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「Let'snote MX3」――パナソニック流の“全部入り”新世代モバイルを徹底検証最新PC速攻レビュー(2/5 ページ)

» 2014年01月17日 11時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

サイズ感チェック:新素材と新工法で実現した軽量タフボディ

光学ドライブや豊富な機能を備えたボディは約1.198キロ。タッチ操作は軽快に行えるが、手で持って使うのは短時間に限られる。IPS方式の液晶パネルにより、視野角は広い。画面にアンチグレア保護フィルムを貼り付けてあるため、照明などの映り込みは抑えられている

 12型フルHD液晶を備えた2in1ボディのサイズは301.4(幅)×210(奥行き)×21(高さ)ミリだ。11.6型のLet'snote AX3が288(幅)×194(奥行き)×18(高さ)ミリ(タブレット時19ミリ)だから、液晶サイズのぶん、ひと回り大きくなった。

 その一方で液晶が11.6型から12.5型へと大型化し、光学ドライブを内蔵しているのに、重量はLet'snote AX3の約1.14グラムに対して、約1.198キログラムと、58グラムしか変わらない。ほとんど同じ感覚といってもよいだろう。

 明るいシルバーのボディは、まさにLet'snote AX3をひと回りだけ大きくしたイメージだ。それでも13型クラスの液晶を搭載したノートPCよりは横幅が狭いことからコンパクトにまとまっており、ほぼフルフラットなフォルムなので薄型のビジネス用バッグなどにもすっきりと収まる。

 天板はLet'snoteおなじみのボンネット構造だ。従来同様、段差をつけて強度を確保しているのだが、その段差は低く、フットプリントが大きなぶん、フラットな印象が強い。Ultrabookとしてはボディが比較的厚いため、外観からは結構な重さを予想するが、実際に持ってみると、ソリッドな剛性感とともに内部の空洞による身軽さが伝わってくる。前面の左側にトレイ式のDVDスーパードライブを内蔵しているが、このことによる強度的な不安もまったく感じない。

 実際、Let'snoteシリーズならではの堅牢性もしっかり確保できている。一般的な机の高さを想定した76センチからの落下試験(底面方向/動作時)、満員電車を想定した100kgf(重量キログラム)の加圧振動試験(非動作時)、30センチの高さ(6面、12辺、8角の合計26方向)から落下させる自由落下試験(非動作時)など、過酷な品質テストを開発段階でクリアしているのだ。

新素材のカーボン強化マグネシウムダイキャストを採用したトップケース

 このLet'snote MX3は、大きく2つのアプローチで軽量化を実現している。

 1つは、トップケース(キーボードベゼル/パームレスト部分)に世界初という新しい金属素材を導入したことだ。Let'snote AX3では、軽量で加工しやすいアルミニウム合金のプレス素材と頑強なマグネシウム合金のダイキャストを貼り付けることで軽量と堅牢性を両立していた部分だが、Let'snote MX3では「カーボン強化マグネシウム(UHD合金)」のダイキャスト素材を採用している。

 その名の通りカーボンを含有させたマグネシウム合金を鋳造で成形したもので、通常のマグネシウム合金よりも結晶粒径が微細で、より薄い板金でも必要十分な面強度を得られ、比較的成形もしやすいという。

 もう1つはトップカバー(天板)の軽量化だ。Let'snote AX3ではマグネシウム合金のダイキャストを使っていたが、Let'snote MX3ではカーボンファイバーに衝撃吸収効果のある発泡材を挟み込む新工法「3層サンドイッチ構造(2層発泡プリプレグ)」を開発したことで、強度を確保しながら軽量化できている。

 これに加えて、凹凸をつけて強度を確保するボンネット構造にも改良を加え、ボンネットの凸部分の厚みを増す偏肉形状を導入することで、こちらもまた面強度を確保したまま軽量化を可能にした。

 新工法とボンネット構造の改良により、天板部分トータルでLet'snote AX3に比べて13グラム(14%)の軽量化に成功したという。

天板にはカーボンと発泡材を組み合わせた3層サンドイッチ構造と新しいボンネット構造を採用した

 さらにLet'snote MX3では、本体内蔵のトレイ式DVDスーパーマルチドライブもケースの穴開け加工により、通常のドライブに比べて34グラム軽量化している。

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