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QNAPの“革命的”ファームウェア「3.8」を試すさらにできるようになった最強NAS(2/2 ページ)

» 2012年12月21日 14時00分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
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プレイリストの曲をストリーミング配信する「DJ Station」

DJStationのプログラムリスト編集画面「DJ Room」。プレイリストはMusic Stationで作成する

 そして、共有プレイリスト機能をさらに推し進めたのが「DJ Station」だ。DJ Stationは、DJ Stationに接続しているユーザー全員にプレイリストの曲をストリーミング配信する。共有プレイリストはあくまで曲のリストであり、それぞれのユーザーが自身のタイミングで曲の再生を行うのに対し、DJ Stationは曲そのものを配信し、全員が同じタイミングで同じ曲を聴くことになるわけだ。

 リスナーは再生中の曲に対して「いいね」「よくない」ボタンを押すことができるが、3人以上が「よくない」を押したら次の曲へスキップする、という設定もある。なお、DJ StationをFacebookで共有することも可能だが、著作権の扱いには十分注意しよう。

DJ Stationの再生画面。「よくない」を3人以上がクリックすると次の曲にスキップする設定もある(画面=左)。DJ Stationは、Facebookで共有することも可能だ(画面=右)

 一方、ダウンロードセンターには地味ながら使い勝手を改善してくれる新機能が追加されている。各曜日1時間単位で、全速/制限内速度/オフの3つから設定できるスケジューリング機能だ。自分が在宅中、ネットワークをあまり占有してもらいたくない時間帯は利用帯域を制限、もしくはオフにし、不在や就寝中は全速というように柔軟に設定できるようになった。

 また、BitTorrentのトレントファイルを検索する「BT検索」も追加された。これはPirateBay、mininova、isohuntなどトレント検索エンジン8サイトを縦断してトレントファイルを検索するものだが、検索結果がマルウェアだったり、違法なファイルである可能性も高い。利用には十分気をつけてほしい。

ダウンロードセンターのダウンロードスケジュール設定画面。ダウンロードオフ、制限付き、全速力を1時間ごとに1週間分指定できる(画面=左)。BT検索はPirateBay、mininova、isohuntなど8サイトを縦断してBitTorrentの検索を行う(画面=中央)。BT検索はここに書かれている意味以外でも「大変危険」なので利用には十分注意してもらいたい(画面=右)

リビングに進出した「ファームウェア3.8.1」

 ファームウェア3.8.1で特筆すべきは、HDステーションのサポートだ。HDステーションはHDMIで接続したテレビなどにインタフェース画面を表示し、リモコンなどで操作する。簡単に言えばTurboNAS自身がメディアプレーヤーになったようなものだ。

 HDステーションに用意されたアプリは、XBMC、Chrome、YouTube、MyNASの4つ。中でもインパクトが大きいのがXBMCだ。XBMCはもともとXBox用に開発されたオープンソースのメディアプレーヤーで、画像、動画、音楽といったメディアファイルの再生に加え、アドオンを導入することでさまざまな機能を追加できる。操作には別売のリモコンが使える(シリアルが「Q13xxxxxxx」の対応モデルのみ)ほか、iOS用のリモコンアプリ「Qremote」もリリースされている。なお、HDステーション対応モデル(HDMI出力をサポートする機種)は、現時点でTS-x69 Proシリーズ(TS-269Pro、TS-469Pro、TS-669Pro、TS-869Pro)とTS-x69Lシリーズ(TS-269L、TS-469L、TS-569L、TS-669L、TS-869L)になる。

記事初出時、対応モデルにリモコンが付属すると記述しておりましたが、別売になります。おわびして訂正いたします。
XBMCでは画像・音楽・映像のほか、さまざまなアドオンによってネットワーク上のマルチメディアコンテンツを楽しむことができる(画面=左)。iOS用のHDステーションリモコン、Qremote。キーボードやマウス操作も可能(画面=右)

天気予報は最初からインストールされている機能だ(画面=左)。これはアドオンの1つ。さまざまなアニメトレーラーが視聴できる(画面=右)

こちらもアドオンの1つ、Gmail Checker。Gmailの一覧を確認できる(画面=左)。XBMCのRSSアドオンを設定したところ。画面下部にPC USERの最新記事のタイトルが流れる(画面=右)

 これまでのTurboNASは、「裏方」としてあまり表に出てはこず、マルチメディアステーションなどのアプリケーションにしても、インタフェースはあくまでクライアントであるPC側が担っていた。ところが今回のHDステーションは、TurboNAS自身がプレーヤーとして動作する。

 QNAPはネットワークメディアプレーヤーとしてNMP-1000/NMP-1000Pをラインアップしていたが、こちらはNASとしても動作する半面、(NASの用途では)性能面で物足りない部分があった。一方、HDステーションはその逆のアプローチであり、TurboNASのCPUパワーがかなり高くなったこともあって、NAS/メディアプレーヤーのいずれでも不自由は感じない。

 ファームウェア3.8は今後の方向性を模索する、非常に野心的なバージョンといえる。対応するTurboNASを運用している人はもちろん、これからNASを導入しようと思っている人も是非、TurboNASの新機能に触れてみてほしい。今までにない、新たな可能性を感じるはずだ。

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