Radeonファンに最適なゲーミングPC「G-GEAR GA7J-F63/E」で遊ぶ“OMEGA”を試す!(3/3 ページ)

» 2015年02月13日 11時27分 公開
[石川ひさよし(撮影:矢野渉),ITmedia]
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Radeonシリーズの最新ドライバ「OMEGA」を試してみる

 さて、「GA7J-F63/E」にメインストリームゲーマー向けの十分なパフォーマンスがあることが分かった上で、Radeon GPUの最新ドライバについて触れておきたい。

 2014年12月に、Radeonシリーズグラフィックスのドライバで最新のバージョンとなる14.12が登場した。このバージョン14.12は特別なドライバで、それ以前の14.9までのドライバに対し、数々の新機能、機能強化、そして、ゲームなどにおける改善やバグフィックスを施しており、「OMEGA」という名称が与えられている。通常のドライバであれば、数字でしか表記されないので、それだけ記念すべき特別なバージョンであるといえる。

 まず、各ゲームタイトルでのバグフィックスやパフォーマンス改善をAMDは挙げているが、このあたりは普段のアップデートでも行われていることであるので、OMEGAに限ったことではない。リリースによれば、最大20%のパフォーマンス改善とされているが、Radeon Rシリーズにも多様なGPUがあり、ゲームタイトルごとにパフォーマンスのクセもあるので、少なくともRadeon R9 285を搭載する評価機では、一長一短といったところだった。

3DMark

BattleField 4

 特に注目すべきは、「Virtual Super Resolution」(VSR)機能とFulid MotionのDXVA対応だ。VSRは、NVIDIA GeForceが9シリーズで対応した「DSR」と同様、仮想的にディスプレイの最大解像度を超えるサイズでレンダリングし、それをダウンスケーリングしディスプレイ解像度に落としこむことで、3D映像のディテールを高精細化する機能だ。

 VSRは、Catalyst Control Centerの「マイデジタルフラットパネル」内「プロパティ」にある「イメージスケーリング設定」の「GPUダウンスケーリングを許可する」チェックボックスをチェックすることで有効になる。これを有効にした状態では、ゲームの解像度設定内に、ディスプレイの最大解像度以上の選択項目を表示するようになるので、適宜選ぶ。

 例えば、ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編(先の検証と同じ画質設定)で解像度を4Kに設定したところ、それまで90fpsあったフレームレートが27.205fpsまで落ち込み、解像度をWQHDに設定したところ54.844fpsまで落ちた。同時に、ベンチマークテストでは左下に解像度も表示するため、そこを確認すると確かに設定した解像度でレンダリングされているようだ(当然、テキストなどが小さくなる)。

 画質については、普段ベンチマークテストに用いているフレームレート計測ツール「Fraps」でスクリーンショットの保存を試みたが、4K解像度を設定した場合、スクリーンキャプチャも4Kサイズになるようだ。この次のステップであるダウンスケーリングを施す前の状態なので、比較しようがない。今のところ、自身の目で確認するしかないようだ。

Catalyst Control Centerから、「GPUダウンスケーリングを許可する」をチェック。その後、ゲームの解像度設定を確認すると、ディスプレイの最大解像度を超えた解像度が選択できるように切り替わっていた

 Fulid Motionは、24p映像を自然な形で60p映像へと変換する機能で、これまでは独自APIを用いて対応アプリケーションで再生したときのみ利用できていたが、Windows上でGPUによるビデオ再生支援機能を用いる一般的なAPI「DXVA」に対応することで、今後多くの再生アプリケーションで利用可能になる可能性が出てきた。

 ただ、対応ハードウェアは限定しており、OMEGAではRadeon R9、および、R7シリーズ、そして、TDP 35ワット以上のAPUに統合したRadeon 7x00シリーズ以上のGPUで利用可能だ。

