VAIOブランドでは、この秋からユーザーのクリエイティブ活動を支援する「VAIO Inspiration Stream」をテーマとして掲げており、その一貫としてアドビシステムズとの協業を進めている。
これまでアドビシステムズのクリエイティブツールではVAIOの筆圧検知が使えなかったが、今後使うことができるようになるのはクリエイターにとって見逃せない。2013年中に、Adobe Creative Cloudのアップデートによって、Adobe Photoshop CCとAdobe Illustrator CCがVAIOの筆圧検知に対応す予定だ(ただし、付属のAdobe Photoshop Elements 11は筆圧検知に対応していない)。
そして、VAIO Inspiration Streamのもう1つのアプローチが、ペンを活用した発想の支援であり、そのために「VAIO Inspiration Suite」と呼ぶ独自アプリケーション群を用意している。これには「CamScanner」「VAIO Clip」「VAIO Paper」という3つのWindowsストアアプリが含まれる(VAIO PaperとVAIO Clipは、Windowsストアから要ダウンロード)。
CamScannerは、内蔵カメラを使って書類や名刺などをきれいに取り込めるスキャナツールだ。台形補正や画質補正などを簡単にできる機能を備えており、OCR機能も持つ。これらの補正機能はカメラで撮影した画像に限らず、既存のファイルに対しても行える。
VAIO Clipはペン対応の画面クリッピングツールで、キーボードの「Fn」+「1」キーやペンの下ボタンからいつでも起動できる。ペンを活用した輪郭の自動検出機能が特徴で、除外したい(あるいは追加したい)部分をペンでなぞって選択することにより、微妙な輪郭も簡単にきれいに選択できる。
※記事初出時、「VAIO Clip」を起動するキーボードショートカットに誤りがありました。おわびして訂正いたします(2013年11月7日0時)
VAIO Paperは、シンプルな手書き対応のノートアプリだ。手書きメモ、テキストだけでなく写真の貼り付け、音声メモの保存もできる。従来からプリインストールされている「Note Anytime for VAIO」に似たUIだが、メニューなどはよりシンプルに整理され、動作もより軽快な印象を受ける。
それぞれのアプリで処理したコンテンツは簡単な手順で別のアプリに送れるようになっており、相互に連携して活用できる仕組みだ。CamScannerやVAIO Clipで素材を取り込んでVAIO Paperに送るという操作が基本だが、その逆もできるので、台形補正をしたい場合はCamScanner、切り抜きをしたい場合はVAIO Clipといったように、好きなように組み合わせて使える。ペンによる手書き機能を活用するプラットフォームとして、欠かせない存在になりそうだ。
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