AMD、DirectX 12時代に威力を発揮する「Async Shaders」を日本でアピール世代交代でスコア2倍に(2/3 ページ)

» 2015年04月01日 16時00分 公開
[小林哲雄ITmedia]

DirectX 12とVR技術は分散処理で描画速度アップ

米AMD本社 VR & ソフトウェア・マーケティング グローバルヘッドのサシャ・マリンコヴィチ氏

 米AMDのサシャ・マリンコヴィチ氏は、VR技術「LiquidVR」とDirectX 12での取り組みに関して説明した。DirectX 12ではDirectX Runtim/DriverのCPUコアへの分散処理がより多く行われるため、同じハードウェア構成でも処理時間が早まり、フレームレート向上に役立つという。

 マリンコヴィチ氏は、LiquidVRについても説明した。VR技術は過去20年行ってきたビジュアルコンピューティングのフロンティアであり、次の転換期として捉えていると発言し、AMDは、スケーラブルなCPUとGPU、アクセラレーター(True Audioなど)を持っているユニークなポジションを確立していると語った。これに業界のセンサー技術や表示デバイスを統合化することで新たなプラットフォームとなるとマリンコヴィチ氏は語った。

 VR技術はゲームだけではなく様々な応用分野が望めるという。LiquidVRは、3つのC(Comfort、Compatibilit、Compelling Content)を開発目標としており、これによって現在のVRが抱える問題を解決するための大きなステップになると説明した。

 現在のLiquidVR SDK 1.0では、「Latest data latch」「Async Shaders for VR」「Affinity multi-GPU」「Direct-to-display」という機能を用意している。コンピュータグラフィックスの黎明期において各種の規格が乱立したが、現在のVRも同じ状況になっている。しかし、LiquidVRは今後の標準規格の1つになるかもしれないとマリンコヴィチ氏は主張する。

同じ処理を行った場合のCPU負荷をDirectX 11とDirectX 12で比較する。DirectX 11では、DirectX Runtimeは4コア、Driverは1コアしか使っていないため、Core 1の負荷だけが高く、34fpsしか出せないのに対し(写真=左)、DirectX 12では、DirectX RuntimeとDriverともに8コアを使うために66fpsとほぼ倍速になる(写真=右)

表現能力の向上を示すチャート。今のVRもまだ通過点に過ぎない(写真=左)。ゴールに向けてCPUとGPU、そして、ほかの処理技術も高速化できる技術を持っているのがAMDという立ち位置。ただし、VRで不可欠になるセンサー技術と表示技術はほかの企業との協業でまかなうようだ

AMDが掲げる3つのC。3D酔いを起こさない快適さと互換性の高いアプリケーション、そして、魅力的なコンテンツを作る支援がVRにおける開発目標となる(写真=左)。LiquidVR SDKに用意した4つの機能。最新の位置把握、カクつきを生じさせない非同期シェーダ、両眼表示に向いたGPU処理とヘッドマウントディスプレイを使いやすくする機能を備えている(写真=右)

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