もっとゲームを快適にする達人オススメのキーボードPCゲーマーのためのパーツ選び(1/2 ページ)

» 2015年04月23日 15時00分 公開
[ITmedia]

 これまで「PCゲーマーのためのパーツ選び」と題して、アキバの老舗パーツショップである「パソコンSHOPアーク」のベテランスタッフに、ゲーミングPCを自作する際のパーツ選びのポイントやオススメ周辺機器などを聞いてきた。

 第1回は同店が得意とする「メモリ」について、第2回はゲームの要となる「グラフィックスカード」、第3回は高性能なゲーミングマシンを安定動作させるための「ストレージと電源ユニット」、第4回はゲームのプレイヤースキルに直結する「ゲーミングマウス」を取り上げた。

第5回ではゲーミングキーボードやヘッドセット選びのポイントを聞く

 続く第5回では、ゲーミングキーボードとヘッドセットについて、製品選びのポイントを聞いていく。インタビューに応えてくれたのは、第4回から引き続いてパソコンSHOPアークのゲーム担当スタッフである松島氏だ。

前回に続き、パソコンSHOPアークでゲーム担当スタッフを務める松島さんに話を聞く

キーボードは自分にあった軸を選べ

 ゲーミングキーボードといっても、左手専用デバイスなどを除けば、文字を入力する装置としての基本的な機能は一般的なキーボードと同じだ。さらにいえば、メモリやグラフィックスカードなどのパーツと違い、ゲーミングキーボードがないとゲームができないということもない。ただし、より素早く正確に操作することが求められる種類のゲームタイトルなら、この部分にコストをかけることでライバルに差をつけられるだけの可能性は持っている。

 「ゲーミングキーボードが通常モデルと大きく違うのは、キーの中の“軸”、つまりスイッチの重さと耐久性です。一般的に黒、茶、青/赤の4色の軸が知られていますが、色の順に押し込んだときの反発力が重いものから軽いものまで、ユーザーが目的とするゲームジャンルやプレイスタイルにあわせて幅広くラインアップされているのが特徴です」と松島氏は解説する。

キーの重さ(反発力)は軸によって異なる。一般的に知られているのは、重い順に黒、茶、青/赤の4色(青と赤は同じ重さ)

 「例えば、反発が強くて素早くスイッチが戻るものは、タイピング速度も上がるのでストラテジー系のゲームに向いているでしょう。ただもちろん、反発が強いと連打するのは疲れるのでできるだけ軽いほうがいいという人もいます。また、ゲームジャンルだけでなく、どんな環境でプレイするのかといった側面から選ぶことも重要です。最も軽い青軸と赤軸の違いは、押し込んだときのカチッとしたスイッチ感があるかないかですが、青軸はヘッドセットをしていても指先でスイッチオンが分かるため音が聞こえなくてもキーの取りこぼしはなくなります。逆にボイスチャット時にカチャカチャという音を拾ってしまうので、ボイスチャット相手からは嫌われるかもしれません。プロはどちらかといえば静音性よりはスイッチオンを指先で感じられるタイプを好むようですが、どの軸を選んだら正解ということはないので、一度は実際に試してから検討するべきです」と松島氏は強調する。

 ちなみに松島氏が個人的に使っているのは、「オレンジ軸」のモデルとのこと。これは赤軸よりもさらに軽いRazerオリジナルの静音タイプの軸になる。普段はLoL(League of Legends)などのMOBA系タイトル(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)を遊んでいるそうだ。

 キーボードを選ぶ際のポイントとして、ほかにはマクロ機能やキーボードバックライトの自由度なども挙げられる。スキルスロットがずらりと並ぶMMO系タイトルの場合、柔軟にマクロ機能が利用できればそれだけ有利になる場面は多い。

 「ただ、競技性のあるゲームでは大会ルールで禁止されていることがほとんどですし、MMOでも外部ツールの利用を規約上禁止している場合があります。タイトルによっては不正ツールガードでソフトが起動できないこともあるかもしれません。この辺りの機能は自己責任での利用が前提になることを念頭に置いておいたほうがいいでしょう」と松島氏。

ゲーミングキーボードは、方向指定に使われることが多い「A/S/D/F」のキーキャップの色を変えたり、プログラマブルなショートカットキーを備えているものもある

 続けて「もう1つ、キーボードバックライトの有無については利点はほとんどないと言っていいと思います。暗い場所でもどのキーか分かる、と言えばそうなのですが、プレイ中に手元を見ているようではプレイヤースキル以前の問題でしょう。人によっては光がうるさいと感じることさえあるかもしれません。もっとも、光がじゃまならオフにすることもできるわけで、それなら光るモノを、と考える人は意外にいると思います。キーの1つ1つにLEDが埋め込まれているタイプは、各キーごとに色を変えられるので、特定のキーキャップを別の色に交換するのと同じように使うこともできます。最近のゲーマー向けデバイスは、ヘッドフォンもそうですが、ファッションに気を遣ったモデルが増えていて、単純に『見た目がカッコイイから』という理由で選べばいいのではないでしょうか」と話す。

各キーの下に1つ1つLEDを埋め込んでいるモデルは、キートップの色を交換する感覚でカスタマイズできる

専用ソフトウェアで手軽にカスタマイズできるので実際にキーキャップを交換するより楽

ヘッドセットは必ず一度試着せよ

 一方、ゲーミングヘッドセットを選ぶ際は、「絶対に1度は試着することを強くオススメします」と松島氏はいう。「ポイントを挙げるなら、密閉型かそうでないか、マイクを上げ下げするタイプか収納式または着脱式か、ボリューム調節をブラインドでできるかなど細かい点はたくさんあるのですが、一番重要なのは何より装着感です。例えば、メガネをかけている人は、カップの素材や大きさによっては、メガネフレームが押しつけられて痛みを感じ、長時間プレイするのが困難になるでしょう。まずは実際につけてみてストレスを感じないもの、その次に音の好みや機能と選んでいけばいいと思います」とアドバイスしてくれた。

同店に展示されているヘッドセットはすべて実際に装着して試すことができる。スマホやプレーヤーを持っていれば、聞き慣れた自分の楽曲で音の聞き比べもできる

メガネをかけている人は大きめのカップを採用したモデルのほうが長時間装着していても痛みを感じづらいと松島氏

 このほか、「自室でゲームをやるときだけでなく屋外での利用も考えるなら、マイクの部分は見た目がごつい上げ下げするタイプよりも、着脱できたり完全に収納できるタイプが好ましいでしょう。また、密閉型は自分の声も聞こえづらくなるので、マイクに向かって話す声が大きくなりがちなので注意」とのことだ。

非使用時にマイクを収納できるタイプは外で使っていても違和感が少ない

ファッションにあわせた幅広いカラーバリエーションをそろえているのも最近のゲーミングヘッドセットの傾向

 ちなみに、ゲーミングデバイスメーカーから出ているヘッドセットは低音が厚め、オーディオメーカーから出ているヘッドセットはどちらかといえばソースに近い音になるとのことだが、あくまでもこれは傾向で価格帯やモデルによって当然ばらつきはある。パソコンSHOPアークでは、展示されているモデルはすべて実際に装着して音を聞き比べできるので、ゲーミングヘッドセットを探している人は是非店舗に足を運んでみてほしい。

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