エプソンダイレクトは12月17日、インテルの第4世代Coreプロセッサーを採用した超省スペースデスクトップPC「Endeavor ST170E」を発表。同時に第3の柱として「特定業務向け」の販促を拡充する新たな方針を示した。
エプソンダイレクトは、PCの仕様を自由にカスタマイズしてオーダーできるBTO(Build to Order)システムの採用を大きな特長とする国内PCメーカー。2013年に設立20年を迎えた。最近は法人への出荷比率を高め、販売数の全体の75%は法人(大企業、中小企業、SOHO、官公庁、文教分野)が占めている。また、販売チャネルもこれまでのWeb直販サイト「Epson Direct Shop」や電話オーダーに加え、グループ企業のエプソン販売と連携した販売活動も比率を高め、中規模以上の企業や官公庁・文教分野をカバーする。エプソン販売経由の比率は50%に達しており「個人・小規模企業向け」と「エプソン販売経由のオフィスユース向け」を2つの柱としていた。
これに加え、これまで同社が培ってきたSFF(Small Form Factor:省スペースPC)の技術を生かし、省スペースをより突き詰めた新シリーズ「Endeavor ST170E」をベースに「特定業務向け」も第3の柱に据え、注力する。
特定業務とは具体的に、
などの業種を想定し、特に「サイネージ用端末」「PC-POS端末」への採用を見込む。省スペースでありながら高機能と拡張性、長期の商品サイクルであることをポイントに「省スペースデスクトップはエプソン」と訴求する考えだ。法人販売のうち、特定業務向けの構成比を従来の30%から40%に伸ばし、年間5万台の出荷目標を掲げる。
販売施策も、従来の法人向け施策として高く評価されていた「短納期」「最長6年の長期保守・サポート」「販売終了後6年の部品供給」「キッティングBTO」などに加え、特定業務向けには、個別デモや検討企業への評価機材を従来以上に用意する施策、さらに組み込みOSであるWindows Embedded(Windows 7 Embedded/Windows 8.1 Industry)の対応を強化するなど「ビジネス販売店/Sler(システムインテグレータ)との協業を強化」して展開する。

ST170Eは、特定業務への採用比率を40%まで高める計画。これまでのビジネスPCと同様に、法人向けのサポート体制を用意すること、そして「商品サイクルを長く設定している」ことが業務用端末として特に向くはずだ
容積約1.6リットル(従来モデル ST160E容積比−40%)のST170E。超小型ながら必要な機能を「内蔵」できることがポイント。第4世代Coreプロセッサーを搭載可能、COMポート、セカンド有線LANポート、2.5インチHDD×2(RAID 1も)を実装機能、液晶ディスプレイと一体化できる専用マウント、標準で3画面出力が可能(アナログRGB、DVI、Mini HDMIを実装)など、単に小型なのではなく、業務導入ニーズに沿った省スペース化を図っている「直近ではWindows XPマシンのリプレース需要により好調。しかし中長期的に見ると、日本のPC市場は今後大きな伸長は望めない。こういった厳しい市場のなかで他社ととくに差別化できる“省スペースデスクトップ”をテーマに推進する。今回のST170Eはまさにこの戦略を象徴する商品。オフィスシーンではノートモデルも省スペースに利用できるが、差別化は出しにくい。この点、設置性や拡張性、安心感とともにデスクトップPCを望む特定業務のシーンには、BTO対応のST170E、あるいはそれに続くラインアップにより、確実にマッチする構成で提供できるのが大きな強み。
もちろん、これまでの個人ハイエンドや法人向けのラインアップを縮小する考えはない。個人(直販チャネル)/法人・官公庁(直販・エプソン販売チャネル)の柱はこれまで以上に、さらに特定業務(エプソン販売チャネル)も新たな柱に据えて今後も展開する」(エプソンダイレクトの吉崎宏典社長)
「PC USER Pro」
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