Windows 8が強い印象を残す一方で、ほかのパーツも見逃せない動きがいくつかった。特に半年を通して変動が激しかったのがSSDだ。8月にプレクスターの新世代上位シリーズ「M5 Pro」、11月にサムスンから同じく新世代上位の「840 PRO」シリーズが投入され、高速SSDブームを起こしている。容量別にみて、どちらも128Gバイトと256Gバイトの売れ筋が拮抗しているのもポイントだ。初回の価格は、どちらも128Gバイトモデルが1万1000円前後、256Gバイトモデルが2万2000円前後だった。
低価格モデルの値下げも激しく、9月にはインテルの旧世代120GバイトSSD「510シリーズ SSDSC2MH120A2K5」が複数のショップで5980円で販売され、大いに盛り上がった。さらに、12月には240GバイトSSD「330シリーズ SSDSC2CT240A3K5」が1万2000円以下で売られ、240〜256Gバイトモデルの人気を加速させたと言われてる。
同時期に大容量HDDの値段も下がり、11月ごろには3TバイトHDDを1万円以下で売るショップが珍しくなくなった。パソコンハウス東映は「タイ洪水の影響は、もうなくなったといっていいでしょう」と話していた。ただし、12月後半には、円安の影響でCPUやメモリ、SSDを値上げするショップが相次いでいる。年明けに流通が通常運転となったとき、また波がやってきそうだ。
Windows 8発売前では、10月初旬にデビューしたAMDの「Trinity」こと、新世代APU「A10/A8/A6/A4」も目立っていた。新ソケット「Socket FM2」に対応するラインアップで、ドスパラ パーツ館が「前世代から大きく性能が上がりましたし、初回からTDP 65ワットの『A10-5700』のような、低消費電力の上位モデルが選べるようになっているのも好印象です」と評価するなど、ショップの評判もまずます高い。
マイルストーン的な新製品が多く登場したのは、液晶ディスプレイだ。前述のWindows 8対応タッチ液晶「T232HLbmidz」だけでなく、2560×1440ドットのWQHD液晶を搭載して4万円を切る8月登場の「UNI-LCD27/WQHD」や、LG電子から12月に5万円弱で売り出された2560×1080ドット液晶「29EA93-P」など、従来の売れ筋より数段高い性能を持つモデルがいくつも現れた。
TSUKUMO eX.は「売れ筋から少し上を求めるといきなり高くなるのは常ですが、最近はWQHD液晶は急激に買いやすくなっているので、フルHDの上から手軽に追求できるようになっています。タッチ液晶とともに今後の盛り上がりに期待したいです」と話していた。
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