「そうそう、これだよ」なデータ通信手段──より安価にビシビシ使える「b-mobile 1GB定額」実力検証3100円で30日間1Gバイト分、2年縛りなし(3/3 ページ)

» 2011年09月30日 10時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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スマートフォンを「もちろん実用的に、でもよりリーズナブルに」使える貴重な現実解

 では、実通信での使い勝手はどうか。

 東京23区内でAndroidスマートフォンで使用する限り、通信速度の違いがかなり反映されやすいGoogle Mapsアプリでも、(当然だが100kbps止まりのイオン専用b-mobileSIM タイプAより)地図がキャッシュされていない場所を表示しても数秒で1画面分のデータ読み込みがおおむね完了し、拡大/縮小も待たされる感じはない。YouTube動画もデータ受信が追いつかないこともなくスムーズに視聴できる。Webサイトの表示は、端末側のレンダリング能力の差もあるので通信速度の感覚がリニアに反映されにくいところはあるが、もちろん速度制限がない分、Aプランより確実に快適だ。

photophotophoto 「SPEEDTEST.NET」アプリで計測した通信速度の参考結果。左から東京23区内駅前の20時頃、同日23時頃の23区内西部筆者宅、翌日10時頃の筆者宅。この計測時は、時間帯と場所を考慮すると意図的な速度制御はかかっていないと判断できる。ちなみに上り速度は装着した端末がHSUPAに対応しないため、384kbpsがそもそも上限となっている(こちらはHSUPA対応端末であれば速度の値は向上すると思われる)

 日本通信の他製品であれば「b-mobileSIM U300」(最大300kbps)やイオン専用b-mobileSIM タイプA(最大100kbps)でも実用的に使えるTwitterも、リアルタイムにつぶやきが更新されるユーザーストリーム対応クライアント(メガネケ・エスやアカイトリなど)での更新が極めてスムーズだ。b-mobileSIM U300やイオン専用b-mobileSIM タイプAでは、帯域制限の関係か時折数秒間の間を置いてまとめてつぶやきが更新されるようなこともあるが、これがほとんど感じられず、リンクの張られた画像投稿サイトの画像表示なども即座に表示。当然と言えば当然だが、確実に快適に利用できるようになる。

 もちろん通信速度は一定であるわけではなく、特に最近(2011年9月現在)はb-mobile Fairが利用しているNTTドコモのFOMAネットワークが、ある特定スポット/時間帯で通信速度が著しく低下する例が増えており、当然同じネットワークを使用するb-mobile Fairもその影響を受ける。また、同サービスは日本通信がNTTドコモから一定の帯域を借り受けていることで実施するものであるということで、この部分がボトルネックになることもありえる。

 あくまで参考までに、2011年9月1日20時頃の東京23区内JR山手線某駅前で下り726kbps、同日23時頃の東京都23区内西部・筆者宅では下り2427kbps、9月2日10時頃の同筆者宅で下り1046kbpsとなった。利用者の多い場所や時間帯によって速度の変化は起こるわけだが、少なくともスマートフォン利用の範囲では十分快適に使用できる通信速度は確保されていると思う。


photo レンタルサーバに設置した通信環境確認のスクリプトを実行してみた。今回、端末に割り当てられたIPアドレスは10.201.13.254のプライベートIPアドレスで、ゲートウェイが223.25.131.152のグローバルIPアドレスであることが分かる

 さて、これまでのb-mobile Fairは、定額であるためにデータ通信を使いまくる超ヘビーユーザーと一般ユーザーとの3Gデータ通信量の公平な利用とそれに沿った料金設定を目指し、一般ユーザーの平均(以上)の3Gデータ通信量と算出した約250Mバイト/月を基準に、利用期間の120日(約4カ月)間、月額換算で2000円弱の料金で利用できるようにしたものだ。その方針には筆者も大いに同意しており、ほかの高速データ通信手段(例えば公衆無線LANサービスやWiMAXなど)の補助として使うならかなり安価に維持できる。

 その半面、利用できる1Gバイト分/120日間を毎日使うと仮定すると、1日あたり8Mバイトほど利用できる計算だ。b-mobile Fairを、メインとするほかのデータ通信手段のサブ用途としてたまに使うシーンならよいが、毎日スマートフォンで利用したい場合はこの量だと少々キツイ。アプリケーションの自動更新などでまとまった量のデータ通信を行うと数Mバイト分はすぐ消費してしまうし、なにより通信量を常に気にしながら使うとなると、心理的にも使い勝手を大きく損ねてしまう。

 そこでb-mobile 1GB定額だ。同じく1日単位で換算すると33Mバイトほどとなり、すでに触れたようにデータサイズの大きい動画データの再生などを注意する程度で済む範囲に収まってくる。写真データの投稿は撮ったデータをそのまま(メガピクセルクラスの画像を)アップロードするのではなく、自動的にリサイズするTwitterアプリやアプリなどを活用すればよいだけだ。

 またスマートフォンのテザリング機能や、PCでの利用も、気兼ねなく──とは言えなくても、利用頻度次第ではかなり実用的に使える。仮にPC利用も含めて1日で100Mバイトほどデータ送受信を利用したとしても、通信料金は310円相当だ。公衆無線LANサービスの1日利用プランより安価とみなすこともできる。このように、たまに利用するシーン/短期間だけ利用するシーンでも、なにより他通信事業者が展開する2年契約を条件にしたプランに加入せずに済む点が非常にうれしいポイントだろう。普段はオフィス内勤だが、ふと数日間国内出張する場合に、データ通信利用権をレンタルする感覚で使うシーンにも向いている。

 従来のb-mobile Fairが、たまに使うPCユーザー/あるいはスマートフォンで“便利に使う”人向けだったとすれば、「b-mobile 1GB定額/チャージ」はスマートフォンのメインデータ通信回線としてガンガン……とまでではないが“ビシビシ”使える。通話はしない2台目以降のスマートフォンユーザーには特におすすめだ。

 初回のSIMカード付きキットが3480円で購入できるのも大きな魅力でありことを含め、データ通信用のスマートフォン/ノートPCユーザーに「これならば」と思わせる、バランスのよい、喜ばしい価格設定だと評価できる。



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