「ThinkPad X1 Carbon」が薄く軽くなった理由ThinkPad Tablet 2もチラ見せ(2/3 ページ)

» 2012年08月30日 01時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

炭素繊維の強度はThinkPad T420sの2.3倍に

 レノボ・ジャパン 執行役員常務の横田聡一氏は、ThinkPad X1 Carbonの概要を紹介した。横田氏がThinkPad X1 Carbonの特徴として最初に紹介したのは、従来のThinkPad X1シリーズからサイズがコンパクトになったにもかかわらず、14型ワイドという従来より大画面の液晶ディスプレイを搭載したことだ。解像度も1600×900ドットと向上している。本体サイズでは、ThinkPad X1で訴求した「ThinkPad最薄」が、ThinkPad X1 Carbonで、最薄部8ミリ、最厚部でも18.8ミリとさらに薄くなったことを特に訴求し、重さも従来の1.69キロから1.36キロと軽くなったことも取り上げた。

レノボ・ジャパン 執行役員常務の横田聡一氏がThinkPad X1 Carbonの概要を紹介した(写真=左)。横田氏がまず訴求したのは、従来のThinkPad X1シリーズより薄くて軽いのに大画面液晶ディスプレイを採用したことだ(写真=中央)。幅も奥行きもコンパクトになったが、特に本体の厚さは最薄部で8ミリ、最厚部で18.8ミリと大幅に薄くなった(写真=右)

従来のThinkPad X1シリーズから本体サイズがコンパクトになったのに画面サイズと解像度が大きくなった「ThinkPad X1 Carbon」(写真=左)。アイソレーションタイプの6列配列は従来と同じだが、キーボードベゼルは本体と一体化した。指紋センサーは標準で搭載(写真=中央)。キーボードにはバックライトを内蔵する(写真=右)

左側面には、専用形状の電源コネクタとUSB 2.0、無線接続のオンオフスイッチを備え(写真=左)、背面に見えるSIMカードスロットは日本向けモデルでは無効になっている(写真=中央)。右側面には4-in-1メディアカードリーダーにMini DisplayPort、USB 3.0、そして盗難防止チェーンコネクタを搭載する(写真=右)

背面にケーブルを接続するインタフェースを備えないため、逆ヒンジを採用して液晶ディスプレイを180度まで開けるようにした(写真=左)。Ultrabookゆえに底面にフタはなく、キーボードも含めて内部にアクセスする手段はない。ただし、本体カバーを固定するネジは露出している(写真=中央)。薄型ボディゆえに種類が限られる本体インタフェースを補完するため、DVI、アナログRGB、有線LANへの変換アダプタをオプションで用意する(写真=右)

 この、薄型化と軽量化のために、ThinkPad X1 Carbonでは、キーボード、クーラーユニット、無線LANモジュールとSSDのコネクタ、そして、ボディパネルの薄型化と軽量化を図っている。キーボードは、従来から0.8ミリ薄く、重さも30グラム軽くなり、クーラーユニットは新規設計で1.7ミリ薄く、重さは21グラム軽くした。また、無線LANモジュールとSSDは、独自形状のコネクタを採用することで、モジュールのサイズも小型になり、無線LANでは約25パーセントの小型化を、SSDは90パーセントの小型化と約60グラムの軽量化を実現した。

軽量薄型を実現するために、キーボード、クーラーユニット、そして、SSDと無線LANモジュールのそれぞれも薄型化と軽量化を図っている

 ThinkPad X1 Carbonは、その名前にもあるように炭素繊維強化プラスチック(CFRP)をボディパネルの天板に採用する。その強度はThinkPad T420sで採用するCFRPの2.3倍になる。さらに、マグネシウム合金製のベースカバー(本体底面側を構成するカバー)とキーボードベゼルに設けた隔壁状のロールケージでシステムボードを上下から挟むことで、薄いボディでも従来モデルに相当する堅牢性を確保する。

 キーボードはアイソレーションタイプの6列配列で、ポインティングデバイスは、スティック形状のトラックポイントとタッチパッドを用意するが、タッチパッドは、マルチ・ジェスチャーに対応したガラス製のクリックパッドを搭載した。なお、ガラス製クリックパッドの表面は、アンチグレア処理とアンチスレッジ処理を施すことで、滑らかな指の動きを可能にしている。

 横田氏は、そのほかにも、ThinkPad X1 Carbonに導入した技術として、vProテクノロジー対応や、ThinkEngine実装によるセキュリティと長時間バッテリー駆動、ラピッド・チャージによる充電時間35分で約80パーセントの充電、第6世代フクロウファンを採用したクーラーユニットの搭載、そして、30日間スタンバイ、ラピッド・コネクト、ラピッド・レジュームに対応するThinkVantageテクノロジーの導入を紹介した。

ThinkPad X1 CarbonはCFRPを天板に用いている。その強度はThinkPad T420sのCFRPより2.3倍になる(写真=左)。本体の強度は天板のCFRPのほかに、マグネシウム合金を採用したベースカバーとキーボードベゼルに設けたロールケージで確保している。なお、軽量化のため従来のThinkPad X1で採用したゴリラガラスは搭載しない(写真=中央)。日本のユーザーはモバイル向けノートPCで12型以下の液晶ディスプレイ搭載モデルを選択する一方で、高解像度に対する要求も強い。薄型軽量で高解像度のノートPCを求めるユーザーにThinkPad X1 Carbonはマッチするといえるだろう(写真=右)

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