第2世代Ultrabookの幕開けは富士通から――。
「FMV LIFEBOOK UH」シリーズは、富士通初のUltrabookだ。他社に先駆け、国内大手PCメーカーでは初めてCPUに第3世代Core(開発コード名:Ivy Bridge)を採用した“第2世代”のUltrabookとなる。その洗練された薄型軽量ボディと細部までこだわりが感じられる仕様は、先に掲載したフォトレビューでも紹介した通りだ。
店頭販売向けのラインアップは、14型ワイド液晶搭載の上位モデル「UH75/H」と13.3型ワイド液晶搭載の下位モデル「UH55/H」で展開されるが、両者は画面サイズだけでなく、ボディの設計自体が大きく異なる。上位モデルは島根富士通で生産される“MADE IN JAPAN”モデルとなっており、14型ワイド液晶を搭載しながらも13.3型ワイド液晶の下位モデル以上に薄型軽量を実現するなど、意欲的な仕様が目を引く。
今回は2012年6月7日の発売を前に、注目の上位モデルであるUH75/Hと、同社直販サイト「WEB MART」で取り扱うUH75/Hのカスタムメイドモデル「FMV LIFEBOOK UH75/HN」のハイスペックな構成の試作機を入手した。早速、性能やバッテリー駆動時間など、Ultrabookとしての実力を確かめていこう。
エレガントな佇(たたず)まいに思わず目を奪われる。「1枚の紙を折りたたんだようなイメージ」をテーマにデザインされたというボディは、外側(天面と底面)にレッド(あるいはシルバー)、内側にブラックを配置したツートーンカラーを採用。ネジ穴や武骨な凹凸がない天面と底面とがシームレスに連続することで、まさしくテーマ通りの外観に仕上げている。
また、キーボードのキートップ側面をボディの外側と同じ色で塗装しているほか、キーボードベゼル上部には幾何学パターン、パームレストにはヘアライン加工を施すなど、細部のデザインや表面仕上げにも凝っている。奥側から手前側にかけてゆるやかな傾斜をつけたくさび型のフォルムは他のUltrabook、そしてその先駆的存在といえるMacBook Airから引き継いでいるものの、独特のカラーリングとデザインにより、既存の薄型軽量ノートとはまったく異なる個性を演出することに成功している。
ボディのサイズは327(幅)×225(奥行き)×9〜15.6(高さ)ミリと、13.3型クラスの液晶を搭載したUltrabookで標準的なフットプリントだ。ところが、このサイズに13.3型ではなく14型ワイド液晶を搭載しているのだから驚いてしまう。これを可能にした狭額縁設計は見た目にも新鮮で、スタイルのよさを一層引き立てている。15.6ミリという薄さについては、HDD(7ミリ厚)を搭載しての数値という点に注目したい。HDD搭載ノートPCとして世界最薄(2012年5月9日現在、富士通調べ)をうたっており、一見SSD専用設計のような薄さだ。
約1.44キロという重量も、14型クラスの液晶を搭載したノートPCとしては最軽量の部類に入る。実際、13.3型ワイド液晶を搭載した下位モデルの「UH55/H」は本体サイズが323(幅)×234(奥行き)×18(高さ)ミリ、重量が約1.6キロとなっており、これより薄型軽量だ。実測では店頭モデルが1.413キロだった。
ボディの素材は天面と底面にマグネシウム合金、パームレストにアルミニウム、液晶フレームには樹脂を採用。薄型ボディで剛性を確保するため、キーボード下に樹脂の格子状パーツを敷き、キーボード面のたわみを抑えている。この構造を富士通は「超圧縮クロスグリッド構造」と呼ぶ。天板加圧試験200キロfをクリアするなど堅牢性は十分で、実際に持ってみてもソリッドな剛性感が得られる。
バッテリーは45ワットアワー(14.4ボルト/3150mAh)のリチウムポリマーを採用しており、ユーザーによる着脱はできない設計だ。公称のバッテリー駆動時間は約9.1時間と長い。付属のACアダプタは、実測で29(幅)×132(奥行き)×29(高さ)ミリのコンパクトなスティック型で、重量も実測で223グラムと軽量だ。本体と一緒に持ち運ぶ際にもかさばらない配慮がされている。
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