4Tバイトの「Caviar Black」をベースにしたSATA Express対応ハイブリッドドライブ最新版をWDが公開RAID 0で1Gバイト/秒

» 2015年01月08日 17時12分 公開
[本間文,ITmedia]

 Western Digital(以下、WD)は、1月4日と5日の2日間、米ネバダ州ラスベガスのRiviera Casino&Hotelで、International CES 2015の開催に先駆けて開催されたストレージに関する国際会議「Storage Visions 2015」のSATA-IOブースにおいて、現在開発中のSATA Express対応ハイブリッドドライブの最新版を公開した。

 「Caviar Black 4TB」をベースに128GバイトのSSDを統合した同プロトタイプは、2014年6月のCOMPUTEX TAIPEIで公開されたプロトタイプからファームウェアなどの最適化が施され、Prototype IIへと進化。同社は、今年後半にIntelが市場投入を計画している次世代CPU“Skylake”(スカイレーク:開発コード名)プラットフォーム投入のタイミングにあわせ、製品版を市場投入したい考えを示した。

WDの最新SATA Express対応ハイブリッドドライブ

SATA Expressケーブルのマザーボード側コネクタ

SATA Expressケーブルのドライブ側コネクタ

SATA Expressコネクタでは、コネクタの裏側にもPCI Express用のインタフェース端子が設けられる

 同社のSATA Expressハイブリッドドライブは、ASRocKのIntel Z97マザーボード「Fatal1ty Z97 Professional」にIntel Core i5-4570(3.2GHz)、KingstonのDDR3-1866 DIMM 16GBというシステム構成で、オンボードの2つのSATA Expressポートを介してPCI Express Gen.2 x2で接続され、RAID 0構成では約1Gバイト/秒のパフォーマンスを発揮している。

 同社担当者は、「SATA Expressは既存のIntel Z97マザーボードでも、Intelのドライバが用意されれば、特別難しい設定をすることなく、Windows 8.1やWindows 7でも使えるようになる」とし、「128GバイトのSSD領域は、HDD側がハードウェアで管理するため、ユーザーはなんの設定をする必要もない。このSSD領域を、SATA Express対応ハイブリッドドライブでは、よく使うデータやアプリケーションなどのキャッシュ領域として利用することで、HDDの大容量とSSD並みのパフォーマンスを両立することができる」とアピールした。

 また、同氏は「SATA Expressの採用によって、1Gバイトあたり1ドル以下という、パワーユーザーがストレージに求めるコストパフォーマンスと性能が現実のものになる」として、次世代高性能HDDとしてハイブリッドドライブが定着すると見ている。

WDのSATA Expressデモシステム。マザーボードにはSATA Expressポートを2つ備えるASRocKのIntel Z97マザーボード「Fatal1ty Z97 Professional」が使用されていた

分かりにくいが、ASRocKの「Fatal1ty Z97 Professional」では、SATA Expressポートが2つあり、2つのドライブが接続されていた

RAID 0構成で1Gバイト/秒の性能を発揮

こちらは、SATA Expressハイブリッドドライブの第1世代プロトタイプ

SATA Expressハイブリッドドライブの背面(コネクタ)

 このほかStroage Visions 2015のSATA-IOブースでは、ASUSTeKのM.2アダプタを2.5インチSATA Expressドライブとして利用するアダプタ「COPPER」のライブデモも披露され、シングルドライブ構成で700Mバイト/秒を超えるパフォーマンスの高さがアピールされた。

 なお、SATA-IOの関係者は、SATA Expressが正式にサポートされるようになるには、あと9〜10カ月が必要だろうとしつつ、2015年の年末にはSATA Express対応製品がいくつか市場に投入される見通しであることも明らかにした。

ASUSTeK ComputerのM.2アダプターを2.5インチSATA Expressドライブとして利用するアダプタ「COPPER」のライブデモ

SATA Express接続のM.2ドライブのパフォーマンス

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