マウスコンピューターの「LuvBook X」シリーズに、第3世代のCore i7を採用した「LB-X210S」が加わった。LuvBook Xを知らない人のために改めて説明すると、このマシンは外装とキーボード面の3面にカーボン素材を採用することで、モバイルPCに求められる“軽さ”と“耐久性”を追求した11.6型ワイドのUltrabookだ。
今でこそ軽さに注力したUltrabookは珍しくないものの、LuvBook Xが開発されたのはUltrabookが流行の兆しを見せ始めたころ。当時の製品はメタルボディのものが多く(簡単にいうとアルミユニボディのMacBook Airに似たデザインだ)、重量の面で見れば、それまでのモバイルノートPCに比べて特に優れているわけではなかった。そして、その流れに一石を投じたのがこのLuvBook Xである。この辺りについては、以下のレビューや開発者インタビューを参照してほしい。
LuvBook Xで目指したマウスコンピューターの挑戦は大きな反響をもって迎えられたが、その一方で製品投入のタイミングはよいとは言えなかった。このときUltrabookは、ちょうどSandy Bridge世代からIvy Bridge世代への過渡期にあり、多くの製品がIvy Bridge世代のCPUに移行するなか、マウスコンピューター初のUltrabookだったLuvBook Xは(おそらく開発の遅れから)Sandy Bridge世代のCore i5を採用していた。
このことは、たとえ性能的にそれほど差がなかったとしても、コマーシャルメッセージという面ではかなり不利に働いたはずだ。もちろん、その製品コンセプトやカーボンパターンを残した独特な意匠は、そうした欠点を補って余りあるのだが、やはり旧世代のアーキテクチャである点が気になって購入を見送った人もいるだろう。

1366×768ドット表示に対応した11.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載(写真=左)。キーピッチ17ミリの日本語86キーボード。ガラス製のパームレストは滑りがいいが、手の脂が付着しやすい。タッチパッドのドライバは従来と同じくSentelic製(写真=右)そのLuvBook Xシリーズに、待望だったIvy Bridge世代のCore i7搭載モデル「LB-X210S」が登場したのである(ちなみにSandy Bridge世代のモデルも併売している)。本体重量が960グラムまで軽量化されたほか、液晶ディスプレイのヒンジ部分がブラッククロム加工のステンレスになり、付属のACアダプタが薄型軽量タイプに変わるなど若干の改良はあるものの、基本的なデザインやインタフェース回りは踏襲している。ここではアーキテクチャの刷新でどこまでパフォーマンスが向上したのか、簡単なベンチマークテストで見ていくことにしよう。

本体左側面/右側面。microSDカードスロットを搭載し、携帯電話やスマートフォンなどで撮影した写真をアダプタなしで手軽にPCへ移動できる。そのほか、USB 3.0×1、USB 2.0×1、Mini DisplayPort出力×1、ヘッドフォン、マイクなどを搭載する
内蔵ネットワーク機能は、IEEE802.11 b/g/n対応無線LANとBluetooth V4.0+LEで有線LANポートはないが、 USB−有線LAN変換アダプタが付属する。また、Mini DisplayPortをアナログRGB出力に変えるアダプタも標準で用意されている(写真=左)。付属のACアダプタは、23(幅)×42(奥行き)×12(高さ)ミリの薄型タイプに変更された。重量はケーブル込みで246グラム。バッテリー駆動時間は公称約5.5時間だ
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