iPhone 5sと195匹の猫週末アップルPickUp!

» 2013年10月07日 09時28分 公開
[青山一丁目りんご園,ITmedia]
いったい何が始まるんです……?

 前回はiOS 7の“ロック回避”を修正した「iOS 7.0.2」を取り上げましたが、今回もセキュリティっぽい話です。お題はiPhone 5sの指紋認証センサー「Touch ID」について。

 Touch IDは、ホームボタンにそっと触れるだけでiPhone 5sのロックを解除してくれるとても便利な機能です。iTunes StoreやiBooks Storeの認証もサクサク済ませてくれるので、預金残高もサクサクと減っていきます。

 さて、そんなTouch IDですが、ドイツのハッキンググループが認証破りを実証したり、一般人が心配するレベルじゃないとセキュリティ研究者がコメントしたり、あげく猫の肉球を登録してもきちんと動作することが判明したりと、早速みんなから熱い視線を集めているようです。

 その中でちょっと気になったのがTouch IDの他人受入率(FAR:False Acceptance Rate)。指紋認証センサーを供給するAuthenTecが仕様を公開していないためソースを見つけることができなかったのですが(同社は2012年にAppleに買収されている)、英The Guardian紙の「No, Apple hasn't said it will share a 'fingerprint database' with the NSA」という記事に、登録されていないランダムな指紋がTouch IDの認証を突破してしまう確率は5万分の1であることを示す記述がありました。これを信じるならFARは0.002%ということになります。

 0.002%というとすごく小さい数字のようですが、例えば地球上の総人口が70億とすると、自分のiPhone 5sの指紋認証を突破できてしまう人が世界に14万人。吉祥寺の1日の乗降者数や武蔵野市の人口に匹敵する数、と考えると急に不安になってきます。

 そんなことを考えていたら、ふと“肉球認証”が頭に浮かびました。猫の肉球でもTouch IDを利用でき、指紋と同じ認証空間に肉球も含まれているのだとしたら……。一般社団法人ペットフード協会が発表した資料(2012年)によると、日本で飼育されている猫は974万8000匹。FAR上の計算では国内に200匹近くの猫が自分と同じ認証パターンを持っている可能性があるわけです。にゃ、にゃんだってー!?

 猫の肉球に似た形の指紋を持っている人は、猫社会に個人情報を漏えいしないよう、注意したほうがよさそうです。

というわけで、報告されているように実際に肉球認証が可能なのか試してみました

確かに“指紋”の登録は完了。ただし、実際にロック解除ができるのは確認したものの、試行回数は数十回以上(子猫で肉球が小さいせいかも?)。成功動画も撮れませんでした……

モルモットでも試してみましたがこちらは登録の途中で失敗

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