 再生ソフト側はまだこれからといった状況だが、現状、把握しているなかでは、Media Player Classic Home Cinema(MPC-HC)で利用できるようだ。

 Fulid MotionをMPC-HCから利用するためには、Bluesky氏作成のDirectShowフィルタ「Bluesky Frame Rate Converter」を用いる。OS側の対応として、Windows 8/8.1とされている点には注意したい。今回の評価機はWindows 7を搭載していたため、Windows 8.1 Updateをインストールし直して検証した。

 まず、準備段階として、Catalyst Control Panelから、Fulid Motionに関連する項目を有効化する。1つは「ビデオ」の「品質」にある「流体モーション」というチェックボックス、もう1つは「ビデオ」の「グローバル設定」にある「サポートされたビデオプレーヤーアプリケーションでビデオ画質の機能を有効にする」というチェックボックスだ。ともに有効化しておこう。

流体モーションという項目にチェック。サポートするビデオプレーヤーアプリケーションでビデオ画質の機能を有効にするという項目もチェック

 次に、Bluesky氏の「DXVA Checker」(32ビット/64ビット版で分かれているので、環境に合ったものを選択する)をダウンロードして展開、それから起動する。右下、三角マークのプルダウンメニュー中にある「ビデオアクセラレーション設定」を開き、左下の「全ての設定を表示」にチェックした後、一覧から「CmMode_FrameRateConv」、「CmSupp_FrameRateConv」チェックをし、保存して適用する。これでFulid MotionがDXVAから利用可能になる。


DXVA Checkerから、Fulid Motionに関係する2つの項目にチェックを入れ、有効化する

 最後に、Bluesky Frame Rate Converterをダウンロード、展開し、MPC-HCからこれを読み込むように設定する。MPC-HCを起動し、「表示」のなかにある「オプション」から、外部フィルタという項目を開き、「フィルタを追加」ボタンを押して、Bluesky Frame Rate Converterへのパスを指定する。このときも、32ビット版と64ビット版のそれぞれで個別に用意しているので、HPC-HC側に合わせて指定する。そしてフィルタを追加ボタンの下にあるラジオボタンで、「優先する」を指定すればよい。

MPC-HCのオプションにある外部フィルタメニューで、BlueskyFRCxx.dll(xx部分のビットを合わせる)フィルタを追加する。そしてフィルタを追加の下にあるラジオボタンで「優先する」を指定しておこう

 動作確認のために、24p映像を用意するわけだが、以前、AMDに確認したところ、アニメなどで効果が分かりやすいとのことだった。しかし、そう都合よく24pの著作権的に問題のないソースがあるわけでもないので、24pで撮影していた自宅の猫動画で動作を確認してみた。正直な感想を言えば、本当に60p化されているのかどうかは判断が難しい。一方で、(プラシーボ効果なのかもしれないが)スムーズに描かれているようにも感じる。

有効化された状態で24p動画を再生すると、右クリックメニューのフィルタ内に、Bluesky Frame Rate Converterという項目が追加されるのでここをチェック

“285”ベースのゲーミングPCは“960”の有力対抗馬たりえる

 「GA7J-F63/E」本来の話に戻るが、コストバランスのよいゲーミングPCであることは、ベンチマークテストの結果が物語っている。ハイエンドGPUではないため、重量級FPSを最高画質とフルHDを超える解像度で動かしたいユーザーは、BTOでRadeon R9 290Xを選択して欲しい。Radeon R9 285の場合は、コストパフォーマンス、そしてカジュアルなゲームを中心に、時にFPSタイトルを実用的な30fps強のフレームレートを確保したいゆーあーに適している。

 OMEGAドライバの登場によってRadeonシリーズは機能が充実し、パフォーマンスもRadeon R9 285はGeForce GTX 960と互角に戦える。Radeon R9グラフィックスを、手軽に試してみたいという方は、G-GEAR「GA7J-F63/E」を忘れずにチェックすべきだろう。

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