こちらは「スパっと薄いぞ!」──。最近まで新機種登場がなくちょっとひっそりしていたWiMAXルータに新機種が立て続けに登場し、WiMAXルータファンは大騒ぎ(?)だ。NECアクセステクニカの新モデル「AtermWM3800R」に続き、2013年2月20日に発売されたシンセイコーポレーション「URoad-Aero」の実力をチェックしよう。
URoad-Aeroは、モバイルWi-Fiルータとしては世界最薄(同社調べ)となる「厚さ8.4ミリ/74グラム」の極薄軽量ボディを筆頭に、これまでのURoadシリーズでは非対応だった公衆無線LANの接続とルーティング、クレードルへの対応、USBモデム機能などを備え、連続最大12時間の長時間バッテリー性能とともに、既存WiMAXヘビーユーザーも納得してしまう「フルスペック」と呼ぶにふさわしい仕様に一新した。
さて、これまでのURoadシリーズはハンドオーバー性能やWiMAXのつながりやすさなど、WiMAXの通信性能に優れるという評価があり、WiMAXヘビーユーザーにも好んで使用する人がいるほどだ。ただ、サイズ(厚さ)、クレードル+有線LAN接続、公衆無線LAN対応、USBモデム機能など機能に若干劣る部分があり「フルスペック/全部入り」とは言えなかった。URoad-Aeroはこの部分をビシッと改善。ひとまず確認する限りは死角がない、とても喜ばしい仕様となっている。
WiMAX通信速度は下り最大下り最大40Mbps/上り最大15.4Mbps。前モデルの「URoad-SS10」を含む現行他機種と同様に、WiMAXハイパワーとUL 64QAM変調方式による上り最大15.4Mbpsをサポートする。
無線LAN部は2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nに準拠し、11n接続時で最大150Mbpsの1ストリーム通信に対応する。セキュリティレベルを個別に設定できるマルチSSIDを利用でき、1SSIDあたり最大6台(推奨5台)、最大10台の無線LAN機器、さらにUSB接続の1台を加えた最大11台での同時利用できる。
URoad-Aero | (参考)URoad-SS10 | (参考)AtermWM3800R | |
---|---|---|---|
タイプ | ポータブル | ||
WiMAX通信速度 | 下り最大40Mbps、上り最大15.4Mbps | ||
WiMAXハイパワー | ○ | ○ | ○ |
UL 64QAM | ○ | ○ | ○ |
無線LAN | 2.4GHz帯IEEE802.11b/g/n(最大150Mbps) | 2.4GHz帯IEEE802.11b/g、11nテクノロジー(最大150Mbps) | |
有線LAN | ─(クレードル利用時 100BASE-TX×1) | ─ | ─(クレードル利用時 100BASE-TX×1) |
クレードルのAPモード切り替え | ○ | ─ | ○ |
公衆無線LAN切り替え | ○(UQ Wi-Fi、Wi2 300) | ─ | ○(UQ Wi-Fi、Wi2 300、BBモバイルポイント、HOTPOT、ワイヤレスゲート、ケーブルTV Wi-Fi) |
簡単接続設定 | WPS | らくらく無線スタート、らくらくQRスタート、WPS | |
バッテリー動作時間(連続通信) | 約12時間 | 約9時間 | 約8時間 |
バッテリー動作時間(休止状態での待機) | 約1000時間以上 | 約250時間 | 約250時間 |
バッテリー動作時間(連続待受) | 約20時間 | 約20時間 | 約20時間 |
最大同時接続台数(推奨) | 計11台(無線LAN機器10台、有線LAN機器1台) | 計10台(無線LAN機器10台) | 計11台(無線LAN機器10台、有線LAN機器1台) |
電源 | リチウムイオンバッテリー(3.8ボルト/2090mAh) | リチウムイオンバッテリー(3.7ボルト/2260mAh) | リチウムイオンバッテリー(3.7ボルト/2000mAh) |
バッテリー着脱 | ○ | ─ | ─ |
WiMAX切断時のWi-Fi自動停止機能(省電力化) | ─ | ─ | ○(初期設定はオフ) |
USBモデム機能 | ○(32ビット版Windows XP SP3/Vista、64ビット版含むWindows 7/8、Mac OS X 10.5/10.6/10.7/10.8) | ─ | ○(Ethernet over USB/Windows XP以降、Mac OS X 10.5以降) |
充電方式 | Micro USB ACアダプタ、USBポート充電 | Micro USB ACアダプタ、USBポート充電(パナソニックUSBモバイル電源シリーズ正式対応) | |
USB給電機能 | ─ | ─ | ○(出力5ボルト/1000mA近く) |
スマートフォンアプリ | ○(URoad Magic) | ○(URoad Magic) | ○(Aterm WiMAX Tool) |
スマホアプリでのリモート起動 | ○(タイマー起動) | ─ | ○(休止状態も対応) |
ディスプレイ | LED | 有機EL | |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 106×63.8×8.4ミリ | 90×63×11.8ミリ | 89.6×52×12.8ミリ |
重量 | 約74グラム | 約86グラム | 約80グラム |
カラー | ホワイト、ブラック、レッド | ホワイト、ブラック、レッド | ホワイト、ブラック、ピンク |
発売 | 2013年2月20日 | 2012年3月9日(発売済み) | 2013年2月7日 |
製品名 | 厚さ | 重量 | 登場 |
---|---|---|---|
URoad-9000 | 約18ミリ | 約102グラム | 2011年2月 |
URoad-8000 | 約20.4ミリ | 約98グラム | 2011年5月 |
URoad-SS10 | 約11.8ミリ | 約86グラム | 2012年2月 |
URoad-Aero | 約8.4ミリ | 約74グラム | 2013年2月 |
URoadシリーズは、新モデル登場とともに薄型化/軽量化が推進されている。改めてURoad-Aeroの厚さ8.4ミリは、アップル「iPhone 5」(厚さ7.6ミリ)と並べてもほとんど変わらず、手にすると「ほう……。薄いなこれは」と感心するであろう数値である。
もちろん前モデルより大幅に小型化されたのは、本機より一足早く登場したNECアクセステクニカの新モデル「AtermWM3800R」も同じだが、厚さはこれより4.4ミリ薄い。WiMAXはもちろん、LTE/3G対応も含めたポータブルルータ全体で見ても他機種を圧倒するサイズだ。
幅こそ63.8ミリと幅52ミリのAtermWM3800Rより大きめだが、4.7型クラスのスマートフォンと同等の値なので困る範囲ではもちろんない。70グラム台とこちらも他機種よりかなり軽量であることも含めて、バッグやポーチ、ポケット類への収納性/携帯性が格段に向上している。
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