日本AMD、「AMD PRO」で法人市場に挑む:世界で2番目に大きい日本

» 2014年10月30日 22時17分 公開
[長浜和也,ITmedia]

世界で2番目の規模という日本でAMD PROを推進する

 日本AMDは、10月30日に「AMD PRO」ブランドの概要を紹介する説明会を行った。AMD PROは、ビジネス向けPCへの採用を想定したAMDの製品で掲げるブランドだ。日本AMDコンシューマ・コマーシャル事業部の林淳二氏は、AMD PROが企業向けの製品を訴求するブランドであり、それまで“協業他社”一辺倒だったPCメーカーに最適化していくために立ち上げたと語っている。

 林氏は、同社がx86系CPUのメーカーだったAMDとGPUを開発してきたATI Technologyが一緒になることで、CPUとGPUに関する先進技術をソフトウェアに最適化して購入しやすい価格で供給できる唯一の半導体メーカーであることを訴求し、Xbox Oneやプレイステーション 4、そして、Wii UにApple Proなど、多くのデバイスでAMDのチップを採用している実績を取り上げて、「認知度は低いが、世界中でAMDを搭載した製品が広がっている」とアピールした。

 AMDは、現在成長が期待できる分野での“攻勢”と従来から取り組んできた分野での“維持”という新しい事業方針を掲げており、攻勢をかける分野としてARMベースの高密度サーバや省電力タイプAPU搭載のクライアントPC、組み込み事業などを進めている。

 その一方で、従来からのPCビジネスでは、個人向けのPC市場と自作PC向けリテール市場に加えて、特に日本では企業導入市場に注力している。林氏は、その理由としてIT投資が世界第2となるほどに大きな規模であることを挙げており、その大きな規模を持つ日本の法人導入市場にAMD PROブランドを訴求していく考えを示している。

従来から得意とするPC事業のなかでは成長が期待できる法人市場に注力していくと語る日本AMDコンシューマ・コマーシャル事業部の林淳二氏

AMD PROで「ゲームと安値のAMD」を払拭する

 米AMD COMPUTING COMMERCIAL SOLUTIONS PRODUCT MANAGEMENT SERNIR DIRECTORのアディティア・カポール氏も、同様に日本市場における法人導入市場の規模が大きいことに言及した。カポール氏は、99人以上の企業向け法人市場の導入台数予測において、2013年には今後5年間で2600万台と予測していたが、2014年の予測では3200万台に拡大したと具合的な数値を上げたうえで、拡大した市場を獲得することが、PCベンダー各社にとって重要になっていると述べた。

 このように法人向けPC市場が拡大する状況にあるものの、肝心の企業ユーザーの多くはAMDを採用するモデルに対して「個人向けPCや自作PC向け製品」というイメージが持っているという。そこで「AMD PRO」というブランドを立ち上げることで従来の個人向けとは異なるイメージを変えていきたいというAMD PROブランドの目的を示した。

ゲームや個人に強いというAMDのイメージを変えるため、法人市場に向けたブランドとしてAMD PROを立ち上げたと語る米AMD COMPUTING COMMERCIAL SOLUTIONS PRODUCT MANAGEMENT SERNIR DIRECTORのアディティア・カポール氏

 AMD PROの立ち上げにおいて、AMDでは、法人市場で導入PCを決定する企業IT部門の担当者と、これまでAMDが取り組んできた個人向け市場のユーザーとの違いを検討したという。個人向けユーザーでは、新しい製品を短期間で投入することが求められるは、法人市場においては、いったん導入すると長期間同じシステムを使用し続けるだけでなく、導入過程でも3カ月程度の長い時間をかけ、1000人規模の企業では10万ドル規模の導入コストが必要になる。AMD PROでは、製品供給とサポート体制を長期的に提供することで、法人向け市場に最適化することを目指している。

 カポール氏は、ビジネスで使うPCの利用目的がこの10年間で大きく変わってきたこともAMD PROにとってプラスと捉えている。10年前のビジネスPCは、スプレッドシートを作成するだけのものだったのが、現在では、そのスプレッドシート作成アプリケーションやプレゼンテーション作成アプリケーションでも、ビジュアルが重要になってきたおかげで、グラフィックス処理性能を求めるユーザーが増えている。さらに、企業の部署によって必要とする処理性能が異なるようになったものの、企業のPC導入担当者は、部署ごとに異なるPCを導入する手間やシステム管理が複雑になるより、どの部署の業務にも耐えられる1機種を選びたいと考えている。このような事情を考えると、AMDのAPUを搭載したPCは企業導入に適しているといえる。

長期にわたってビジネス利用に耐えうる性能を持たせたAMD PROブランドのAPUを採用するPCは、デスクトップPC(写真=左)やノートPC(写真=右)でも競合するモデルと比べて高い処理能力を発揮する

AMD PROが重視する4つのポイント

 カポール氏は、AMD PROにとって重要なポイントとして、「長期間業務で使い続けることができる高い処理能力」「24カ月の長期にわたって安定した供給ができる製品寿命」「稼働時間が長時間でも長期間にわたって安定して動作する耐久性実現する品質」「多数のビジネスアプリケーションや周辺機器にたいして行う動作検証」を掲げる。

 また、企業のIT機器管理部門にとって重要なクライアントマシンの管理機能については、リモート管理規格「DASH」のサポートを取り上げ、Microsoftなどが用意するDASH対応コンソールをAMD PROで利用できるとしている。利用できる機能としてブートコントロールやパワーコントロールも備えているので、クライアントPCの電源が落ちていても、リモートアクセスして起動し、リソースエクスプローラでクライアントPCのシステム構成などをチェックできる。

 カポール氏は、今後のAMD PROの予定として、現在ヒューレット・パッカードがビジネス向けラインアップの上位モデルに限定してAMD PROロゴを付けたモデルを販売しているが、ミドルレンジやバリュークラスでもAMD PROロゴモデルを展開するとともに、HP以外のPCメーカーでも、今後数カ月で多くのモデルが登場する見込みであることを明らかにしている。

AMD PROではクライアントのリモート管理機能としてオープン規格の“DASH”をサポートするので、数あるDASH対応管理ツールからユーザーが選択することが可能だ

説明会で展示していたAMD PROブランドを掲げる「HP EliteDesk 705 G1 SF/CT」(写真=左)と、「HP EliteBook 725 G2 Notebook PC」「HP EliteBook 745 G2 Notebook PC」「HP EliteBook 755 G2 Notebook PC」(写真=右)

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