“Ivy Bridge”搭載で広がる「Let'snote SX2」の可能性を考えたUltrabookである必要はない(1/3 ページ)

» 2012年07月27日 11時30分 公開
[長浜和也(撮影:矢野渉),ITmedia]

大きく変わった“見た目”はそのままに

 ずんぐりとしたボディに凹凸が目立つボンネット天板という、Let'snoteデザインの特徴を一新したのが、2012年1月に発表(出荷開始は2012年2月末)したLet'snote SXシリーズLet'snote NXシリーズだ。Let'snote SXより前のモデルで採用していたボディと比べて10ミリ以上薄くなっても、Let'snoteシリーズが訴求していた堅牢性は従来どおり維持していて、100キロ重加圧振動試験や76センチ落下試験をクリアする。

 薄型(Let'snoteシリーズ比)ボディを採用したLet'snote SX1の使い心地は、2012年1月に掲載したレビューで紹介した(なお、Let'snote NX1のレビューも2012年3月に掲載している)。従来モデルから10ミリ以上薄くなったボディが使い勝手にもたらす変化は、移動時の利用、特にカバンにLet'snote SX1を収納するときのカバンの中における収まりのよさ、そして、取り出すときのすばやさなどで意識できた。

“Ivy Bridge”世代のCPUを搭載して「1から2」に進化したLet'snote SX2(写真=左)。凹凸を低くしたボンネット天板など、その姿はLet'snote SX1と変わらない(写真=右)

 2012年6月に登場した、Let'snote SX2のボディは、従来モデルのLet'snote SX1と変わらない。高さを抑えたボンネット天板と、薄いフラットなボディはそのまま受け継いでいる。誤入力を防ぐためにキートップにリーフ形状を取り入れたキーボードもそのままだ。

 液晶ディスプレイのサイズは12.1型ワイドで、解像度は1600×900ドットと携帯を重視した軽量ノートPCのカテゴリーとしては、12.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載するThinkPad Xシリーズや、13.3型ワイド液晶ディスプレイ搭載モデルが多いUltrabookで主流の1366×768ドットより高く、VAIO Zと同じ(VAIOオーナーメードモデルでは、同じ液晶ディスプレイサイズで1920×1080ドットが選択できる)だ。VAIO Zが13.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載しているのに対して、12.1型ワイド液晶ディスプレイで同じ1600×900ドットを表示することになるので、アプリケーションで表示する文字やアイコンのサイズは小さくなる。(記事掲載当初、VAIO Zの機種名を誤ってVAIO Tと記載していました。おわびして訂正いたします)

 とはいえ、机の上にLet'snote SX2をおいて使う分には、近くのものが見えにくくなった今回の評価担当者でも、Webブラウザやエディタに表示する文字の判読に苦労はしない。ただ、移動途中の車両、特に電車のなかで使う場合においては、(揺れの度合いや車内の明るさにも依存するが)テキストを目で追うのがしんどいと感じる局面も、評価期間の1週間で何度か体験している。

 キーボードは、ストロークが浅く、押し返す力もやや弱いので、力強く叩きつけたいユーザーには物足りないかもしれない。最近のノートPCで採用例の多いアイソレーションタイプではないが、キートップに段差を設けて擬似的にアイソレーションタイプに近いキーの間隔を設けている。実測したところ、標準サイズのキーで、キーピッチは横方向に約19ミリ、縦方向に約15ミリ。段差を設けたキートップのサイズは、同じく標準サイズのキーで横方向が約14.5ミリ、縦方向が約12.5ミリになる。

 このキーボードに関するサイズはLet'snote SX1と共通で、キーストロークの実測約2ミリも同じだ。キーボードを押す感触は、普段ThinkPad X200を使っている評価担当者からすると、やわらかく、もっと深く押し込みたいと思わなくもない。ただ、キーピッチが19ミリと広く確保しているので、キーを押す指に無理な動きはなく、長い文章入力でもストレスを感じなかった。

12.1型ワイド液晶ディスプレイの解像度は1600×900ドットで、携帯利用を重視するノートPCとしてはVAIO Z(店頭モデル)と並び、このサイズのディスプレイとしては最も高い(写真=左)。キーボードはリーフ形状の段差を設けて誤入力を防ぐ。ストロークは浅いが、キーを押した力をしっかり支えてくれる(写真=中央)。バッテリーパック(S)を搭載した状態で液晶ディスプレイは180度以上に開く(写真=右)

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