もう1つ、dynabook R731でとても気に入っている部分がある。それはパームレストやキーボードが熱くならない点だ。特にこれまで使っていたThinkPad X60は、直下にHDDを格納する右パームレストが非常に熱くなり、右手に汗をじっとりとかくうえ、夏場は我慢できないくらいの熱を発していた。
一方、R731でそうした不快感を覚えることはほとんどなかった。ひざの上に載せて使っていると、左側面の排気口から熱風を出して、左ももが少し暖かくなるものの、気になるほどではない。あくまでX60との比較なので、R731がとりわけ優秀というわけではないかもしれないが、この点はマシンを乗り換える十分な動機付けになっている。
そこで実際に、赤外線カメラでdynabook R731のサーモグラフィを撮影してみた。評価に使用した機材は、NECAvio赤外線テクノロジーの高精度カメラ「InfReC Thermography R300」だ。
温度分解能0.03度、空間分解能1.21mradと、クラス最高水準の画質と感度を実現した赤外線カメラ。ホールドしやすい約105(幅)×193(奥行き)×121(高さ)ミリのボディに3.5型のフリーアングル対応液晶モニターを搭載する。記録メディアはSDメモリーカードで、動画撮影も可能だ。
メーカー:NECAvio赤外線テクノロジー
価格:186万9000円(税込み)
アイドル時、BBench実行時、DVD再生時、PCMarkVantage実行時で、それぞれ10分ほど経過してから測定を行った。結果は以下に掲載した画像を見れば一目で分かるだろう。なお、比較としてThinkPad X60のアイドル時(30分経過後)も並べている。室温24度で測定、カラーバーは上を42度、下を25度に統一している。

dynabook R731のアイドル時とThinkPad X60のアイドル時を比較。負荷をかけない状態ではほとんど熱くならないR731に対して、X60の熱さが目立つ。右パームレストは40度を超えている
dynabook R731のPCMarkVantage実行時とThinkPad X60のアイドル時。dynabook R731に最大負荷をかけた状態では勢いよくファンが回りはじめ、排気口付近がかなりの熱を帯びた。しかしパームレストはほとんど熱くなっていないのが分かる。このため操作していても熱を感じにくい。一方、ThinkPad X60はアイドル時でも右パームレスト直下のHDDが熱源となって、夏場は不快に感じる以上、今回はバッテリー駆動時間と発熱について見てきた。春から会社で支給されるマシンに金額の制限がないのであれば、是非dynabook R731を勧めたいと気持ちを新たにしている。

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勝手に連載「R731」(1):きょうは「dynabook R731」に乗り換えてみた
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2012年PC春モデル:もっと軽くなってしまった!──「dynabook R731」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.