さて、準備ができたらHDDの取り付けから始めよう。
ASシリーズではHDDはトレイにネジ止めしたうえで本体に挿入する。インタフェースはSATA II/III、トレイは2.5型/3.5型共通だ。
次にAS-202TEのLANポートにLANケーブルを接続し、ネットワークに接続する。無線LANを導入する場合も初回設定時だけは有線接続が必要だ。あとはADアダプタを接続し、電源を投入しよう。
本体付属のCD-ROMを挿入し、設定用ツール「ASUSTOR Control Panel」を起動するとネットワークをスキャンしてASシリーズが検出される。初回起動時には自動的に初期設定のダイアログが表示されるので、あとは画面に沿って設定を行っていけばよい。
導入に不慣れな場合は「ワンクリックセットアップ」を選択すればよいが、いくつか注意点がある。
1点目はNAS名だ。WindowsやMacなどクライアントから利用する際に指定する識別子になるため、必要に応じて分かりやすい名前をつける。デフォルトではモデル名にMACアドレス(ネットワークアダプタごとに割り振られたユニークなアドレス)の第5、6オクテットを付加したものになる。
もう1点がRAID構成だ。これは明示的には出てこないが、「データストレージに対するあなたのニーズ」という項目でRAID構成が決定される。2ベイモデルのTS-202TEの場合、「最大容量」だとRAID 0、「バランスが取れている」ではRAID 1が選択される。
NASやネットワーク機器の導入に慣れている人は明示的に設定ができる「カスタムセットアップ」のほうがよいだろう。ワンクリックセットアップと比べるとRAID構成、タイムゾーンやNTP、ネットワークの詳細が設定可能だ。後から管理画面から設定を変更することもできるが、RAID構成だけは導入後の変更は手間がかかるため、初期設定中にきちんと構成しよう。
カスタムセットアップではワンクリックセットアップでは選択できないRAID構成も選択できる。2ベイモデルのAS-202TEの場合、選択できる構成はSingle、JBOD、RAID 0/1。このうち片方のHDDに障害が起きてもデータが失われないよう冗長化されているのはRAID 1のみだ。
Singleは各HDDを1台ずつ個別に管理するシンプルな構成だが、共有フォルダを適切に配置しないと使用容量に偏りが出てしまう。JBODは2台をまとめて1つのボリュームとして扱うもの。容量の異なるHDDの組み合わせでも全容量を有効に利用できる。RAID 0は高速性を目的とした構成で、ストライピングとも呼ばれる。2台のHDDに分散して書き込み、読み出しを行うため、基本的には同一容量のHDDで構成する。
選択肢はいくつかあるものの、データの保全性、可用性を考えるとほぼRAID 1一択だろう。
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