2011年3月に発生した震災直後、関東・首都圏でも鉄道・交通網がマヒし、多くの人の出勤の足に大きな影響を与えた。こうした交通の影響に加え、電力の部分も大きな影響を与えている。
筆者が活動する地域では震災直後の停電が9時間におよび、以降しばらくは計画停電という形で停電する生活を余儀なくされた。こうした情況のなかでも、電力で動作するPCを道具に、PCに関わる執筆活動を行う筆者は(今回は、ある程度仕方ないとする状況でもあったが)定められた業務を予定通り随行しなければならない。読者の中にも、停電中もバッテリー動作するノートPCで業務を続けたり、あるいは出社・通勤がままならず、在宅勤務を体験された方が多くいたかもしれない。
その在宅勤務だが、普段、会社や事務所で勤務している人にとっては何の準備もしていなかった場合も多かったと思う。単に在宅勤務するといっても、普段とは大きく違う業務環境であるという“壁”は意外に高く、単に自宅にPCがあればそのまま大丈夫というものではない。
ただ、その「準備」さえしてあれば難易度はそれほど高くはない。在宅勤務といいつつ、普段業務する場所──いつものオフィスとは違う場所で行うことと考えれば気が楽になる。今回はそんな「モバイルオフィス環境の準備」をテーマに、普段よりそれを実践しているPCフリーランスライターの筆者が準備、心がけているポイントを複数回に分けて紹介していく。
筆者はフリーランスのPCライターであり、特定の事務所やオフィスなどに席を設けず、ある程度自由に活動している。例外は、自宅だ。フリーランスライターというと自宅でもくもくと業務するイメージを持たれることが多いわけだが、じつは自宅で行う業務は全体の半分もなかったりする。原稿の執筆もデータの集計も、ほとんどは自宅を離れバッテリー動作環境のノートPCで作業しているのだ。
自宅の環境でしかできない作業は、例えば、自作PCパーツのベンチマークテストやデスクトップPCの動作検証など、据え置き環境で実際に操作しながら検証すべき作業、あるいは部材の撮影程度となる。これを除く、資料の精査、データの集計、実執筆、諸連絡、取材活動といった作業は、言うなればどこでもできる作業と区分している。そして、筆者の場合はどこでもできるなら、できるだけでモバイルオフィス環境で進行することをある種のポリシーにしている。
モバイルオフィス環境を実践するために外出することは、いわゆる“出勤”的な儀式にとらえている。フリーランスといえども、オン/オフの切り替えをきちんと行うのは大変重要と考える。自宅にはペットのねこ、すぐに寝られる布団、テレビなど、無精になる誘惑が多いという本当の理由があるのだが……。そこは、会社員の方と一緒と思う。
しかし、モバイルオフィス環境で業務効率を高めるには、それなりの準備が必要である。必要なデータを収集し、そして送ることも必要だ。思い返せばフリーランスライターに転向して以降、モバイルオフィス環境で“いかに効率よく”なるよう常に試行錯誤を重ねてきた。
そんな筆者がモバイルオフィス環境で常に意識している点は、
の5つだ。この項目ごとに具体的にどうするか、どう工夫したかのポイントは、次回より1つずつじっくり紹介していくとして、まずはさらりと内容を説明しよう。
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