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即戦力の「レーザー/LED複合機」を利用シーンごとに選んでみたSOHO/中小企業に効く「レーザー/LED複合機」の選び方(第2回)(1/2 ページ)

» 2015年05月26日 18時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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←・SOHO/中小企業に効く「レーザー/LED複合機」の選び方(第1回):「レーザー/LED複合機」選びの基本的なポイントとは?

予算10万円を目安にレーザー/LED複合機を選ぶ

 前回は、SOHO/中小企業のオフィスで即戦力となることが期待できるレーザー/LED方式の複合機について、製品の選び方を紹介した。

 今回は、SOHO/中小企業での導入時に予算の目安となるであろう10万円のラインをボーダーとして、おすすめの製品を挙げていく。この価格帯に限定すると、A3対応の製品は候補に入ってこない(ローエンドの製品は20万円台からあるが、メインストリームは数十万円台)。必然的にA4モデルのみとなるのは、あらかじめご了承いただきたい。

 さて、単機能のプリンタではなくあえて複合機を選ぶということは、スキャナやコピーといった機能を明確に必要としているケースがほとんどのはずだ。その半面、FAX機能は必要としないケースもあるとみられ、各社のラインアップも、FAX機能ありとなしの2種類のモデルを用意していることが多い。

 ただし、FAX機能なしのモデルはそれほど選択肢が豊富ではないので、仮にFAX機能が不要でも、最初の段階で製品を絞り込んでしまうと、むしろ選びにくくなってしまう。価格差もせいぜい数千円程度なので、まずはカラー/モノクロの種別および基本機能で選んでいき、最終的に選んだ製品にFAX機能なしのモデルが用意されていればそちらも検討する、という順序で絞り込んだほうが、適切な製品を選び出せるはずだ。

実売価格が10万円以下におさまるA4レーザー/LED複合機をピックアップする(写真はキヤノン「Satera」シリーズの設置イメージ)

カラー対応A4レーザー/LED複合機のおすすめは?

 レーザー/LED複合機は一般的なレーザープリンタと同じく、カラー対応モデルとモノクロ対応モデルが存在している。このうち前者はSOHO/中小企業用途では主力ということで、多くのメーカーが参入しており、選択肢も豊富だ。ここでは自動両面印刷に対応していることを最低条件に候補を見ていこう。

 キヤノンの「Satera MF8570Cdw」は、ADFによる両面読み取りが可能なA4対応レーザー複合機だ。印刷速度はカラー/モノクロ各20枚/分と突出して速いわけではないが、ADFの同時セット可能枚数が50枚と、他社製品に比べて多いことが目立つ。給紙容量は250枚とこのクラスでは一般的で、オプションのカセットでさらに250枚を追加できる。このほか、ほぼ同じ仕様でFAX機能を省いた「MF8530Cdn」もある。

キヤノンの「Satera MF8570Cdw」 ※MF8530Cdnも同デザイン

 ブラザーの「JUSTIO MFC-L8650CDW」は、カラー/モノクロとも28枚/分という高速印刷が可能なハイスペックモデルで、かつ給紙容量はカセット250枚に加えて手差しトレイ100枚、さらにオプションを加えると合計800枚まで拡張できることが特徴だ。ランニングコストがカラー11.9円、モノクロ2.5円と安いのも見逃せない。もちろんADFでの両面読み取りにも対応しており、ADFの同時セット可能枚数は35枚と、こちらは一般的な仕様だ。耐久性は20万枚もしくは5年とされている。

 同じくブラザー「JUSTIO MFC-9340CDW」は、同社のカラー複合機ではミドルクラスとなる製品で、カラー/モノクロとも22枚/分の印刷速度を誇る。給紙容量は250枚、ADFでの両面読み取りに対応し、ADFの同時セット可能枚数は35枚と、おおむね一般的なスペックだ。ランニングコストはカラー17.3円、モノクロ3.7円、さらに耐久性は10万枚もしくは5年と、上位モデルのMFC-L8650CDWと比較するとやや分が悪い。導入コストを抑えたい場合に向いた製品だ。

ブラザー「JUSTIO MFC-L8650CDW」(写真=左)と「JUSTIO MFC-9340CDW」(写真=右)

 OKIデータ「COREFIDO MC562dnw」および「COREFIDO MC362dnw」は、同社のLEDプリンタと同様、5年間無償保証がウリのカラーLED複合機だ。給紙枚数はいずれも標準トレイで280枚だが、マルチパーパストレイにも110枚をセットできるため、標準で390枚と多い。また、両面読み取りに対応したADFは50枚を同時にセットできる。

 両者の相違点は印刷速度やランニングコストだ。印刷速度は前者がカラー22ページ/分、モノクロ24ページ/分に対し、後者はカラーが26ページ/分、モノクロが30ページ/分となる。ランニングコストは前者がカラー12.2円、モノクロ3.0円に対し、後者はカラー13.6円、モノクロ3.1円だ。5年保証ということもあり、耐久性は前者が42万ページ、後者も30万ページと長い。外形寸法は他社に比べてやや大柄だ。

OKIデータ「COREFIDO MC562dnw」(写真=左)と「COREFIDO MC362dnw」(写真=右)

 リコー「SP C251SF」および「SP C250SFL」は、カラー/モノクロとも20枚/分の印刷速度に対応したカラー複合機だ。給紙容量は270枚、ADFの同時セット可能枚数は35枚だが、読み取りは片面のみとなるので注意したい。

 両者の違いは主にランニングコストで、前者がカラー12.0円、モノクロ3.0円に対し、後者はカラー16.4円、モノクロ3.7円となる。また耐久性も、前者が18万ページ、後者が9万ページと差があるほか、前者は出力時にパスワードを要求する機能なども備えている。

リコー「SP C251SF」(写真=左)と「SP C250SFL」(写真=右)

 2011年発売とやや古い製品だが、エプソンの「LP-M720F」は、カラー/モノクロとも24枚/分という高速印刷が持ち味の製品だ。給紙容量はカセット250枚に加えて、手差しトレイ100枚、オプションのカセットで500枚と、最大850枚に対応する。ADFでの両面読み取りもでき、ADFの同時セット可能枚数は35枚だ。ブラザーのMFC-L8650CDWとよく似たスペックだが、耐久枚数が40万ページと多いのが利点だ。ランニングコストはカラー12.5円、モノクロ3.0円となっている。

エプソン「LP-M720F」

 以上、主だった点だけでも、かなりの違いがあることが分かる。なかでもローエンドの製品にみられるADFの両面同時読み取りができない製品は、ビジネス文書のデータ化にはやや力不足なので、日々のスキャンを任せたいのであれば、他の製品を当たったほうがよいだろう。

 またここでは省いているが、カラー複合機の中には両面印刷に対応していない製品もあるので、当然のように備わっている機能と決めつけず、製品選定の際は必ずチェックすることをおすすめする。

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