ナナオが放つ“3万9800円”のIPS液晶――「FORIS FS2332」を検証する独自の超解像技術で差別化(2/3 ページ)

» 2011年08月12日 18時15分 公開

白色LEDバックライトとIPSパネルを採用

1920×1080ドット表示の23型フルHD液晶パネルを採用

 基本スペックは、画面サイズが23型ワイド、画面解像度が1920×1080ドット(アスペクト比16:9)、表面処理がノングレア(非光沢)だ。ノングレア仕上げだが、画面の表面には少し照りがあり、外光の反射を抑えつつ、発色のよさも兼ね備えている。

 液晶パネルには、白色LEDバックライト付きのIPSパネルを採用。前モデルのFS2331はCCFL(冷陰極管)バックライトのVAパネルだったので、これと比較して最大消費電力が45ワットから34ワットへ(約25%低下)、標準消費電力が24ワットから20ワットへ(約17%低下)と下がったのもポイントだ。画質にこだわるユーザーの人気が高いIPSパネルというのも見逃せない。

 輝度は250カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1000:1(コントラスト拡張有効時は1500:1)、最大表示色は約1677万色(約10億6433万色中/10ビットLUT)、色域はsRGBカバー率が97.61%、Adobe RGBカバー率が75.63%、NTSCカバー率が72.50%だ。sRGB規格のカバー率は100%に満たないが、sRGBとの単純な色域比較ではsRGBを大きく超える色が出ている(詳しくは後述のキャリブレーターによる測定結果を参照)。

 応答速度は黒→白→黒で16ms、中間階調域で6ms。オーバードライブ回路を搭載しており、IPSパネルとしては高速応答の部類に入る。映像入力から表示までの遅延は1フレーム以下に抑えた(黒枠なしのフルスクリーンの場合)。

 また、内蔵の照度センサーにより、周辺の明るさに応じて輝度を自動調整する「Auto EcoView」機能も搭載する。消費電力は最大34ワット、標準20ワット、節電時1ワット以下(D-Subのみ接続、スピーカー非動作時)、待機時0.17ワット(2次電源オフ時)だ。

 ちなみに、エックスライトの測色器「i1Pro」で輝度の調整幅を調べてみたところ、OSDメニューの最低値で2.5カンデラ/平方メートル、最大値で255.3カンデラ/平方メートルだった。この広い調光範囲は白色LEDバックライトの採用によるものだ。薄暗い部屋での長時間利用や、夜中に部屋の明かりを消して映画鑑賞するなどのシーンを考えると、画面をかなり暗くできるのはうれしい。

 視野角は上下/左右とも178度で、こちらもIPSパネルの標準的な値だ。視野角性能に優れたIPSパネルらしく、見る角度が変わっても発色がほとんど変わらない。昨今のこうしたIPS方式のワイド液晶パネルは画面のツブツブ感(粒状感)が目立つ場合もあるが、筆者の個人的な感想ではほとんど気にならなかった。画面全体を真っ白などの単色にすると多少は感じられるが、FS2332は静止画をじっくり見る用途がメインのディスプレイではないので、この点に不満はない。

 画素ピッチは0.2655×0.2655ミリと、それほど広くはないものの、視認性は十分だ。標準的な視聴距離ならば、画面の文字やアイコンが小さすぎて見にくいことはないだろう。23型ワイドで1920×1080ドット表示の液晶ディスプレイは製品数が増えているので、FS2332以外の製品でも実機を確認してみるとよい。

IPSパネルを採用しているため、視野角は広い。かなり角度をつけて画面を斜めから見ても、コントラストや色度の変化が小さい

2基のHDMIを含む4系統入力に対応、着せ替えが楽しめるボディ

 映像入力は、HDCP対応のDVI-D、HDMI×2、アナログRGBという全4系統だ。PCを2台、ゲーム機とBlu-rayレコーダーを1台ずつ(あるいはゲーム機を2台など)といったように、4系統の入力があれば十分だろう。本体前面には出力500ミリワット+500ミリワットのステレオスピーカーを内蔵し、音声入力はPC用としてステレオミニがある。もちろん、HDMIの音声入力も可能で、本体の左側面にはヘッドフォン端子を設けている。

本体の背面に主要な端子と電源スイッチが並ぶ(写真=左/中央)。左側面の下部にヘッドフォン出力端子を備えている(写真=右)

