Windows 7搭載タブレットとしては上々、ただし──「LaVie Touch」実力検証Windowsタブレットは開花するか(2/3 ページ)

» 2011年10月07日 09時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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「いつものPCスタイル」での利用を可能にするマルチステーション

 本製品には、この本体と組み合わせて利用する「マルチステーション」と呼ぶ専用のドッキングステーションと、ワイヤレスのキーボードとマウスが標準で付属する。このマルチステーションは、本体の充電機能、2基のUSB 2.0ポート、DVDスーパーマルチドライブを搭載しつつ、本体のスタンドとして機能するもの。ワイヤレスのキーボード、マウスと合わせて、普段使用するPCと同じ感覚で使うことができる。

photophoto 付属するマルチステーション。自宅やオフィスでは本機を横位置で立てて、ノートPCスタイルで利用できる

 タブレットデバイスは、外出先や移動中などにおいて気軽に持ってタッチ操作でWebブラウズやデジタルコンテンツを楽しめる利点があるが、じっくりと文章を作成したり、動画や映像の編集・管理を行うといった細かい作業は少し難しい。そういった用途で使いたいなら、別途Bluetoothなどの外付けキーボードやケースなどを使って、ユーザー自身が工夫する必要が生じる。

 もっとも、そういう周辺機器を選ぶことも楽しいという人はいるだろうが、ライト層にとって情報収集の手間や追加コストが発生するのは喜ばしいものでない。実用性を考え、本体にピッタリフィットする純正品が標準で付属している点──これがライト層に向けたLaVie Touchの大きなアドバンテージだ。

photo 付属するワイヤレスキーボード。薄く軽量だ

 付属のワイヤレスキーボードは、主要キーで17.5ミリの正方キーピッチを確保するコンパクトサイズのものを採用する。キーボード、マウスともに小型のUSBレシーバー1つで利用できる2.4GHz帯無線のワイヤレス仕様となっている。

 キーボードは、6段配列のうちの最下段に小さめなキーが多く、特にカーソルキーの上下キーは縦サイズが7ミリほどに縮められているのが使いにくい。キータッチは少し反発が強いゴムのような感触で、薄型だけに入力すると全体的に若干のたわみを感じる。スリムでコンパクト、本体のサイズとデザインにマッチしているのはよいのだが、“いつものノートPC感覚でも使える”とするならば、もう少し余裕のあるサイズのキーボードを標準で採用してほしかった。

 マルチステーションに本体を装着すると、画面の角度は約109度で固定される(角度調整は行えない)。表面はノングレアで、かつIPSパネルのため、外光や天井の照明などの映り込みは気にならず、多少画面の正面から位置をずらして使用する場合も視認性に問題ない。ただし、姿勢に応じて画面の角度調整が容易にできるノートPCに慣れていると、こちらも若干の違和感と不便さを感じるのは否めない。

 ともあれ、そこまでうるさく要求するほどキーボードの利用頻度が高いのであれば、最初からノートPCを導入する方がよい。どちらでも使える、2WayスタイルのタブレットPCにおけるオプションとしてはこのくらいがちょうどよいのかもしれない。

IPS方式の広視野角液晶ディスプレイを搭載

photo ディスプレイは1280×800ドット表示の10.1型ワイドIPS液晶だ。静電容量方式のタッチパネルを内蔵し、表面はノングレア仕様となっている

 液晶ディスプレイのサイズは10.1型ワイドで、画面解像度は1280×800ドットとなる。LEDバックライトを搭載し、視野角の広いIPS方式のノングレアパネルを採用している。ノングレア表面のため発色の派手さや鮮やかさはグレア/光沢型より控えめだが、タッチ操作しても指紋や皮脂の付着が目立たないのは好印象。輝度は十分高く、視野角も上下左右とも十分に広いので、縦表示でも横表示でも視認性も良好だ。

 また、4ポイントのマルチタッチに対応したタッチセンサーを搭載し、指で画面に直接触れて行う“タッチ”操作に対応する。センサーは静電容量方式で、指でのタッチ操作のほかに別売りのタッチ/スタイラスペン(ワコム「Bamboo Stylus」など)も使用できるようだ。画面の横位置/縦位置の切り替えは、内蔵する加速度センサーによる自動切り替えのほか、本体の回転ボタンでも切り替えられる。

 タッチ操作での使い勝手を向上させるソフトウェア「ExTouch」をプリインストールするのも特徴だ。ExTouchは、画面の端に常駐してコピー/カット/ペーストやウインドウ切り替えなどを行うボタンを装備するほか、プログラムの起動や設定項目にアクセスするランチャー機能、タッチ操作でもウインドウの最大化や最小化操作を違和感なく行えるようウインドウのタイトルバーやボタンを大きくする機能、そしてソフトウェアキーボード機能などが利用できる。

 ソフトウェアキーボードはWindows 7にも標準搭載されているが、ExTouchは携帯電話でなじみのあるテンキースタイルのキーボード、さらにフリック入力にも対応する。スマートフォンのように右手で持ち、そのまま右手の親指でフリック入力する──のはさすがに難しいが、両手で持てばOKだ。親指のみで入力できるのが意外に使いやすく、感心した。


photophotophoto 「ExTouch」は、画面の端に常駐し、コピー/カット/ペーストやウインドウ切り替えなどを手軽に操作できるボタンを装備しているほか、プログラムの起動や設定にアクセスするランチャー機能を備える。指でもウインドウの最大化や最小化などを行なえるようにウインドウのタイトルバーやボタンを大きくする機能や、フリック入力にも対応した携帯電話風のソフトウェアキーボードも装備している
photophotophoto 文字入力はケータイのそれに似たテンキー+フリック入力でも行える。縦位置で構えても同じように使える

 また、プリインストールするオフィススイート「Office Home and Business 2010」の手書き操作に便利なOfficeリボン(タッチタブ)を独自に搭載する。こちらで、タッチの操作性を生かした手書き線や手書き文字、マーカー機能などが利用できる。

 タッチ向けのソフトウェアには電子書籍リーダー「Book Live Reader」、タッチ操作でゲームや壁紙作成などが楽しめる「Microsoft Touch Pack for Windows 7」などもプリインストールする。

photophotophoto Office Home and Business 2010では、タッチ操作で手書き入力ができる専用のリボン(タッチタブ)が用意されている。タッチ操作で入力するだけで活用できるOffice用テンプレートも搭載する

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