PCMark7は、PCで行なう操作全般をトレースし、そのレスポンスタイムからスコアを出すベンチマークテストだ。ドライブを指定してストレージの性能を計測できる「Secondary Storage score」、および「Raw Secondary score」を掲載した。
前者はシステム構成の影響を排除するためシステムのビジータイムを考慮した調整を行なったスコアで、後者は調整前のスコアだ。システムを統一してストレージのみを比較しているので、どちらを見ても同じ傾向を示すはずだが、なぜか調整前のスコアはやけにバラついている。繰り返し測定してもやはりバラつくため、調整後の「Secondary Storage score」のみ言及する。
結果は、MX200とMX100はやはり似たようなスコアだ。BX100も似ているが、starting applications(MB/秒)の項目のみ、ほかの2台より少し低い。64Kバイトと4Kバイトのランダムリードがほとんどを占める内容だ。
PCMark 8のStorageテストでは、メジャーなアプリケーションのアクセスパターンをトレースしてスコアを出す。しかし、テスト結果はご覧のようにほとんど変わらない。850 EVOのレビュー時のスコアともほとんど変わらず、ストレージのテストとしての存在意義に疑問を感じなくもないが、実際、アプリケーションレベルでの性能差はこの程度でしかないのかもしれない。
PCMark7 1.4.0 / Secondary storage | MX200 | BX100 | MX100 |
---|---|---|---|
Secondary storage score | 5498 | 5441 | 5471 |
Windows Defender(MB/s) | 5.67 | 5.65 | 5.6 |
importing pictures(MB/s) | 30.19 | 29.65 | 30.01 |
video editing(MB/s) | 23.36 | 23.13 | 23.01 |
Windows Media Center(MB/s) | 8.23 | 8.29 | 8.21 |
adding music(MB/s) | 1.41 | 1.41 | 1.41 |
starting applications(MB/s) | 62.94 | 59.7 | 63.24 |
gaming(MB/s) | 17.06 | 17.13 | 17.06 |
PCMark7 1.4.0 / Raw secondary storage | MX200 | BX100 | MX100 |
---|---|---|---|
Raw secondary storage score | 6511 | 6519 | 5921 |
Windows Defender(MB/s) | 69.29 | 65.78 | 59.77 |
importing pictures(MB/s) | 140.99 | 129.84 | 137.07 |
video editing(MB/s) | 246.02 | 223.04 | 212.42 |
Windows Media Center(MB/s) | 308.39 | 435.29 | 283.12 |
adding music(MB/s) | 144.14 | 139.23 | 110.37 |
starting applications(MB/s) | 121.4 | 109.91 | 122.55 |
gaming(MB/s) | 125.92 | 129.71 | 125.97 |
PCMark8 2.0.228 / Storage | MX200 | BX100 | MX100 |
---|---|---|---|
Storage score | 4960 | 4963 | 4989 |
Storage bandwidth(MB/s) | 241.49 | 248.93 | 288.78 |
World of Warcraft(s) | 58 | 58.4 | 58 |
Battlefield 3(s) | 134.5 | 133.5 | 133 |
Adobe Photoshop light(s) | 114.2 | 113.8 | 114 |
Adobe Photoshop heavy(s) | 364.3 | 360.5 | 358.7 |
Adobe InDesign(s) | 57.3 | 57.5 | 57.4 |
Adobe After Effects(s) | 71.2 | 70.8 | 70.4 |
Adobe Illustrator(s) | 72.1 | 72 | 71.5 |
Microsoft Word(s) | 28.5 | 28.3 | 28.2 |
Microsoft Excel(s) | 9.2 | 9.2 | 9.2 |
Microsoft PowerPoint(s) | 9.2 | 9.2 | 9.2 |
消費電力については、SSDのみシステムの電源から独立させてACアダプタから給電し、Electronic Educational Devices製「Watts up? PRO」で計測している。
今回はPCMark7の実行開始と同時に計測を開始し、20分間経過するまでの電力を計測した。テスト自体は14分ほどで終了し、その後システムはアイドル状態へ移行する。
結果はご覧の通りで、新旧世代で明らかに異なる傾向だ。詳細な経過を見てみると、MX100はテスト実行中は消費電力がずっと高いままで実行後にシステムがアイドル状態になってもなかなか下がらなかったのに対し、MX200やBX100はテスト中もこまめに電力が下がり、テスト終了後は早く最低レベルまで下がっており、電力管理機能の進化が感じられる。
消費電力(単位:W) | MX200 | BX100 | MX100 |
---|---|---|---|
20分間の最小電力 | 0.4 | 0.4 | 0.6 |
20分間の最大電力 | 2.8 | 2.5 | 3.7 |
20分間の平均電力 | 0.9 | 0.9 | 1.7 |
20分間の累積電力 | 1088.8 | 1030.8 | 2013.9 |
MX200、BX100とも性能テストの結果はいたって地味で、上位のMX200でも、先代のMX100とほとんど変わらない。今回テストできたのは500Gバイトモデルだったが、250Gバイトモデルでの比較であれば、MX200にはDynamic Write Acceleration Technologyが導入されているぶん、「先代からの向上」は感じられただろうが、いずれにしても性能面ではあまり強調できない。ただ、消費電力は低減されており、MX200ではさらに耐久性の向上という付加価値も備える。
各容量帯の実売価格は表にまとめた(2015年2月第2週現在)。BX100とMX100は同じような価格で売られており、なかなか絶妙な価格設定だ。
1月後半からM550がBX200/BX100よりもさらに安い処分価格で放出されていることもあって、MX100が登場した時のようなインパクトはないが、BX100にはバリュークラスのSSDとしての競争力は十分感じられる。
M550やMX100の在庫がなくなるころにはBX100の価格もこなれてきて、BX100がそれに変わって売れ筋になれる可能性は十分あるだろう。MX200はこれらに比べると高めの価格設定だが、耐久性という付加価値を考えるとこちらも競争力は高い。
実売価格 | 120GBクラス | 250GBクラス | 500GBクラス | 1TBクラス |
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MX200 | − | 1万9000円前後 | 3万3000円前後 | 6万1000円前後 |
BX100 | 9500円前後 | 1万4500円前後 | 2万6000円前後 | 5万3000円前後 |
MX100 | 1万円前後 | 1万4000円前後 | 2万6000円前後 | − |
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