皆さんは子供のころ、どんなおもちゃで遊んでいただろうか。今でこそ、寝る間も惜しんでゲームで遊んでいるボクだが、小学校に入るまではゲームで遊んだことがなかった。幼い頃はきっと積み木とか素朴なおもちゃで遊んでいたはず……そう思って母に聞いたところ、なんと電卓をおもちゃにして遊んでいた時期があったという。
なにこの子。ふん。そう思われたっていいさ。
そのためか、ボクの目には上海問屋の「テンキー付 光学式 USBマウス(以下、テンキーマウス)」が魅力的に見えた。テンキー内蔵型のマウスという、一見キワモノだが、そんなことはどうでもいい。何より見た目がいいんだ、電卓っぽい。
背の部分にテンキーとエンターキーを搭載し、テンキーの上部に、Excel起動ボタンや、BackSpace、NumLock、Tabなど8キーを備える。左側面にあるMODEボタンで、マウス機能とテンキー機能の有効/無効を切り替えられ、普通のマウスとして、またはUSB接続のテンキーとして使える。
本体サイズは56(幅)×116(奥行き)×26(高さ)ミリで、一般的なマウスよりも一回り大きい程度。重量は約90グラムだ。
しかしこの製品、マウスを操作している最中に、テンキーを押してしまうのではないか? と不安に思った人は少なくないはず。「マウスの操作時に、テンキーに触れないようなデザインを採用した」とのことだが、実際に使ってみなければ分からない。使う前は間違いなくキーを押してしまうと思っていたが、使ってみた結果、手のひらの下部がテンキーの端に触れるが、誤ってボタンを押すことはないことが分かった。
テンキーマウスは通常のマウスよりも平たい形状となっており、握るとマウスと手のひらの間にスペースができるため、誤ったキー操作が起こらない。持ったときのフィット感がなくなり、妙に手のひらが涼しいという違和感はあったが、慣れればあまり気にならなくなる。
テンキーのキートップは12×12ミリで、ピッチは16ミリとなっており、キーは小さめだが押しにくくはない。キータッチも適度な強さがあって良好だと言える。ただ、上部の8キーについては、ボタンが小さく、押し心地も固くて少し押しづらい。
さて、このテンキーマウスはどのようなシーンで使えるか。マウスとしては普通に使えるぶん、テンキーの必要性がキモとなる。まず、Excelなど数字を入力することが多いソフトを使うときは便利そうだ。Excelを起動させるボタンも付いているし、テンキーレスのノートPCを使っている場合によいだろう。テンキーにこだわらなくとも、Num Lockを外すと割り当てられている、上下左右カーソルとHome、End、Page UP、Page Downキーなどを使って文書を読み進めるといった方法も考えられる。
しかし、どうもピンと来ない。Excelで使う場合にしても、文字入力があればいちいちマウスに手を伸ばすのは面倒で、製品を使うのに完ぺきなシチュエーションとは言いがたい。ゲーム用に使うことを考え、MMORPGで遊んでみたものの、マウス操作とキーボード操作が同時に行えないために、効率は対して上がらなかった。
なかなかよい利用シーンが見つからない。諦めてリビングルームでふて寝をしていたら、母が家計簿をつけているのが目に入った。母は最近PCで家計簿ソフトを使って家計簿をつけている。マウス操作と数字入力のみで家計簿を簡単に入力できるのが特徴だが、これならこの製品が力を発揮しそうだ。
ということで、母にこのマウスを使ってもらったところ、いい反応が返ってきた。今まではマウスで項目を選択し、キーボードで金額を入力するという往復を繰り返していて面倒だったが、これならばマウスのみで操作が完結するので便利だという。
最近、休日家で“ゆったりと”過ごしていると「いい年になったのに、家でごろごろゲームして」と親の目が厳しい。ご機嫌取りのために購入を検討することにしよう。価格も1499円(税込み、送料別)とお手頃だ。
でも母さん。そのお小言、小学生のころからまったく変わってないよ……。
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