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サイズ別に“仕事がはかどる”液晶ディスプレイを選んでみたSOHO/中小企業に効く「ディスプレイ」の選び方(第2回)(1/3 ページ)

» 2014年04月25日 06時00分 公開
[山口真弘,ITmedia]

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法人ユースに適した液晶ディスプレイとは?

仕事の効率アップを図れる液晶ディスプレイは?

 前回は個人ユース、法人ユースの区別なく、液晶ディスプレイのトレンドについてざっと整理した。今回はその中から法人用途のSOHO/中小企業に向いた液晶ディスプレイの選び方を紹介する。

 個人ユースの場合、例えばゲーム用だとか、動画コンテンツの視聴用といった明確な利用目的があり、それによって応答速度が速いモデルや、画面が大きなモデルを選ぶといった選択をするのが普通だ。何より個人利用ではまとめて何台も購入するわけではなく、1台に相応のコストをかけられる。

 これに対して法人ユースでは、業種ごとの特殊な用途を除けば、それほど顕著な違いはないというのが実情だろう。例えば省電力機能については、どんな用途でも電力消費は少ないほうがよいし、ブルーライトの低減機能も不要なシーンでは切っておけば済む。液晶パネルの違いについても、「ローエンドのIPSとハイエンドのVAではどちらがよいか?」といった個別の議論はあるにせよ、基本的に高級な順から「IPS>VA>TN」という序列が存在し、それが価格に反映されているという意味で、非常に分かりやすくはある。

 それゆえ、特定用途は別にして、法人ユースではまず「ワイド画面(16:9や16:10)」か「スクエア画面(4:3や5:4)」かを決めたうえで、「画面サイズ」「解像度」「液晶パネルの違い」を選び、次いで「端子の種類」や反射が抑えられた「ノングレア(非光沢)」といった仕様をチェックしていくのが順当だろう。

 本稿ではこの考え方にのっとり、製品を「21.5型ワイド」「23〜24型ワイド」「27型ワイド」の3つのグレードに分け、それぞれのおすすめモデルを挙げる。今回はフルHD以上の解像度、表面はノングレア処理であることを最低条件とした。液晶ディスプレイは同じような仕様の製品が多いので、代表的なモデルや特徴的なモデルに絞って選んだ。もはや少数派のスクエアモデルについては省略するので、ご了承いただきたい。

 なお、法人向けのディスプレイを選定する際に重要なポイントとなる故障時などのサポートについては、本稿の最後で述べる。

21.5型ワイドのおすすめ機種は?

 まずはローエンド、21.5型ワイドのモデルについて見ていこう。前回紹介したように、昨今の液晶ディスプレイのトレンドは「フルHD」、つまり1920×1080ピクセルであることが挙げられるが、21.5型であればギリギリこのフルHDをサポートしている(ただし、同じフルHDで画面サイズが大きいモデルより画素密度が高く、表示は細かくなる)。

 それよりも下、具体的には19型や18.5型のモデルになると1440×900ピクセルもしくは1366×768ピクセルとなってしまうので、積極的に選ぶ必要はないだろう。価格的にもかえって割高になることも多い。

 21.5型は実売1万円台と安価な製品が多いが、ほとんどがTNパネルの製品となる。その点で目立つのが、非光沢IPSパネルを採用して1万円台のデル「P2214H」だ。縦位置表示に対応したスタンドを備え、液晶パネルとバックライトを含めた3年保証まで付く。

 同じくAH-IPSパネルを採用したiiyamaの「ProLite XU2290HS」も見逃せない。仕様を見る限りでは個人ユースを想定しているようだが、画面が非光沢であることに加えて、狭額縁設計により21.5型の中では数少ない、幅が500ミリを切るモデルということで、設置スペースのコンパクトさを重視するのであれば候補に加えるべきだろう。ただし、3年保証ながら液晶パネルとバックライトは1年保証なので注意したい。

 21.5型かつ非光沢、そして広い視野角という条件で価格を重視するのであれば、ベンキュー・ジャパンのVAパネル搭載機「GW2255HM」といった選択肢もある。実売1万円台前半というのは頭1つ抜けており、複数のショップで売れ筋となっているのも納得だが、こちらも3年保証ながら液晶パネルとバックライトが1年保証という点を把握して選ぶようにしたい。

デルの「P2214H」(写真=左)。iiyamaの「ProLite XU2290HS」(写真=中央)。ベンキュー・ジャパンの「GW2255HM」(写真=右)

 このほか、輝度を自動調整する「Auto EcoView」機能などの省電力機能や疲れ目対策機能を盛り込んだEIZOの「FlexScan EV2116W-A」、低消費電力がウリのアイ・オー・データ機器「LCD-MF225XBR」もTNパネルながら注目したい。前者は5年保証(使用時間は3万時間以内、液晶パネルは3年以内)、後者は液晶パネルとバックライトを含めて3年保証が付属する点でも優位性がある。いずれも非光沢パネルを採用し、法人ユースにも適している。

EIZOの「FlexScan EV2116W-A」(写真=左)。アイ・オー・データ機器の「LCD-MF225XBR」(写真=右)
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