以前も触れたが、筆者は自宅も出先も1台のノートPCを常用すると決めている。こちら、自宅にはCPUパワーを強く必要とする作業用としてデスクトップPCをサブPCに用意してある前提もあり、dynabook R632/W1はCore i5で問題ないという判断とした。
なお、dynabook R632/W1およびWindows 8搭載のR632/2012年秋冬モデルは、より上位志向となるCore i7の選択肢も用意する。こちら、メインメモリも8Gバイトとなる点とともに気になる存在。半面、必要以上にメモリが多いと休止などでかえって時間かかるのではないかという懸念もあった。
というわけでそんな疑問を解消すべく、Core i7-3667U vPro搭載のCore i7モデルも比較のため用意し、Core i5モデルとCore i7モデルの気になった部分、そして8Gバイトメモリを搭載のCore i7モデルの利点につながる、仮想PC利用時のパフォーマンスを比べた。
Windowsエクスペリエンスインデックスは、プロセッサスコアの差こそ小さいが、Core i7モデルはメモリのスコアがやや伸びている。メモリ容量に加えてCore i7はL2キャッシュが4Mバイト、対してCore i5は3Mバイトという違いが反映されていると想定される。もちろんどちらもそもそもかなり高速なので、正直2つ3つのアプリを同時起動しても体感上の違いはほとんどない。高速なSSDを採用していることで、仮想メモリへのアクセスも高速なので、差が分かりにくいという側面もあるだろう。実パフォーマンスの体感値としては、両者の差はあまりないと思える。
次はWindowsの起動、終了時間を比較しよう。それぞれを3回ずつ計測し、その平均値を求めてみた。ストップウォッチでの手動計測のため多少の誤差はあることは了承願いたいが、メインメモリ容量の違いからくる影響はやはりゼロではない。Windowsの終了(シャットダウン)は、Core i7モデルの方が高速なのはメモリ容量が多い分、OSのモジュールをオンメモリに配置できる分仮想メモリの利用が少ないからと想定される。一方、休止状態(ハイバネーション)への移行に関してはそれとは逆の影響が見られた。
Core i5モデル | Core i7モデル | Core i5モデルとの差 | |
---|---|---|---|
OS起動 | 16秒 | 17秒 | +1秒 |
OS終了 | 15秒 | 12秒 | −3秒 |
休止 | 14秒 | 18秒 | +4秒 |
休止から復帰 | 20秒 | 20秒 | ±0 |
スリープ | 5秒 | 5秒 | ±0 |
スリープから復帰 | 4秒 | 4秒 | ±0 |
高速起動 | 7秒 | 9秒 | +3秒 |
終了(高速起動) | 17秒 | 20秒 | +3秒 |
※5回計測し、その平均値を表記 | |||
ともあれ、dynabook R632の導入においては気にしていたほどの大きな差はない。どちらも、それだけデータ転送速度が速い高速仕様のSSDを搭載している効果は大きいということだろう。
メインメモリの容量が多い点は当然プラスに働くことが多々あるため、プライベート利用が多い人ならば予算や好みに合わせた選択でよいと思う。筆者はブラウザでも見終わったサイトはすぐ閉じて大量のサイトを開きっぱなしにすることは少なく(その方がバッテリー動作時の消費量も抑えられるので)、高解像度の動画や画像のデータを大量に長時間かけて編集作業することも少ないのだが、逆にそういった利用方法の人は、今後も備えてメモリは8Gバイト以上にしておいたほうが安心と勧められる。
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