宮崎の現場で「プレミアム電話サポート」を知る確かに私もそう思いました(2/2 ページ)

» 2012年04月02日 15時40分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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必要なのはコミュニケーション、ナレッジ、提案力

 カスタマーサービスディレクターの泰宇暉氏は、カスタマーサービスにおける最近の傾向として、ハイエンドPCを初心者が最初の1台として購入するケースが増え、高齢者でもネットショッピングをはじめとする多様なサービスを利用することになる一方で、以前なら、ハードウェアやサービスに関する知識をある程度持っているユーザーが多かったのが、いまでは、何も知らないまま利用するユーザーが増えていると説明する。泰氏は、そのような初心者のユーザーが求める需要にあわせて、1件1件のサポートごとに終わるワンストップサポートではなく、購入してからサービスを実際に利用するまでカバーできるサポートを提供したいと語った。

 ユーザーが電話サポートに対する不安として、継続しているサポート案件でも電話をかけるたびに違うスタッフが出てきて、また最初から説明しなければならないのかという意見が多い。デルでは、サポートを求めるユーザーが安心して利用できるように、1件のサポートに着手した後は、追加の質問や経過サポートにおいて、電話がかかってきた時点でユーザーを確認して、同じサポートスタッフに電話をつないでいる。

 また、初心者に対して難しい単語を使わずに分かりやすい説明をできるように、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。泰氏は、サポートスタッフに求められるスキルとして、ユーザーの質問を正確に聞き取って把握できるコミュニケーションスキルのほかに、サポート分野における知識、さらに、業務経験や新しく登場する技術に対して蓄積していく知識、そして、それらを駆使してユーザーに解決策を示す提案力を挙げている。

 この考えをもっと進めると、「1人のユーザーに専属のサポートスタッフ」という体制も考えられるが、泰氏は、適切なタイミングでサポートを提供する重要性からその実現は難しいとする。「ユーザーの立場では、問題が起きたときに365日24時間すぐに対応してくれることが重要になる。サポートスタッフを専属にすると、問題が起きたときにすぐ対応することが困難だ。そのかわり、1件の問題に着手したスタッフが解決までフォローすることで、ユーザーは安心してサポートを利用できる」と説明した。

デル宮崎カスタマーセンター カスタマーサービスディレクターの泰宇暉氏(写真=左)。サポートスタッフは、コミュニケーションスキルや製品知識、そして、解決手段の提案能力などの向上でサポートの品質を高めていく(写真=中央)。着手したサポート案件は同じスタッフが最後までフォローする“オーナーシップ”と、ユーザーごとに異なるニーズを把握して適切な提案をすること、そして、提供したサポートが適切だったかを検証する体制もサポート品質向上のために必要という(写真=右)

少人数チームでスタッフを支えあう

 泰氏は、宮崎にカスタマーセンターを置くメリットとして、「安定した運営がしやすい」(泰氏)ことを挙げる。これは、行政による充実した支援が用意されているという宮崎県の特徴もあるが、それに加えて、採用する人材が安定して得られることもメリットとして述べている。また、宮崎県やその周辺に、サポート業務に適した気質の人材が多いことも、サポートセンターを運営するのに最適な場所とデルは考えている。

 デル宮崎カスタマーセンターのサポートスタッフは、地元や宮崎近県からの中途採用者が主力で、年齢層は20〜30歳台が多い。若いスタッフが支えるデル宮崎カスタマーセンターだが、サポート業務で気になるのがスタッフの“メンタルサポート”だ。サポートチームの責任者によると、「チームマネージャーをメインとした少人数チームによる日々のサポートが重要」と答える。

 デル宮崎カスタマーセンターのサポート部隊は、担当するユーザーによって、公共機関ユーザー、大企業ユーザー、中小規模企業ユーザー、そして、個人ユーザー(XPSシリーズをはじめとするプレミアム電話サポート)に分かれた「エリア」という階層を設け、そのエリアに複数の「チーム」が所属する階層組織を構成している。10人以下、5人前後の少人数で構成するチームごとに日々の業務を行っているが、チームマネージャーは、日々のミーティングや会話の中で、チームメンバーの体調やストレスの状態を把握して、メンタルサポートを行っているという。

サポート業務で気になるのが、スタッフのメンタル管理だ。デル宮崎カスタマーセンターでは、リフレッシュスペースを全フロアに用意するだけでなく、チームのランチミーティングや全社スタッフ対象のイベント企画など、多様な方法でメンタルマネジメントを実施している

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