2013 CESが正式に開幕して、3000を超える展示ブースを世界中からCESに参加した来場者が訪れている。最新の技術を実機で訴求するのが、展示ブースの重要な役目だが、それとともに、見た目に分かりやすい仕掛けや演出で来場者に自分たちの存在を強烈にアピールすることも必要になる。CESの展示ブース(そして、CES Unveiledなどの関係者向け集中展示イベント)では、ユニークな展示ブースの演出も展示製品以上に興味深い。
Parrotの「AR.Drone 2」も、見た目に派手なデモフライトで、いつも多くの来場者を自社の展示ブースに誘導している。AR.Drone 2は、内部に実装した姿勢制御機能などを活用して、iPhoneやiPad、そして、Androidなどのタブレットデバイスから安定した飛行を簡単に行えることや、無線接続を利用してAR.Drone 2で撮影した空中画像を操縦に使っているタブレットデバイスに表示できる機能などで、多くのユーザーが注目する無人操縦の4発回転翼機だ。
「iPhoneやiPadで簡単に操縦できるラジコン」と認識しているユーザーも多いと思うが、2013 CESのParrotブースでは、AR.Drone 2が持つもう1つの、そして、単なるラジコンではない、AR.Drone 2の真の実力を十二分にアピールするデモフライトを行っていた。まずは動画でParrotブースで行っていたAR.Drone 2の姿を紹介しよう。
AR.Drone 2のデモフライトでは、4機編隊のAR Drone 2が、曲に合わせて集団アクロバット飛行を行っている。その挙動のタイミングは曲のフレーズやリズムとほぼ一致し、回転翼が接触しそうな至近距離をホバリングしながらすれ違うマニューバは、ブルーインパルスやブルーエンジェルスによるジェット機の高速機動アクロバット飛行というよりは、訓練を重ねたマーチングバンドのドリルに近い。
デモフライトにおけるAR.Drone 2の操縦は、4機それぞれをエース級パイロットが各自で行っているのでなく、事前に入力した飛行ルートとアクションのプロットに従って自動操縦で飛行している。AR.Drone 2は、任意に設定したマーカーを基準点にして機体の位置を制御する機能を有するほか、飛行中に得る基準からの位置情報を基に、事前に入力したルートの通りに飛行させることができる。これらの機能を組み合わせて、事前に4機それぞれの飛行ルートとアクションをプロットして、デモフライトのような“ドリル”フライトを可能にした。
Parrotでは、事前にプロットしたルートに従って自動で飛行する機能を利用する小型軽量の固定翼プロペラ機「eBee」も開発している。eBeeでは、飛行したルートの地表イメージを記録するともに、飛行ルートの針路と高度の変化から3Dマップを作成する機能もサポートする予定だ。eBeeの機体はスチロール製で軽くできているので、固定翼機ながら、紙飛行機のように前方に人力で投げ出すことで離陸が可能とParrotは説明している。
コンシューマデジタルガジェットのユーザーには、AR.Droneシリーズのメーカーとしてすっかり認知されたParrotだが、それ以外にも、車に搭載する情報処理システムを開発するメーカーとして事業を展開している。CES 2013の展示ブースでは、マルチタッチスクリーンで操作するメディアプレイヤーとナビゲーションシステム、Bluetooth接続のハンズフリーをセットにした「ASTEROID Tablet」や、Bluetooth接続の音声操作モジュールでAndroidデバイスやiOSデバイスでも利用できる「MINIKIT Neo」を紹介している。
また、ARMとAndroidベースの組み込みシステムで、Bletooth、4.0、NFC、GPS、IEEE 802.11b//g/n、マルチディスプレイ、マルチカメラの制御を一括して行い、三次元ナビゲーションやインターネットへのアクセス、音声通話、そして、メディアカードやオンラインコンテンツの再生から1080P動画再生までを実行する車載総合システム「FC7100」も展示していた。
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