ココが「○」 |
---|
・深さ3ミリで使いやすいキーボード |
・輝度や色味を自動調整するHCE |
・独自のサービスやサポートを用意 |
ココが「×」 |
---|
・価格帯が高めの1モデル展開 |
・データストレージがHDDのみ |
・キーピッチはあまり広くない |
「洗練された大人のパソコンで人生を豊かに」――そんなコンセプトを掲げた富士通の「GRANNOTE(グランノート)」は、60歳を中心とするシニア向けの新しいPCブランドだ。
これまで同社がシニア層に拡販してきた「らくらくパソコン」は、PC初心者向けの製品だったが、GRANNOTEの開発においては「シニア層=PC初心者」という考え方を改め、仕事などでPCを使ってきた活動的なシニア層が満足できるような製品を目指した。独自仕様を多数盛り込むことで、サービスやデザイン、使いやすさを徹底追求したという。
今回はGRANNOTEの第1弾として登場した「FMV LIFEBOOK AH90/P」を入手したので、その使い勝手や性能をじっくり検証していこう。
大人世代を意識して上質感にこだわったというボディは、シンプルで落ち着きのあるデザインだ。特にキートップのみを露出するアイソレーションデザインでありながら約3ミリと深いストロークを確保するキーボードは、見た目にもインパクトが大きい。据え置き利用がメインのボディは、サイズが377.1(幅)×263.7(奥行き)×31(高さ)ミリ、重量が約2.8キロ。光学ドライブ搭載の15型ノートPCとしては扱いやすいサイズにまとまっている。
また、富士通のスマートフォンでおなじみの独自技術「HCE(ヒューマンセントリックエンジン)」を初めてPCに搭載し、使う場所、使う人に応じた最適な使いやすさの提供にこだわり、周囲の環境とユーザーの年代に合わせて画面の輝度や色味、スピーカーの音質をインテリジェントに調整する機能を持つ。
さらに、ネットショッピングや保険、オンライン将棋など富士通と提携するオンラインサービスを特典付きで楽しむことができ、サービス使用開始時の登録作業を電話やリモート操作でサポートする専用ダイヤル(利用回数/利用期限なし)も利用できるなど、購入後の活用までしっかりフォローするオールインワンPCに仕上がっている。
液晶ディスプレイは15.6型ワイド画面、表示解像度は1920×1080ドット(フルHD)に対応する。10点マルチタッチ対応のタッチパネルを搭載し、画面に直接触れての操作も可能だ。視野角の広いIPSパネルを採用し、斜めからでも見やすく操作しやすい。
CPUはUltrabookの上位クラスに採用例が多いCore i7-4500U(1.8GHz/最大3.0GHz)を搭載し、メモリ容量も8Gバイトと余裕がある。データストレージは1TバイトのHDDだ。今回は1モデルの展開で、直販限定のカスタムメイドモデルも用意されず、SSDまたはハイブリッドHDDを搭載できない点は、パフォーマンス志向のユーザーからすると少々惜しい。また、光学ドライブは見栄えがよいスロットイン式のBDXL対応Blu-ray Discドライブを右側面に内蔵している。
有効画素数約200万画素のフルHDカメラのほか、側面にはSDXC対応SDメモリーカードスロット、USB 3.0ポートを4基、HDMI出力、有線LANを備えるなど、端子類も豊富だ。IEEE802.11a/b/g/nの無線LAN、Bluetooth 4.0+HS、NFCといった通信機能も持つ。随所に流行の仕様を取り入れつつも、使いやすさに関する部分は省略していない、堅実な仕様といえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.