PCフリーライターが普段実践する、モバイルオフィス環境──「通信環境の確保」編:もし、在宅業務することになったらどうするか(2/2 ページ)

» 2011年06月24日 15時41分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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【手段.3】「3Gデータ通信サービス」を利用する

photo USB接続のデータ通信機器のほか、ポータブルルータ型も人気だ。(契約する事業者や料金プランによってはデータ通信料金が高額になる可能性があるのに十分注意したいが)スマートフォンや普通の携帯電話をデータ通信用モデムとして活用することもできる

 3G、いわゆる国内携帯電話網を利用するデータ通信手段は、通信事業者により差はあるが「サービスエリアの広さ」がとにかく大きなメリットだ。

 前述したWiMAXサービスと比べると、その差は大きい。例えばNTTドコモのFOMAネットワークは、2009年1月時点で人口カバー率100%に達しており、山間部(秘境を除く)や沿岸部洋上などでも利用できる可能性が高い点は「通信環境が必須」とする人にとって、絶対的な安心感がある。また、基地局に自前のバックアップ電源を持つなど、店舗や施設の電力供給状況に依存する公衆無線LANサービスやバックアップ電源を持たない基地局もあるWiMAXサービスと比べると停電時に強い傾向も安心感につながるだろう。

 とはいえ、デメリットもいくつかある。まずは実利用時における通信速度は今回挙げる手段の中でもっとも遅い。一般的には下り最大7.2Mbps、最近は同21Mbps/42Mbps(イー・アクセス「EMOBILE G4」など)のサービスも登場しているが、筆者は2011年6月現在、実利用時の通信速度で数Mbps単位の速度が出れば上々と評価している。

 さて、何度も述べて恐縮だが、今回はモバイル環境+ノートPCで普段と同じ仕事環境を整えるための考察を行っている。PCで快適に業務を遂行するには、つながればOK──ではなく、Webページを開くのにかかる時間、業務用の添付ファイルを送受信する時間を含めて、会社や自宅で作業する時と同じ使い勝手にまで持って行きたいと考える。通信速度が遅ければ、それだけロスする時間が多くなり、PCのバッテリーも余計に消費してしまう。

 通信料金/ランニングコストを含むトータルコスト計算が複雑かつ高額な傾向もある。3Gサービスでは比較的安価なイー・アクセスの場合は定額で3880円/月(EMOBILE G4データプラン(にねんS) 高速モバイルキャンペーン適用時)と、前述したWiMAXサービスと同等クラスの月額料金となるが、NTTドコモの定額データプラン スタンダード バリューコースは1000〜5985円/月+ISP利用料金(mopera U Uスタンダードプランは525円/月)で、最大6510円/月となるイメージだ。なお、上記で述べた料金例は同時に通信機器(USBデータ通信端末やポータブル無線LANルータなど)を同時購入し、原則として約2年の継続契約が条件となる。

photo SIMカード単体で通信利用権のみを購入するプリペイドスタイルが特徴の「b-mobileSIM」シリーズ。月額コストを抑えつつ通信手段を確保したい場合などのシーンで便利に使える

 ただ、メインの手段ではなく、予備の回線としてほかの通信手段を補うために導入するサービスとして筆者が注目しているのは、日本通信「b-mobileSIM」サービスだ。SIMカード(の利用権)のみを販売するプリペイドSIM式のサービスとして、約2480円/月(6カ月版の1カ月換算の場合。1カ月版は2980円)で通信速度を上限300kbpsに抑えた「U300」、通信速度制限なしで通信総量1Gバイト分か120日間利用できる「Fair」など、「利用権」か「通信速度」のどちらに対価を支払うか──とする、利用シーン別に選べるラインアップを用意する。

 ちなみに、今回実施するモバイルオフィス環境の構築用にはやや不向きと思うが、980円/月で上限100kbpsとするイオン限定b-mobile SIMも、これまでなかった低価格な設定でかなり大きな話題になっている。速度を求めるほかの手段を補完し、最低限の通信環境を確保するためと考えると、ランニングコストを低く抑えられる点は喜ばしいポイントだ。


  【手段.3】「3Gデータ通信サービス」を利用する
省電力 ☆☆☆(電力量がピーク時間帯にバッテリー動作させれば効果あり。ただ、ルータ型はバッテリーの充電がそれ用に別途必要)
初期コスト ☆☆☆(購入する通信機器により変化)
ランニングコスト ☆☆(事業者や選択プラン、購入方法により変化。980円/月のプランを用意する事業者もあるが、平均すると上限6000円/月ほど)
重量 ☆☆☆☆(USB型/ルータ型ともに、大きな重量増は発生しない)
速度 ☆☆(下り最大7.2M〜42Mbps。事業者や時間帯などに応じて変化。実測参考値は数Mbps前後)
エリア ☆☆☆☆☆(事業者別に大きな違いはあるが、それぞれ携帯電話のエリアと同じで総じて広め)
(※星が多いほど効果あり/良好 を示す。満点:☆☆☆☆☆ ※あくまで筆者感覚値です。ある条件化では大きく異なる可能性はあります)


まとめ:状況に合った電波を求めてノマドする

 さて、ここまで検証したように、低価格・広エリア・高速・利用期間の縛りなし──のすべてを満たすモバイルデータ通信サービスはまだ存在しない。

 筆者は、実は公衆無線LAN、WiMAX、3Gの3手段をすべて契約し、それらを組み合わせてそれぞれのデメリットを解消している。「高速に通信できるか」を主に、まずは公衆無線LANを検索、なければWiMAX、それでも圏外なら3Gをという流れだ。

 ズバリこれと断定できずに恐縮だが、モバイル利用において足りないと感じた手段を段階的に導入していき、不要になったらすぐ解約できるスタイル。これを今回のモバイルオフィス環境構築におけるポイントにしたい。前回の「電源の確保」編も併読いただき、利用場所を考慮することを応用して、まずは月額コストが定額な公衆無線LANサービスをどれか1つ契約してみてはいかがだろう。



 次回は「電源」「通信」を確保しつつ、本業ビジネスに必要な「データを収納・保存・引き出す」手段を検討・検証する予定です。

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