2012年6月に“Ivy Bridge”(開発コード名)世代の超低電圧版(TDP17ワットクラス)CPUが発表されて以降、さまざまなサイズのUltrabookが登場した(Ultrabookの発売自体は5月から)。“Sandy Bridge”(開発コード名)世代のCPUを搭載するUltrabookは、液晶ディスプレイのサイズは13.3型が大多数だったが、2012年夏モデルにおいては、海外メーカーを中心に、14型液晶ディスプレイを搭載するモデルがいくつか登場している。
デルが2012年6月に発表したUltrabook「Inspiron 14z」も、14型液晶ディスプレイを搭載するUltrabookだが、ほかの製品と大きく異なるところが1つある。それは光学ドライブを内蔵していることだ。
Ultrabookは薄型のボディを実現するため、光学ドライブを省くモデルがほとんどで、光学ドライブを内蔵する機種は少ない。大手のPCメーカーでは、日本エイサーが投入した「Aspire M3-581T」くらいだ(Aspire M3-581TのCPUはSandy Bridge世代だが)。
デルは、本製品について「普段は家の中でしかPCを使わないような、メインストリーム層にも受け入れられる製品を目指した」としているが、そういったユーザーに内蔵光学ドライブはどういったメリットをもたらすのか。Inspiron 14zで確かめてみよう。
Inspiron 14zのカラーバリエーションは、「ムーンシルバー」と「ファイアレッド」の2種類だ。ボディの素材はアルミ合金で、天面やパームレストにヘアライン加工を施しており、さらさらとした質感が味わえる。今回評価したムーンシルバーは、光沢感が強いものの、決して安っぽい印象は受けない。なお、ファイアレッドの提供開始日については、未定となっている。
ボディのサイズは347(幅)×240(奥行き)×20.7〜21(厚さ)ミリで、重量は1.858キロ(実測値)。Ultrabookを名乗る条件ギリギリの厚さだ(ディスプレイサイズが14型以上の場合は21ミリ以下、14型未満の場合は18ミリ以下)。光学ドライブを搭載することで、重量や厚さにどれだけ差が出たのか、ほかの14型Ultrabookとサイズを比較してみた。
14型Ultrabookの重量/厚さの比較 | ||
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機種 | 重量 | 厚さ(最厚部) |
デル「Inspiron 14z」 | 約1.87キロ | 21ミリ |
日本HP「ENVY4-1000」 | 約1.77キロ | 19.8ミリ |
日本HP「ENVY14-3100 SPECTRE」 | 約1.79キロ | 23ミリ |
デル「XPS 14」 | 約2.1キロ | 20.7ミリ |
富士通「FMV LIFEBOOK UH75/H」 | 約1.44キロ | 15.6ミリ |
サードウェーブ「Altair F-11」 | 約1.68キロ | 17.9ミリ |
東芝「dynabook R542」 | 約1.69キロ | 20.8ミリ |
確かにFMV LIFEBOOK UH75/Hと比べれば厚いものの、同じ価格帯(6〜7万円)であるENVY4-1000やAltair F-11と近い値となっている。日本HPのENVY4-1000と比較すると、重さは100グラム、厚さは1ミリ強の差しかない。光学ドライブを搭載していながら厚さ21ミリに抑えたのは評価すべき点だろう。
インタフェースは、USB 3.0を2基(うち1基は電源オフ時に接続した周辺機器への給電に対応)、音声入出力、HDMI出力(ver.1.4)、ギガビットLAN、マルチメモリカードリーダー(SDメモリーカード、MMC、メモリースティックに対応)、100万画素のWebカメラを備える。無線ネットワークは、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANと、Bluetooth 4.0を利用できる。インタフェースに関しては、ほかのメインストリーム向けのPCと比べて不足はない。
左側面には有線LAN、HDMI、USB 3.0が配置されているが、すべてカバーが付いている。確かにカバーがあれば見た目もよく、端子部にホコリが入りにくいといったメリットはあるものの、着脱頻度が高いUSBでは少々面倒と感じた。なお、電源オフ時の給電に対応し、USBケーブルを差したままにするシーンが多いと考えられる右側面のUSBはカバーがない。
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