 本体サイズは549(幅)×212(奥行き)×403(高さ)ミリ、重量は約6.2キロだ。23型フルHD液晶ディスプレイとして不満のないサイズにまとまっており、机上での圧迫感はない。スタンドは上20度/下5度のチルト調節のみ可能で、スイベルや高さ調節、縦回転は非対応だ。EIZOディスプレイといえば、可動範囲の広いスタンドが主流だが、FORISはエンターテインメント向けモデルなので、縦回転などの付加機能はバッサリ省いている。

 ボディデザインは直線的なフォルムで、凝ったスタンドの形状や、着せ替え可能な3色のカラーシートが付属するのがポイントだ。スタンド機構としてはコストダウンしているはずだが、こうしたデザインの工夫により、見栄えはよい。

 FS2332はVESA規格のフリーマウント(100×100ミリ)にも対応しているので、設置の自由度が欲しければ、追加コストはかかるが、汎用のディスプレイスタンドを使えばよいだろう。

スタンドは上20度/下5度のチルト調整に対応(写真=左)。背面のデザインはシンプルにまとまっており、VESA規格のフリーマウント用ホールがある(写真=中央)。画面の下に走るラインの色を変えられる3色のカラーシートが付属する(写真=右)

必要十分な設定メニューを用意

 本体前面のボタン類は、電源、映像入力切り替え、音量+/−の4つだけだ。OSD操作は付属のリモコンですべて行えるので、本体のボタンに手を伸ばすことはほとんどない。付属リモコンは多機能ではないが、カード型で場所を取らず、使わないときはフットスタンドの上にちょこんと置いておける手軽さがある。

コンパクトなカード型リモコンが付属(写真=左)。非使用時にはフットスタンドの上に置いておける(写真=右)

 OSDメニューは「カラー調整」が中心だ。前述したカラーモードごとに、ブライトネス、黒レベル、コントラスト、色の濃さ、色合い、色温度(数値表示対応)を設定できるほか、詳細設定も用意されている。詳細設定の中身は、ガンマ、ゲイン(R/G/B各色)、Smart Resolution、オーバードライブ(オフ/普通/強)となっている。FS2331と同様、専用ガンマ設定の「Power Gamma」(コントラスト感を高めるPower1、暗部を見やすくするPower2を用意)も持つ。

 低解像度の映像信号を入力した場合のスケーリング機能は、ドットバイドット表示の「ノーマル」、アスペクト比を固定して拡大する表示の「拡大」、全画面拡大表示の「フルスクリーン」という3種類から選べる。

 これらの設定は、入力系統ごとにきちんと記録されるので、使い勝手がいい。また、入力切り替え、カラーモード、輝度、音量、スケーリング、ECO機能の設定は、リモコンから1ボタンで呼び出せるので便利だ。

OSDメニューは高解像度で文字が大きく読みやすい。メインメニューは項目が縦に並ぶシンプルな構成だ(写真=左)。画質の設定は主にカラー調整で行う(写真=中央)。周囲の明るさに応じて画面輝度を自動調整するAuto EcoView機能も搭載(写真=右)。電力削減量やCO2削減量、葉っぱの数による省エネレベル表示といった機能も用意されている

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. 初のカラー対応「Kindle Scribe Colorsoft」の実力は? 通常モデルとの価格差1万7000円の価値を検証 (2026年06月10日)
  2. 「Geminiの技術は使うが、Geminiではない」 WWDC26で見えたApple流AIとプライバシー戦略の核心 (2026年06月10日)
  3. ミニPCに強みの「MINISFORUM」 ミニワークステーションの新モデルから「謎の拡張カード」まで多彩な製品を披露 (2026年06月10日)
  4. 「macOS 27 Golden Gate」が2026年秋に登場 初のApple Silicon専用バージョンに (2026年06月09日)
  5. 「次世代Apple Intelligence」をフル活用するにはどのような条件がある? 「Siri AI」は日本で使える? 知っておくべき対応モデルのハードル (2026年06月09日)
  6. コンパクトボディーにスパコン並みのAI性能! 「NVIDIA RTX Spark」搭載ミニデスクトップPCを見てきた (2026年06月04日)
  7. 実売1万円切りでパススルー給電にも対応! KTCの15.6型モバイルディスプレイ「H15F9」は“買い”か (2026年06月09日)
  8. 夜間もフルカラーで鮮明に記録できる「SwitchBot 屋外パンチルトカメラ 5MP」が15%オフの7674円に (2026年06月10日)
  9. LGが4K有機EL TVの2026年モデルを発表 映像プロセッサを刷新し120Hz以上の高速表示にも対応 (2026年06月09日)
  10. 高騰中のSSD、品薄のHDD──けれど“最終処分”のニーズは変わらず (2026年06月06日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー