LuvBook X LB-X210Sの基本スペックをおさらいすると、CPUがCore i7-3517U(1.9GHz/最大3GHz)、メモリが4Gバイト、ストレージが128GバイトSSDという構成だ。Core i5-2467M(1.6GHz/最大2.3GHz)を搭載する旧モデルの「LB-X200S」と比べて、チップセットがIntel HM65 ExpressからIntel HM76 Expressベースになり、メモリがPC3-10600からPC3-12800に高速化、またCPU統合型のグラフィックスもIntel HD Graphics 3000から同4000に強化されている。なお、今回の評価機もSSDにはADATA製のXM11が採用されていた。
前モデルとの基本スペックの違いを下の表にまとめた。
型番 | LB-X210S | LB-X200S-Pro |
---|---|---|
CPU | Core i7-3517U(1.9GHz/最大3GHz) | Core i5-2467M(1.6GHz/最大2.3GHz) |
チップセット | Intel HM76 Express | Intel HM65 Express |
メモリ | 4GB(PC3-12800) | 4GB(PC3-10600) |
HDD | 128GB SSD(ADATA XM11) | 128GB SSD(ADATA XM11) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 4000 | Intel HD Graphics 3000 |
液晶ディスプレイ | 11.6型ワイド(1366×768ドット) | 11.6型ワイド(1366×768ドット) |
本体重量 | 約960グラム | 約985グラム |
OS | 64ビット版Windows 7 Home Premium | 64ビット版Windows 7 Professional |
価格 | 9万9750円 | 9万4500円(発売時) |
この表を見ると、第3世代のCore i7を採用した最新のLB-X210Sが10万円を切っており、前モデルに比べてかなりコストパフォーマンスが高くなった印象を受ける。もっとも、継続販売されているLB-X200S-Proは、現在Web限定価格で8万8480円まで値下げされており、OSのエディションがHome PremiumのLB-X200Sは7万9800円とさらに安い。はたしてこの2万円の価格差に見合う性能をLB-X210Sは備えているのだろうか。
それではベンチマークテストの結果を見ていこう。
まず、Windows 7のエクスペリエンスインデックスの結果だが、サブスコアを順に見ていくと、CPUが6.9、メモリが5.9、グラフィックスがともに6.4、プライマリハードディスクが7.9となった。Core i5-2467Mを搭載するLB-X200S-ProのCPUは6.3、グラフィックス(Windows Aeroのデスクトップパフォーマンス)は5.7だったので、第3世代のCore i7を採用した影響がはっきりと出ている。
プライマリHDDは7.9と、Windows 7のエクスペリエンスインデックスでは最高点を記録しており、OSやアプリケーションの起動はあいかわらず高速だ。CrystalDiskMark 3.0.1の結果は、シーケンシャルリードが455Mバイト/秒、512Kランダムリードで393.4Mバイト/秒、シーケンシャルライト(512K)で185.3Mバイト/秒、ランダムライト(512K)で185.1Mバイト/秒と、LB-X200S-Proをわずかに上回っている。いずれもリードに強い傾向で、Windows 7の操作は快適に行える。性能面で不満に思うことはまずないだろう。
続いて、システムの総合パフォーマンスを評価するPCMark7とPCMark Vantage(x64)、3D描画のパフォーマンスを測る3DMark06と3DMark Vantage(Entry)を実行した。
PCMark Vantageの結果を見れば分かるように、ほとんどのスコアで、LB-X210SがLB-X200S-Proを上回った。個別のスコアで比較した場合の上昇率は110〜130%ほどと、それほど大きな差ではないものの、Core i7-3517Uの採用により着実に総合性能をアップさせているのが分かる。
グラフィックスパフォーマンスも、3DMark06の総合スコアでLB-X200S-Proの約1.3倍、3DMarkVantage(Entry)の総合スコアで約1.5倍となっており、グラフィックスがIntel HD Graphics 4000に強化された影響が見て取れる。とはいえ、3DMark VantageのPerformanceで測定した結果は、GPUの値が2306となっており、本格的に3Dゲームタイトルを遊ぶにはやはり心許ない。グラフィックス性能が向上したとはいえ、あまり期待しないほうがいいだろう。
マウスコンピューターの意欲作、「LuvBook X」のIvy Bridge搭載モデルは、前機種に比べてCPUとグラフィックスの両面で性能が強化されている。「以前注目したときにIvy Bridgeじゃなかったのでやめた」あるいは「ちょっと変わったUltrabookが欲しいけど性能に妥協したくない」と考えているユーザーには、改めてもう1度検討してもらいたい1台だ。
もっとも、このマシンの魅力は、基本性能よりもカーボン繊維の格子パターンが放つ独特な存在感と、重量1キロを切る軽量ボディにある。そういう意味では、Web限定価格で7万9800円まで安くなった前モデルの「LB-X200S」こそ狙い目かもしれない。実際の操作感で差を感じることはほとんどなく、さらに最新のLB-X210Sより2万円近くも安いのだ。スペックにさほどこだわらないのであれば、是非こちらにも注目してほしい。
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