AVラックに収まる高級“リビングPC”――「LUVLIB i101X」を試す:1台3役(1/2 ページ)

» 2011年12月13日 11時58分 公開
[小川夏樹(撮影:矢野渉),ITmedia]

リビングルームに違和感なく置けるPCは意外と選択肢がない

 自作PCの世界では、HTPC(HOME THEATER PC)やAV専用PCが一定のユーザー層を持っているものの、市場的にも認知度的にもややニッチな部類だ。これに対して、PCというよりはむしろ、テレビ的な準家電に属する“テレパソ”(テレビ録画・視聴機能を持つPC)は国内大手メーカーの得意とするところで、大画面ディスプレイと一体型になっていたり、スリムタワーとフルHD液晶を組み合わせたり、果てはノートPCに外付けの地デジチューナーを付属させるなど、そのバリエーションは幅広い。

 家電的なデザインまでは望まないが、手軽に「パソコンでテレビを楽しみたい」というのであれば、既存のミドルタワーやミニタワー型PCに1万円以下のテレビチューナーやワンセグチューナーを装着すればいい。加えてTバイトクラスのHDDを録画データの格納用に増設すれば、HDDレコーダー代わりに使うといったこともできるようになる。

 ただし、例えばテレビの録画・視聴環境を構築したミドルタワー型やミニタワー型のPCを「リビングルームにある大画面テレビの横に置くか?」と問われたら、ためらってしまうのではないだろうか。もちろん、機能的にはそれで十分なはずだが、どうもしっくりこない。テレビの横に“いかにもなPC”が置いてあることに違和感を覚える人は多いだろう。

 「タワー型やミニタワー型は、どう見てもPCにしか見えないから違和感があるんだろう」と小型のキューブケースにする手も考えられる。確かにタワー型やミニタワー型と比べるとかなり目立たなくなるが、それでも”パソコンが置いてある”という感覚はどうしても残る。こうしてみると、リビングに違和感なくPCを置くのは意外と難しいということが分かる。

PCがリビングに進出するには“テレビ然”である必要はない

マウスコンピューター「LUVLIB」シリーズ

 大手PCメーカーはそうした点を考慮し、この手の製品では大画面ディスプレイと一体型したボディを採用することが多い。“テレビのように見えるデザイン”で、言い換えれば“テレビにPCの機能を付加したようなデザイン”にすることで、リビングに置いても違和感のない製品作りをしている。

 しかし、書斎や寝室ならともかく、もともと大画面テレビがあるリビングルームに、ディスプレイを搭載した一体型PCを置く、というのもやや疑問だ。一人暮らしを始めるのでテレビ、PC、HDD/BDレコーダーなどを一気に全部そろえたい、といったニーズには向くが、すでにそれらの製品を持っているのであれば、重複する機能が無駄になってしまうし、テレビとディスプレイを並べればそれだけ場所も取る。

 そこで別のアプローチからリビングルームに進出しようとするPCが登場してきた。それが今回紹介するマウスコンピューターのリビングPC「LUVLIB」(ラヴリブ)シリーズだ。

テレビ台の下に収まるAV機器のようなデザイン

 LUVLIBシリーズがどういった形でリビングに進出しようとしているのかは、本体を見れば一目瞭然だ。マルチメディアプレーヤーやHDDレコーダーライクなヨコ置きデザインで、なおかつ高さも低く押さえているため、一見してPCには見えない。

 ツヤ消しシルバーのアルミ製フロントパネルは、厚さが5ミリと非常に重厚感があり、高級感を出すのと同時に静音性の向上にも一役買っている。本気で手間とコストをかけたと思わせるケースだ。また、ケースの足にはオーディオ機器のようにインシュレーターまで装着されており、実際に静音性も抜群によい。まさにAV機器というにふさわしいデザインで、テレビ台やラックに設置してもすっきりと違和感なく収まるのがウリだ。

 なお、LUVLIBシリーズは、搭載する機能で差別化された3モデルが用意されている。今回はテレビ視聴・録画機能を持つ最上位モデル「LL-i101X」をカスタマイズし、起動ドライブにSSDを、データ用ドライブにHDDを採用したモデルを試した。

本体前面/背面/左側面

Blu-ray Discドライブはトレイ式(写真=左)。インシュレーターを装着し、静音性に配慮している(写真=中央)。2番組同時録画対応の3波チューナーを内蔵(写真=右)

低電圧版のCore i3-2120T+Intel H61 Expressの基本システムを採用

Intel H61 Express搭載マザーを採用。PCI Express x1スロットにテレビチューナーカードが装着され、x16スロットが空いている。SSD用のベイのほか、3.5インチHDD用のベイが2つある(写真では見えないが1つは光学ドライブの下にある)

 CPUは全モデル共通で、Sandy Bridge世代のCore i3-2120T(2.60GHz)を採用する。コア数は2でHyper-Threadingによって4スレッドの同時実行が可能だ(Turbo Boostは非対応)。マザーボードは省スペース向けのDTX仕様だ。メーカーはECS製でチップセットはIntel H61 Express。LUVLIBの筐体向けにカスタマイズされたマザーだろう。

 メインメモリは標準でDDR3-1066(PC3-10600)の4Gバイトモジュールが2つのスロットにそれぞれ装着されている。搭載しているOSは64ビット版のWindows 7 Home Premiumだ。試用したモデルは、起動ドライブに120GバイトのSSDを、これに標準の2TバイトHDDと2つ目のHDD(3Tバイト)を搭載した3ドライブ構成となっていた(ただし、2つ目のHDDオプションは現在選択できない)。光学ドライブはBlu-ray Discドライブだ。

 PCI Expressスロットはx1スロットに2番組同時録画対応の3波対応テレビチューナー「PIX-DT230-PE0」(ピクセラ製リモコン付属)が装着されており、空いているのはx16スロットのみ。標準のグラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphics 2000なので強化は可能だが、LowProfile仕様のカードのみ装着可能だ。

 拡張スロット以外のインタフェースは、本体前面側にUSB 2.0×1、マルチカードリーダー/ライター用スロット、本体背面にUSB 2.0×4、USB 3.0×2、ギガビットLAN、サウンド関連のジャックにディスプレイ用のDVI-DとアナログRGBを備えている。電源ユニットの容量は200ワットなので、ミドルレンジ以上のグラフィックスカードを増設するのは厳しいかもしれない。

CPU-Zの表示ではCPUがSandyBridgeのCore i3-2120T(2.60GHz)となっている。CPUソケットはLGA 1155、製造プロセスは32ナノでコア数は2、Hyper-Threadingによって同時に実行可能なスレッドは4だ(画面=左)。チップセットはIntel H61 Expressで日本エリートグループ(ECS)製のマザーボードを採用している(画面=中央)。グラフィックスはCore i3に内蔵されている機能を使う。表示上はIntel HD Graphics 1000となっているが実際はIntel HD Graphics 2000(画面=右)

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