画終了後に自動スリープ/シャットダウンするといった、メーカー製PCならではの高度な電源制御はあたり前のように行ってくれる。

 番組の録画は、放送波をそのまま記録するTSモード(ダイレクトモード 地デジハイビジョン放送は約17Mbps、BSデジタルハイビジョン放送は約24Mbps)のほか、MPEG-4 AVC/H.264形式で録画する長時間モードを選択できる。前述の通り、今回の夏モデルよりダブルチューナーで2番組同時に長時間AVC録画が行えるようになり、録画予約時にユーザーがあれこれ悩まなければならない機会はかなり減った。長時間録画モードは、ビットレート約8Mbpsのファインモード、同約4Mbpsのファインロングモード、同約2Mbpsのセミファインロングモード、同約2Mbps/720×480ドットのロングモード、同約1.2Mbps/720×480ドットのスーパーロングモードを用意する。モードの変換は録画後でも個別に行える。

 ちなみに専用チップによりトランスコード処理を行うため、長時間録画モードでの録画中もCPU使用率はほとんど上昇せず、PC動作にもあまり影響がない。録画中にPC作業する場合も安心だ。

photophotophoto 録画した番組はBlu-ray DiscやDVDに記録(ダビング)できるほか、複数回のドラマを画質を変換しつつ、1枚のメディアにまとめて記録することも可能だ。ちなみにPCの電源を切っていても予約時間前に自動起動するのはもちろん、録画終了でスリープ移行/シャットダウンするよう設定できる
photophotophoto 左からTS(ダイレクトモード)録画中、AVC(ファインロングモード)録画中、DTCP-IPでネットワーク配信中のCPU使用率。AVC録画中もほとんどCPU使用率が上昇しない

 録画した番組は、本編とCM部分を判別し、本編部分のみを再生(再生時に本編以外を自動スキップする)「見たいとこ再生/オートチャプター」や音声付きで1.2倍速再生する「お急ぎモード」といった便利再生機能のほか、携帯電話やポータブルプレーヤー用に解像度を落としつつSDメモリーカードへダビングする「外でもVIDEO」、Blu-ray Disc/DVDメディアへの記録、家庭ネットワーク内で録画番組を共有/配信できるDLNAサーバ機能など、“録画したその後”も番組をしっかり楽しめる。

photophotophoto 新番組おまかせ録画も備える(画像=左、右)。「見たいとこ再生」機能を有効にすると、シーン判別機能により録画番組へ自動的にチャプターが打たれる。CM部分に入ったら次のチャプター(CM明けの本放送部分)へ自動スキップしてくれるのが便利だ

 サウンド面についても良好で、特に低音再生のためのウーファーを別途搭載する効果が大きいと感じる。普段のよくあるPC標準搭載スピーカーで再生する音とは奥行き/広がり感が相当異なり、あるBlu-ray映画での“ズドーン”“ズシーン”音をかなり強烈に再現したのは驚いた。暗くしたプライベートルームで1人じっくり映画に没頭したい人にはお勧めだ。音質調整ソフトウェアの「MAXX Audio」により、低音/高音/ステレオ感の効き具合を調整することもできる。

 このPCとしてかなり上々のYAMAHAスピーカーシステムは、テレビや映画だけでなく音楽プレーヤーとして活用できるクオリティでもある。音楽CDや圧縮音楽をWindows Media Centerなどを用いて再生する使い方以外に、外部RCA入力も含めた音声入力端子を利用し、iPodやウォークマンなどを接続する使い方もアリだろう。

 搭載するBlu-ray Discドライブは、今回の新モデルよりBlu-ray Discの拡張規格「BDXL」に対応のものに刷新された。Blu-ray/BD-AV形式の記録においては、最大100Gバイトの3層BD-R TLメディアまでをサポートする。

 DTCP-IPによるホームネットワーク配信機能(DTCI-IPサーバ機能)は、SmartVisionのユーザーインタフェースと共通する「ホームネットワークサーバー」で設定する。これにより、本機で録画した番組は同一ネットワークにあるDLNAクライアント機能を搭載するテレビやAV機器、ゲーム機、PCなどで再生できるようになる。

photophotophoto 本機で録画した番組を家庭内ネットワークの対応機器で再生できるようにする「ホームネットワークサーバー」機能。許可/拒否の設定も可能だ
photophoto DLNAクライアント機能を搭載する別のネットワーク対応デバイス機器で録画した番組を再生できる。まずはPlayStation 3で再生
photophoto 同様にREGZA Z3500で再生。家庭内でどこでも同じように視聴できるのが便利だ

 ネットワーク配信機能は今回のモデルで初搭載というわけではなく、PCだけの機能でもないのだが、家庭内のどの部屋でも録画したハイビジョン番組を共有して楽しめるようになる、新たなテレビの使い方を実現するのが魅力だ。この機能は“これができるなら/これがやりたいので”と、昨今の地デジPCにおける購入動機の高い順位に上ってきているという。



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