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» 2014年02月12日 08時00分 公開

「dynabook KIRA V634/28KS」――“絶妙なバランス”の高画質モバイルノートを徹底検証最新PC速攻レビュー(2/4 ページ)

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

サイズ感チェック:13.3型ノートでは最小クラスのフットプリント

突出した薄型軽量ボディではないが、13.3型ノートPCとしてフットプリントは最小クラスで、薄く美しいデザインに仕上がっている

 ボディは底面を前方に向かって少し絞ったくさび型のフォルムを採用。ボディのサイズは、約316.0(幅)×207.0(奥行き)×7.6〜17.9(高さ)ミリだ。ゴム足を含めると最厚部は20ミリほどあり、ボディを絞り込んでいるのは前面の先端部や側面の手前側のみなので、全体的にはそれほど薄いわけではない。しかし、数字以上に薄く見えるデザインで、実際に持った際にも薄く感じる。

 また、フットプリントは13型クラスの液晶ディスプレイを搭載する薄型軽量モバイルノートPC(Ultrabook含む)としては最小クラスで、サイズ感は一回り小さい画面(11.6〜12.5型)を搭載する製品に近い。

 重量はタッチパネル付き上位モデル(V834/29KS)の約1.35キロに対し、約1.12キロと軽い(いずれも公称値)。常に携帯して使うモバイルPCとして、約1.35キロならば候補にならないが、約1.12キロならば選択肢に入るというユーザーも少なくないのではないか。実測での重量は1.065キロと公称値よりさらに軽かった。くさび型フォルムで持ちやすいこともあって、1.3キロ程度のノートPCに比べて体感でもかなりの違いがある。

マグネシウム合金のボディは、天板のプレス加工、ハニカムリブ構造、バスタブ構造、フレームレスキーボード構造などを組み合わせて、高い剛性を確保している

 明るいシルバーボディの素材はアルミニウムのように見えるが、軽さを重視してマグネシウム合金を採用している。ほぼフラットな天面は、強度と質感へのこだわりからプレス加工を使用し、表面は細かいヘアライン加工で仕上げている。ほぼフラットながら少しだけ丸みをもたせたエッジのラインなどは絶妙で、美しさが際立っている。

 ベースボディには、蜂の巣状に補強リブをつけた「ハニカムリブ構造」、底面から側面を一体成形する「バスタブ構造」、そしてキーボードをベースボディに一体化させる「フレームレスキーボード構造」を採用し、剛性を確保している。

 実際に持って見ても不安な印象はまったくない。パームレストの端など薄い部分だけを持ってみても、しっかりとした剛性が感じられる。

注目ポイント(1):高画質を追求した高精細液晶ディスプレイ

2560×1440ドット表示の13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載。表面はグレア仕様で、映り込みはそれなりにある

 dynabook KIRAシリーズにおける最大の特徴が、液晶ディスプレイだ。画面サイズは13.3型ワイドで、表示解像度は2560×1440ドット、その画素密度は約221ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)を誇る。この高精細表示に加えて、同社液晶テレビの「REGZA」シリーズで培った映像技術を生かし、最適な色味を実現するため、1台1台色調整を行って出荷するというこだわりようだ。

 また、独自の超解像技術(レゾリューションプラス)により、映像をフレームごとに分析し、シーンに応じた色補正や輪郭強調などの高画質化も行う。レゾリューションプラスは、ユーティリティの設定からオン/オフが可能で、効果の違いを確認できる。実際に試してみると、オフモードでは表現しきれていない暗いシーンでの階調や色味を、しっかり再現できており、ダイナミックレンジの補正が的確に行なわれていることが確認できた。ビビッドでありながら、ギラギラ感がない。

 単に高精細表示をうたうノートPCと比べて、映像コンテンツ再生時の表現力はレベルが一段違う印象だ。最近では220ppi程度の高精細な液晶ディスプレイを搭載するモデルも増えてきたが、画面の鮮明さはその中でもトップクラスといってよい。

