コラム
» 2013年11月27日 10時46分 公開

2つの新型iPad、どちらを買うべきか迷ったら考えること林信行が指南(3/3 ページ)

[林信行,ITmedia]
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使うほどに魅力が広がるiPad。1台選びに100%の正解はない

 一方、もっと実用重視な人は、どうやってiPadを選べばいいだろうか。それは自分のライフスタイルとワークスタイルを振り返ることから始まる。

 例えば、iPadで電子雑誌を読むことが多い人は、サイズ的にも写真が大きく楽しめるiPad Airのほうがよさそうだ。4人がけのテーブルで1人、2人を相手にした打ち合わせ程度ならiPad miniの画面でも十分情報を共有できるが、そこにもう1つテーブルをくっつけて5〜7人くらいの会議となると、となりのテーブルの人はやや画面が見えにくくなるのでiPad Airが理想というのが実際に試してみての実感だ。それ以上の人数の会議では、おそらくプロジェクタなどで画面を写しだすことになるので、逆にiPad miniでもAirでもどちらでもよくなる。

 ただ、プロジェクタを使った会議は、参加者同士が見つめ合う機会が減り、意識の共有温度も低くなってしまう。せっかくiPadを仕事に生かそうとしている人は、できれば、紙芝居を見せるように、参加者全員に自分のほうを向かせてプレゼンするiPad流会議を実践してほしい。

 このように、自分がどう働くか、どう楽しむかを、できれば1週間分+旅行/出張中の様子も含めて振り返り、そのトータルで、ビジネス書サイズとハードカバー本サイズのどちらが自分にあっているかをまずは考える。もちろん、大は小を兼ねるで基本的には大きいほうだが、カバンで持ち運べるサイズの制約や、混雑した電車移動時の利用など、本体の小ささで生まれる柔軟性が魅力となるシーンもいくつかあるはずだ。自分がどういったときに最もiPadを活用したいかを想像しながら、そのシーンにどちらのiPadがふさわしいかを決める。

 もっとも、iPadはアプリが豊富で、使い始めると最初に想定していたよりもはるかに広い使い方をすることになるデバイスだ。育児にも便利だし、家族や友達と一緒に写真を楽しむのにも便利、話の合間にさっと取り出してインターネットで調べものをして周囲の人と共有するのにも便利だし、営業にも便利だ。機内や長距離電車で映画やドラマを楽しむのにも理想の機械だし、じっくりと本を読むのも、アプリで雑誌や新聞を読むのにも向いている。神尾氏がレビューで紹介していたように、カーナビとしてドライブをサポートする際にも便利だ。

 また、ほかのタブレットでは、スマートフォン用に作られたアプリを、ただ大きな画面に引き延ばして表示しているだけのものがほとんどだ(同じOSで、異なるメーカーがさまざまなサイズのタブレットを出しているので、アプリを作る側がすべてのサイズを把握し、テストし、対応することができない)。

 これに対して、iPad miniとiPad Airは、画面のサイズが決まっているので、大きくなった画面スペースを有効活用して、大型画面ならではの見やすさや快適な操作を追求したアプリが多く、そうした点でもほかのタブレットとは比較にならない使いやすさを実現している。だからこそ、iPadは使い込めば使い込むほど、さらに活用シーンが広がり、もっと活用したくなる。

 この秋に登場した2つのiPad――9.7型のiPad Airか、7.9型のiPad mini Retinaか、そのどちらを選ぶべきかは悩ましい問題だ。もちろん、理想の答えが「両方買う」ことなのは明白だが、それをあえてどちらか1台に絞るとなると、100%の確信を持てる人はいないだろう。結局のところ、どちらを購入しても「こういう時は、もう一方のiPadのほうがよかったな」と思う場面は多かれ少なかれ出てくるのだから。

 しかし、だからといっていつまでも悩んでいても仕方がない。悩み過ぎていたずらに時間を浪費してしまうよりも、ここは潔く踏ん切りをつけて、悩む時間を削った分だけ、自分の選んだiPadを長く徹底的に楽しむ。これこそが正解ではないかと、筆者は思っている。

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