「表参道には“購入予備軍”が大勢いる」――「Surface 2」のプロモーション戦略を聞く女性ユーザー獲得が今後のカギ(2/2 ページ)

» 2013年10月26日 00時00分 公開
[池田憲弘,ITmedia]
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働く“カッコいい”女性にどう「Surface」をアプローチするか

photo 日本マイクロソフト 業務執行役員 コンシューマー&パートナーグループ PCビジネス戦略本部 本部長の前田隆志氏

 日本マイクロソフトが、Surfaceについてユーザーイベントを行うのは2回目だ。本イベントの狙いについて、同社 業務執行役員 コンシューマー&パートナーグループ PCビジネス戦略本部 本部長の前田隆志氏は「女性ユーザーへのアプローチを試すという意味合いが強かった」と説明する。

 イベントの参加者は働く女性ブロガー、上昇志向が高いビジネスマン、既存のSurfaceユーザーとセグメントはさまざまだが、今回のイベントは中でも働く女性ブロガーが主役といえる。働く女性の代表として、ビジネスを立ち上げた神田うのさんを招いており、参加者向けのフォトセッションを行うなど(主にAmeba GGの会員に対して)ブログへの投稿も積極的に勧めていた。これは「ソーシャルメディアを通じたSurface 2の話題拡散を狙ったもの」(前田氏)だ。

photo イベントの主役は働く女性のブロガーだったといえる

 しかし、より大事なのは女性ユーザーへのアプローチだ。マイクロソフトは自社の会員制サービスClub Microsoftでユーザーの傾向を把握できるが「Club Microsoftの会員を調べると、まだまだ若年層や女性にリーチできていないと分かる」(前田氏)。同社は2013年6月にもAmeba GGの会員に対して「働くオンナの生き様を学ぶ Woman’s Academy supported by Surface」と題したSurfaceに関するセミナーイベントを開催しており、定員の何倍もの申し込みがあったという。

 前田氏は「MSは顔が見えない、と言う向きもあるが我々は決してそうなりたくない。Surfaceを出す前からずっとユーザーへのヒアリング(Windows OSについて)を行ってきた。イベントを開くと社員が直接ユーザーの意見を聞ける。Surfaceの展開もユーザーの意見を反映してきた」と話す。マゼンタピンクのTouch Coverも日本向けモデルの価格設定も、市場動向やユーザーの声を反映したものだという。

 Surface 2/Surface Pro 2の年末商戦に向け、同社は東京都渋谷区の表参道で屋外広告や特設ショールームといったプロモーションを展開するが、これはSurfaceの“購入予備軍”が集まると考えたためだ。この購入予備軍とは、同社が獲得したい女性ユーザーや若年層を指す。同時に「2014年春にアップルストア表参道ができる前に展開したかったというのもあります(笑)」(前田氏)という。イベントの中でもSurfaceとアップル製品の価格を比較する場面もあった。

 前田氏は「こうしたターゲットは魅力的な市場だが、イメージ戦略などで感化されやすい層でもある。正しい情報を知ってもらい、最終的にSurfaceを買ってもらえなくとも、購入候補に挙げてもらえれば。タブレットについては我々はあくまで後発のメーカー。狙うべきターゲットはどこか、最適な施策は何かということを模索している」と話す。

photophoto イベントでは冒頭に新しいSurfaceの製品を説明しており、「iPad Air」や「iPad mini Retina」といった製品と価格を比較していたのが印象的だった。前田氏は「価格を下げたり、むやみに比較を行うとブランドが傷つくといった意見もあるが、まず我々はデバイスを売るために認知をしなければならない段階だ。ブランドイメージと施策とのバランスが大事」と話す
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