韓国ユーザーの“国産愛”を釜山で知る山谷剛史の「アジアン・アイティー」(1/2 ページ)

» 2011年12月17日 12時30分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

韓国=ソウルじゃないよね

 とある事情で、福岡で1週間ほど暇をもてあましていた。暇で暇でしょうがなくて地図を眺めていたら、東京よりはるかに近いところに釜山があることに気が付いた。なんとはなしに、福岡の繁華街「天神」の旅行会社にふらふらと入っていき、なんとなく勢いで思いのほか安い釜山行きの船便を予約してしまった。出発はなんと翌日。福岡からは釜山までは高速船が新幹線並みに出港していて、わずか3時間弱でついてしまう。

 テレビで見たり話で聞いたりする韓国は、日本と見た目も経済もほとんど変わらないように思っていたが、実際のところはどうなのか。PCの話題は台湾発信の情報が多いものの、韓国発の情報は意外と日本で見聞きしない。韓国といえば世界屈指の家電メーカーとなったSamsungやLGがあり、高速インターネットの先進国で、オンラインゲームがやたらと流行っていて海外に輸出しているほど、ぐらいしか知らなかったりするような。

 ただ、それは、テレビでみる韓国の風景と同じような断片的な知識で、しかも、そのほとんどが首都ソウルから得られる話だ。釜山は韓国第2の都市とはいえ、朝鮮半島の南端に近く、国家中枢のソウルからは遠く離れる。そういう、ソウルから離れた都市の韓国IT事情はどのようなものだろうか。

昼間見る釜山の繁華街は車が右側を走る以外は日本と何も変わらない(写真=左)。そして、夜になると屋台がわらわらと出現する(写真=右)

釜山の地下鉄一号線では日本製の車両が走っている(写真=左)。朝の通勤風景は釜山も日本も変わらない(写真=右)

スマートフォンはSamsungとLGで決まりでしょう

 日本を走る車は、トヨタにホンダ、三菱、スズキ、ダイハツをはじめとした日本車がほとんどだ、日本に近い釜山も日本車が多かろうと思っていたが、日本車のカーディーラーこそ活動しているものの、走る車は「現代」(ヒュンダイ)「起亜」(キア)、「大宇」(デウ)の車ばかりだ。そして、家電屋にしても、バスの車窓から見えるのは、家電量販店よりSamsung専門店やLG専門店ばかりだ。

 このように、韓国の流通業界事情は日本と異なるところがあり、例えば、日本と違って韓国ではデパートがまだまだ消費の中心で、有名デパートには日本のショッピングセンターのように人が押し寄せる。人気のある「ロッテデパート」や「新世界百貨店」などには、当然ながら家電売り場があり、そこでもSamsungとLGの両社は激しく客取り合戦を繰り広げ、そのあおりを受けたかのようにソニーなどの海外有力メーカーを売り場の端に追いやっている。

釜山で見かけたSamsung専門ショップ。かなり大きい(写真=左)。LGの専門ショップもSamsungに負けず劣らず釜山のあちらこちらにある(写真=右)

デパートの売り場でSamsungとLGは隣り合わせで火花を散らす(写真=左)。繁華街でも道を挟んで火花を散らす(写真=右)

 韓国でも「LTE」の運用が始まっていて、「SKテレコム」「KT」「LGテレコム」の各キャリアがそれぞれ負けじとアピールしている。スマートフォンでも、アップルのiPhoneこそ特別扱いだが、ほかの海外メーカーはEricssonの「Xperia」やHTCのラインアップが端にちょっとだけある以外は、Samsungの「GALAXY」やLGの「OPTIMUS」を中心に韓国メーカーのスマートフォンが販売のほとんどを占める。そういうキャリアショップの品ぞろえもあってか、スマートフォンの普及率は東京以上に高い。街や地下鉄にいる老若男女が、みなスマートフォンを使っていて、そのほとんどの手には韓国メーカーの製品を握っている。ともかく、韓国ユーザーの“国産愛”は目で見て分かるほどに激しい。

携帯電話ショップに並ぶのはほとんどがスマートフォンだ(写真=左)。学生街でもほとんどの人がスマートフォンを使っている(写真=右)

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