ここ半年ほどで、デルのハイエンド液晶ディスプレイのラインアップが急増している。
2013年3月19日、デルは24型ワイド液晶ディスプレイ「U2413」を発表し、同日より販売を開始した。U2413は24型ワイドディスプレイのフラッグシップモデル「デジタルハイエンドシリーズ」の製品であり、同社が2009年に発売した「U2410」の後継モデルと位置づけられている。
本製品は広色域のIPSパネルや12ビットの内部処理、多彩なインタフェースなどU2410の特長を引き継ぎつつ、新たにハードウェアキャリブレーション機能を組み込んだ。また、LEDバックライトを採用し、消費電力が減少したところも見逃せない。
本記事ではスペックや表示性能に加え、同社の30型ワイドディスプレイ「U3014」のレビューでは言及しなかった、ハードウェアキャリブレーション機能の使い勝手に注目してチェックしていく。
まずはディスプレイとしての基本スペックを確認する。U2413は広視野角のAH-IPSパネルを採用しており、画面サイズはノングレアの24型ワイドだ。アスペクト比は縦解像度も確保できる16:10で、解像度は1920×1200ドット(WUXGA)となる。フルHD動画を等倍表示すると、利用できる余白は動画再生時のシークバーくらいだ。動画鑑賞には十分な広さで、動画編集にはもう一声といったところか。
輝度のカタログ値は350カンデラ/平方メートルとU2410(400カンデラ/平方メートル)よりも下がったものの、輝度を最大にするとまぶしいと感じるほどだ。輝度は0〜100の101段階で調整できる。輝度を測定をしたところ、sRGBモードだと9〜192カンデラ/平方メートル、Adobe RGBモードや標準モードでは28〜328カンデラ/平方メートルの間で調整が行えた。
コントラスト比は1000:1でU2410と変わらないが、ダイナミックコントラスト(ムービーまたはゲームモードで使用可能)は従来の8万:1から200万:1にまで向上した。映画やゲームなどでメリハリが効いた表示が楽しめる。応答速度は6ms(GTG)だ。本製品はLEDバックライトを採用したことにより、消費電力は従来モデルの75ワットから60ワットまで下がった。
最大表示色は10億7400万色で、色域はNTSC比で103%(CIE1931の場合、CIE1976では120%)、Adobe RGBカバー率は99%、sRGBカバー率は100%とかなり広く、Adobe RGBモードで撮影した写真データを扱うときも不満はない。もちろん他のデル製ディスプレイと同様にsRGB、Adobe RGBをエミュレーションしたプリセットモードも用意しているので、異なるカラースペースを使い分ける作業にも対応できる。
視野角についてはIPSパネルを採用していることもあり、水平/垂直とも178度と良好だ。周辺部でも輝度が落ち込まず、色の変移もほぼないので、色を調整する作業にも向く。
次はボディの操作性をチェックしよう。本機のスタンドはシンプルながら、チルト(上19度/下3度)、スイベル(左右各30度)、昇降(約115ミリ範囲)、画面を90度回転させての縦位置表示に対応する。画面のサイズは556(横)×361.6(縦)ミリだ。
スタンド底部は角型でやや大ぶりだが、底部上面にターンテーブルを配置しており、ネック部分だけが回るので、台座が回転して周囲のキーボードやケーブル類を巻き込むこともない。昇降は約115ミリの幅で調節でき、設置面から約55ミリの高さまでディスプレイを下げられる。フレームの幅は約17ミリなので、設置面から約72ミリの高さに表示位置の下端が来る。
本機の特徴である豊富なインタフェース類は背面に下向きで並ぶ。映像入力はDVI-D(HDCP対応)×1、HDMI×1、DisplayPort(ver1.2)×1、Mini DisplayPort(ver1.2)×1の4系統となる。U2410と比較するとコンポジット、コンポーネント、アナログRGBが割愛された。
そのほかUSB 3.0ハブ用のアップストリームポートが1基、USB 3.0ダウンストリームポートが2基、そして音声出力とオプションのスピーカーユニット「Dell Soundbar」用の端子が並ぶ。左側面には、SDHCメモリーカード/MMC、メモリースティックPRO-HGなどを利用できる8in1カードリーダーとUSB 3.0ダウンストリームポートを2基備える。
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