FX-8350で採用する「Piledriver」コアは、すでに登場しているFusion APUのAシリーズ「Trinity」でも採用している。Piledriverコアは、先代のFXシリーズで導入したBulldozerコアを改良したものになる。ただし、Trinityが4コアまでなのに対し、FXシリーズでは8コアまで用意する。最上位モデルのFX-8350、および、その下のモデルとなる「FX-8320」が8コアで、続く「FX-6300」が6コア、最も下のモデルになる「FX-4300」とは4コアとバリエーションは豊富だ。
| 型番 | FX-8350 | FX-8320 | FX-6300 | FX-4300 | FX-8150 |
|---|---|---|---|---|---|
| 開発コード名 | Vishera | Vishera | Vishera | Vishera | Zambezi |
| コア数 | 8 | 8 | 6 | 4 | 8 |
| スレッド数 | 8 | 8 | 6 | 4 | 8 |
| 動作周波数 GHz | 4 | 3.5 | 3.5 | 3.8 | 3.6 |
| MAX Turboクロック GHz | 4.2 | 4 | 4.1 | 4 | 4.2 |
| BCLK MHz | 200 | 200 | 200 | 200 | 200 |
| L2キャッシュ KB | 2048×4 | 2048×4 | 2048×4 | 2048×4 | 2048×4 |
| L3キャッシュ MB | 8 | 8 | 8 | 4 | 8 |
| プロセスルール ナノメートル | 32 | 32 | 32 | 32 | 32 |
| TDP 摂氏 | 125 | 125 | 95 | 95 | 125 |
| DDR3メモリ MHz | 1866 | 1866 | 1866 | 1866 | 1866 |
| チャネル数 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
| ソケット | AM3+ | AM3+ | AM3+ | AM3+ | AM3+ |
| AMD-V | v | v | v | v | v |
| North Bridgeクロック GHz | 2.2 | 2.2 | 2 | 2 | 2.2 |
動作クロックは、FX-8350で4GHzに設定する。これは定格のベースクロックで、Turbo CORE Technology有効時には最大4.2GHzまで上がる。ベースクロックで4GHzというのは、FX-4170(ただし、4コア)の4.2GHzに次ぐ。同じPiledriverコアで比較しても、A10-5800Kの3.8GHzから1つ上になる。Turbo CORE Technology有効時のMAX Turboクロックで比較しても、4.2GHzは、FX-4170の4.3GHzに100MHz届かないだけだ。FX-8350は8コアでベースクロック4GHzを実現しているのが大きな特徴といえる。また、FXシリーズの重要な仕様の1つといえるCPU倍率の変更対応もサポートする。
2次キャッシュメモリや3次キャッシュメモリの構造は、BulldozerコアのFXシリーズと同じだ。モジュールあたり2048Kバイトの2次キャッシュメモリと、全コア共有で8Mバイトの3次キャッシュメモリを搭載する。内部の改良でIPCが改善されているが、表面上見える部分ではBulldozerと同じレイアウトとなっている。
TDPは、8コアの2モデルが125ワット、6コアのFX-6300と4コアのFX-4300は95ワットだ。TDPレンジとしては、従来のFXシリーズと変わらない。
MAX Turbo時の状況をCPU-Zで確認する。開発コード名に“Zambezi”と出ているのはCPU-Z側の問題と思われる。4GHzを超える動作クロックと、2Mバイト×4モジュールでトータル8Mバイトの2次キャッシュメモリ、CPU全体で8Mバイトの2次キャッシュメモリを搭載するCPUソケットがAM3+と従来のFXシリーズと同じなので、基本的にはこれまでのAM3+対応マザーボードで利用できる。ただし、マザーボードがTDP 125ワットに対応していること、そして、“Vishera”をサポートするBIOSへのアップデートなどは必要だ。
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