世界のユーザーに使ってもらえる「Shade」へ――「Shade 13.1」説明会Unityとの連携を強調

» 2012年07月19日 01時35分 公開
[ITmedia]
Shade 13のパッケージを持つイーフロンティア代表の安藤健一氏

 イーフロンティアは、6月18日にリリースした「Shade 13.1」の新機能について、報道関係者向けの説明会を実施した。今回のアップデートでは、ボーン機能やFBXエクスポーターなど、アニメーション関連機能が大幅に強化されているのが特徴だ。冒頭に登壇したイーフロンティア代表取締役の安藤健一氏は、Autodesk 3dsMaxやMayaとの連携を容易にするFBX形式のエクスポート機能などを挙げて「13.1では世界で多くのユーザーに使ってもらえるShadeに飛躍していこうというメッセージを盛り込んだ。今回のアップデートはそのスタートラインと位置づけている」とあいさつした。

 続いて登壇したShadeエバンジェリストの藤井大洋氏は、FBXエクスポーター機能を使って、統合型ゲーム開発環境「Unity」と連携するデモを披露。Shadeで作成した風車のオブジェクトをUnity上のゲーム内に読み込み、「Unityはプログラムの知識がなくても簡単にゲームを作成し、1つのソースでマルチプラットフォームに出力できるのが魅力。アセットもたくさん用意されている。ただ、オリジナルの“絵”を作る機能はない」と述べ、ここにShadeが活用できると自信を見せた。なお、10月上旬には13.xのマイナーアップデートでインポーターも実装する意向という。

UnityでFPSゲームのマップ上にオリジナルのオブジェクトを配置するデモ。Shade上で風車を作成し、回転速度などのパラメータを与えてエクスポートする

読み込んだオブジェクトを配置するとゲーム内にぐるぐる回る風車が出現した。もちろんアタリ判定なども設定できる。「UnityとShadeがあれば、手の速いデザイナーならiOSやAndroid向けのゲームも1週間程度でできるのではないか」と藤井氏

このほか、ディスプレイにあわせてレンダリング時にガンマ補正を行うリニアワークフローへの対応(写真=左)や、同一形状を複製して配置するリプリケータ機能を紹介(写真=中央)。リプリケータは配置間隔を指定して線形状に追従させられるため、鎖の全体の形が変化しても鎖としてのふるまい(つながったまま)続けるという表現が容易に行える(写真=右)

 一方、新搭載されたボーン機能は、Shadeクリエイターとして知られるIKEDA氏が解説した。これまでShadeでアニメーションを作るさいは、ボールジョイントを組み合わせて擬似的に骨格を設定していたが、今回ボーンが利用できるようになったことで複雑な関節構造でもリアルな動きを再現できるようになったという。

 同氏は「Mayaなどでボーンを組み込んで動かすときとほぼ同じ動きをする。自分はShadeしか使わないが、FBXエクスポータなどで出力したときにほかの3DCGソフトでも再現性が高く、MayaやAutodesk 3dsMaxなどとデータのやりとりが普通にできるようになったと感じる」とコメント。また「新機能の頂点ブレンディングを使えば、簡単にジョイントの重み付けを設定できるので、アニメーション制作に貢献するのではないか」と感想を述べた。このほか、ボーンにあわせてスキンの動く範囲を図形ウィンドウ上の色で確認できる「ウエイトペイント」を紹介し、「どこがどう動くのか、数値ではなく視覚的に把握できるので分かりやすい」とアピールした。

ボーン機能が搭載され、少ないキーで設定でリアルな動きがつけられるようになった。ボーン機能を持つほかの3DCGソフトとの互換性を強化するためという意味合いもある(写真=左)。動きの重み付けを視覚的に確認できる「ウエイトペイント」機能(写真=右)。ボーン機能のプロモーション用にIKEDA氏が作成したBONKOちゃん。データが無償で配布される予定という(写真=右)

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