GeForce GTX 680の“SLI”性能を検証するイマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2012年05月01日 16時36分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

マルチGPU環境の構築で注意したいポイント

 28ナノメートルプロセスルール世代のGPUが、シングルGPUのハイエンドモデルでそろった。最新世代のGPUは従来のGPUからパフォーマンスを高めるとともに、消費電力対性能も向上した(あるいはわずかな増加にとどまった)おかげで、複数のGPUを用いたマルチGPU環境の構築が導入しやすくなっている。では、導入のコストに見合う性能向上は期待できるだろうか。今回の評価は、その点に注目して検証する。

 マルチGPUには、AMDのCrossFireXとNVIDIAのSLIがある。マルチGPUを構成する上で、まず確認しておきたいのがマザーボードにおけるPCI Express x16対応拡張スロットのレイアウトだ。最低限、PCI Express x16対応拡張スロットが2基以上必要になるが、その場合、PCI Expressのレーン数は16レーン2組か、8レーン2組が基本になる。

 16レーン2組が利用できるのは、Intel X79 ExpressチップセットやAMD 990FXチップセットなどの、ハイエンド向けモデルになる。16レーンを8レーン2組に分割できるのは、Intel Z77 ExpressやIntel Z68 Express、AMD 990Xといったアッパーミドルクラスのチップセットだ。ただし、アッパーミドルクラスのチップセットを搭載するマザーボードでも、コストパフォーマンスを追求した製品になると、モデルによってはスロットの1基を16レーンで固定し、もう1基は4レーン固定ということもある。CrossFireXは、比較的制約が少なく、一方のスロットが4レーンでも構成可能な場合もある。とはいえ、接続バスには十分な帯域を用意しないとパフォーマンス的には不利になる。

 その上で、使っているマザーボードがサポートするマルチGPUを確認しておかなければならない。CrossFireXのサポートは、基本的にライセンス契約は関係しないが、SLIの場合は、そのマザーボードがNVIDIAの認証を得ている必要がある。対応状況はマザーボードメーカーの製品情報で確認できるほか、マザーボードのパッケージにあるCrossFireXやSLIのロゴでも確認可能だ。

 続いて、電源ユニットの出力環境もチェックしておきたい。Radeon HD 7970では、最大消費電力が250ワットとされており、また、GeForce GTX 680では195ワット、GeForce GTX 580では244ワットという。これがマルチGPU環境構築で使うとなると、GPUだけで500ワットを確保しなければならなくなる。CPUの消費電力が100〜150ワット、そのほかのパーツが100ワット程度と見積もると、ピーク動作時の出力で合計750ワット程度となる。これに突入電流を考慮したり、電源の変換効率(多くの場合で50パーセント前後の負荷が最も効率が良く、0パーセント、もしくは、100パーセントに近づくにつれて効率が悪くなって熱に変わる)も考慮したりすると、最低でも850ワット、1000ワットクラスで安心できる。

今回の評価作業でも用いたマザーボードの「SABERTOOTH X79」と(写真=左)、電源ユニットの「UCP 1100W」(写真=右)は、この記事で紹介したマルチGPU環境構築のTipsに適合する

 さらに、マザーボードのPCI Express x16対応拡張スロットの間隔や、グラフィックスカードに載せているクーラーユニットの厚み、そして、ファンのレイアウトにも注意したい。最近のマザーボードでは、2基あるPCI Express x16対応拡張スロットの間に、2スロット分の間隔を確保するのが一般的になっている。ただ、少ないながらも1スロット分のスペースしかないモデルもある。2枚差したグラフィックスカードが密着すると、空気の取り込みが足りず、冷却が追いつかなくなり、その結果、パフォーマンスを落とすことになりかねない。

 クーラーユニットの厚みに関しては、最近のグラフィックスカードでは2.5スロット分だったり3スロット分だったりするモデルがある点に注意したい。PCI Express x16対応拡張スロットの間隔が2スロット分空いていても、3スロット分の厚みがあるグラフィックスカードを差せば、密着してしまう。

 グラフィックスカードが載せているクーラーユニットに内蔵するファンのレイアウトでは、グラフィックスカードを密着して装着せざるを得ない場合、グラフィックスカードの上方から空気を吸い込むタイプのクーラーを載せている場合、空気の取り込みがスムーズにいかない。この場合、後方や側面から空気を取り入れる構造であれば、密着した状態でも外気の取り込みは十分にできる。

 一方、排気がグラフィックスカードの側面となる場合、その直上にPCケースのサイドパネルに吸気ファンがあったりすると、エアフローの干渉も考えられる。サイドファンを追加したのにGPU温度が高い、という場合にはこのケースを疑ってみるといいだろう。フロントパネルのファンなど、PCケース全体のエアフローも、通常の自作PCと比べてシビアなものとなるはずだ。

マルチGPU構築にあたって注意したいポイント

1. PCI Express x16対応拡張スロットで利用できるレーン数と構成

2. マザーボードにおけるマルチGPUの対応状況

3. 消費電力に見合った電源選び

4. 拡張スロットの間隔と冷却

5. グラフィックスカード搭載クーラーユニットのエアフローの確認

6. PCケース内部におけるスムーズなエアフロー確保



 なお、実際にグラフィックスカードを差すまで問題にならないが、SLIを組む場合、使うグラフィックスカードのGPUが同じであるとともに、グラフィックスメモリの容量も同じであることが必要だ。一方、CrossFireXは性能の近いGPUであれば、異なるGPUでも組み合わせられる。動作クロックの違いは、より低いGPUに合わせることになる。とはいえ、リスクを回避する意味では、同じGPUを搭載した同じ型番の製品を選ぶのがいいだろう。

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