画素密度が非常に高い液晶ディスプレイなので、文字やアイコンが小さく表示されすぎないよう、「画面設定ユーティリティ」を備えている。「デスクトップテキストサイズ」のメニューでは、簡単設定(画像=左)と詳細設定(画像=右)でテキスト表示の拡大率を柔軟に調整可能だ
画面設定ユーティリティには、レゾリューションプラスの設定(画像=左)や、自動色調整の設定(画像=右)なども用意されている
2560×1440ドットの高解像度表示は、等倍表示時の比較で1920×1080ドット(フルHD)の約1.8倍の情報を表示できるが、通常は細かすぎて見づらいだろう(画像=左)。画面設定ユーティリティでテキストサイズ「最適」を適用したデスクトップの表示は、テキストやアイコンが等倍の165%に拡大されて見やすくなる(画像=右)

 高音質にも配慮しており、harman/kardonブランドのスピーカーを底面の左右端に内蔵している。音響ソフトウェアは「DTS Sound Studio」だ。特筆するほどの馬力感まではないが、Ultrabookを含む薄型軽量ノートPCとしてはかなりパワフルで、低音も効いたサウンドを再生でき、エンターテインメントコンテンツを快適に楽しめる。

harman/kardonブランドのステレオスピーカーを底部の左右端に搭載。音響効果ソフトウェアとして「DTS Studio Sound」が導入されており、サラウンドや低音強調などの効果を利用できる(画像=左)。液晶ディスプレイ上部にはWebカメラ(有効画素約92万画素)を装備。Webカメラを活用した自動ディスプレイ消灯機能(Active Display Off)やジェスチャーコントロールなどが利用できる(画像=右)
東芝オリジナルのユーティリティや各種設定には「デスクトップアプリメニュー」からアクセスできる

注目ポイント(2):キーボードの使い勝手は薄型軽量ノートで最高クラス

バックライト付きの6列キーボードは見た目以上に打ちやすい

 キーボードの高品質も強調しておきたい。アイソレーションタイプの6列キーボードでキーピッチは横19ミリ、縦18ミリとなっている。フルサイズというには若干縦方向が狭いが、この程度ならば、ほとんど違和感はないはずだ。配列も比較的素直で、打ちにくそうなキーは特に見当たらない。

 また、小さいカーソルキーとレギュラーキーとの間にスペースを確保したり、ファンクションキーを4つずつ区切って配置したりと、ミスタイプを防ぐ工夫が随所に見られる。

 キーストロークは約1.5ミリと、Ultrabookを含む薄型軽量モバイルノートPCにしては深めに確保しているのも見逃せない。キートップにはわずかなくぼみがあって指を置きやすく、スイッチの感触もしっかりとした押下感がある一方で反発が強すぎず、実に良好なタッチだ。ボディと一体化したフレームレス構造を採用しているため、剛性が高く、強めにタイプしても、たわみやきしみがなく、快適なタイピングが行える。「dynabook史上最高を目指した」という開発者のコメントもうなずける。

 ただし、細かい不満点としては、半角/全角キーやカーソルキーが小さいこと、パームレストの長さが実測で74ミリと、短くはないものの、13型クラスとしては微妙な長さであること、そしてパームレストの端がシャープなことが挙げられる。筆者の手はギリギリセーフだが、手が大きくてパームレストの長さが足りないユーザーにとっては、エッジが当たって少し痛く感じるかもしれない。

広めのタッチパッドに、シナプティクス製の多機能ドライブを導入している

 キーボードの手前には、左右ボタン一体型のタッチパッドがある。105(横)×59(縦)ミリと十分な広さがあり、指の滑りも上々だ。手前側の左右の端が沈んでクリックボタンの役目を果たす構造だが、この押し心地もよい。

 タッチパッドにはシナプティクス製の多機能ドライバが導入されており、2本指でのスクロール、つまみズーム、右エッジからのスワイプによるチャームの表示などのジェスチャー機能が標準で利用可能だ。

 モバイルノートPCでは、薄さや軽さを優先するため、キーボードやタッチパッドの使い勝手で妥協している製品も散見されるが、dynabook KIRAは携帯性の高さと入力環境の使いやすさがうまく両立できている印象を受ける。


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