短納期とコスト削減ならAtomとAndroidの組み合わせだ(1/2 ページ)

» 2012年02月02日 16時51分 公開
[長浜和也,ITmedia]

進化するインテリジェント・システムにインテルアーキテクチャは必須

 インテル クラウドコンピューティング事業本部 エンベデッド・マーケティングの津乗学氏は、組み込み関連製品でもインテルアーキテクチャが必要とされる理由を“インテリジェント・システム”というキーワードから説明する。

 津乗氏は、スマートフォンやタブレットデバイスの普及によって、クラウドに接続する端末の数が急激に増えており、2015年には150億台がクラウドに接続し、2020年には、35兆Gバイトのデータがクラウドを流れるいう、インテルがこれまでも繰り返し紹介してきた予想を挙げて、膨大なデータに埋もれてしまうのではなく、その中からいかにして有用なデータを抽出し、知識化してビジネスにつなげていくのかが重要で、データの抽出と利用に必要なのが、インテリジェント・システムだと説明する。「データに埋もれるのではなく、データから知識を抽出するためのインテリジェント・システムだ」(津乗氏)

 クラウドから必要なデータを抽出して知識化する過程は進化するという。ローカルだけに存在していたデータが、デバイスがネットワークに接続することでデータが流動するようになり、流動するデータを利用してシステムが状況の分析と提案し、さらに、デバイスが搭載するセンサーや分析した結果から周囲の状況認識が可能になり、さらに、蓄積した分析結果と周囲状況の認識から、将来の予測とその予測に合わせた対策ができるようになる。

 インテリジェント・システムの進化には、インテルアーキテクチャの採用によるデバイスの進化も欠かせない。インテリジェンスな処理に必要な高機能化とネットワークへの接続を維持することによるクラウドノード化によって、「デバイスがデータを生み出してデータをクラウドで処理すること」(津乗氏)が可能になる。

インテルが常に警告する「ネットワークにアクセスするデバイスや、ネットワークを流れるデータが急激に増加する」将来では、データに埋もれるのではなく、データから知識を生み出すことが重要になる(写真=左)。データから知識を生み出す過程は、得たデータからシステムが適切に判断できるまでに進化する(写真=中央)。その進化を実現するには高性能でネットワーク接続に優れた新しいデバイスが必要だ。そのために、インテルアーキテクチャが求められるようになる(写真=右)

 インテルアーキテクチャは、PC、サーバ向けとして進化する一方で、組み込み機器向けにも省電力、低コスト、省スペースの方向で進化している。その最新プラットフォームとして2011年の末から“Cedar Trail”プラットフォームに対応したAtom N2000番台とAtom D2000番台が登場した。従来モデルからCPUとグラフィックスコアの処理性能が向上し、フルHD画質のデコードが可能になり、DDR3-1066のサポート、HDMI、DisplayPort アナログRGB、LVDSの対応、そして、OSでは、Windows Linux、VxWorksをサポートするようになった。

 また、組み込みデバイスに特化した2010年登場のAtom E600番台では、CPU、グラフィックスコア、メモリコントローラなどを統合したAtom本体に、入出力インタフェースやメモリインタフェースの構成などが自由にカスタマイズできるFPGAを統合し、汎用のPCI Expressで接続することで、クライアントの要望に合わせて最適なシステムが柔軟に構成できるようになったことが紹介された。

省電力、省スペース、低コストを重視したAtomの最新モデルとして2011年に登場したのが、“CedarTrail”世代プラットフォームとそれに対応するAtom N2000番台、Atom D2000番台だ(写真=左)。2010年に登場したAtom E600番台は、入出力インタフェースの構成などを自由にカスタマイズできるFPGAなどと接続できる(写真=右)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月11日 更新
  1. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  2. 「M4チップ」と「第10世代iPad」こそがAppleスペシャルイベントの真のスターかもしれない (2024年05月10日)
  3. 個人が「Excel」や「Word」でCopilotを活用する方法は? (2024年05月08日)
  4. Minisforum、Intel N100を搭載したスティック型ミニPC「Minisforum S100」の国内販売を開始 (2024年05月10日)
  5. “NEXT GIGA”に向けた各社の取り組みやいかに?──日本最大の教育関連展示会「EDIX 東京」に出展していたPCメーカーのブースレポート (2024年05月09日)
  6. NECプラットフォームズ、Wi-Fi 6E対応のホーム無線LANルーター「Aterm WX5400T6」 (2024年05月09日)
  7. ASRock、容量約2Lの小型ボディーを採用したSocket AM5対応ミニベアボーンPCキット (2024年05月10日)
  8. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  9. Core Ultra 9を搭載した4型ディスプレイ&Webカメラ付きミニPC「AtomMan X7 Ti」がMinisforumから登場 (2024年05月08日)
  10. これは“iPad SE”なのか? 新型iPadを試して分かった「無印は基準機」という位置付けとシリーズの新たな幕開け (2022年10月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー